網戸の張替えがうまくいかない原因と対策
網戸張替えの基本情報
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必要な道具
マイナスドライバー、新しい網、押さえゴム、ローラー、カッターナイフ、クリップなど
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費用の目安
自分で行う場合は約1,000円程度、業者依頼は1枚3,000〜5,000円程度
⏱️
作業時間
慣れていない場合は1枚あたり30分〜1時間程度
網戸の張替えがうまくいかない主な原因と失敗例
網戸の張替えは一見簡単そうに見えますが、実際にやってみると意外と難しいものです。多くの方が経験する失敗例と原因を見ていきましょう。
まず最も多い失敗例は「網がたるむ」という問題です。これは網を張る際に十分な張力をかけられなかったり、均等に力を加えられなかったりすることで発生します。たるみがあると見た目が悪いだけでなく、虫が入りやすくなるという機能面での問題も生じます。
次によくある失敗が「網が斜めになる」というケースです。これは網目と枠が平行になっていない状態で固定してしまうことで起こります。斜めに張られた網戸は見た目が悪いだけでなく、網目が広がって虫が入り込む隙間ができてしまうことがあります。
また、「押さえゴムがうまく入らない」という問題も頻発します。溝が汚れていたり、ゴムのサイズが合っていなかったりすると、ゴムがしっかり固定されず、後から網が外れてしまうことがあります。
「網を切り取る際に失敗する」というケースも多いです。カッターの扱いに慣れていないと、網を切る際に力加減を誤って枠を傷つけたり、切り口が不均一になったりします。
これらの失敗は、適切な道具の準備不足や作業手順の誤り、そして経験不足が主な原因です。しかし、コツを押さえれば誰でも上手に張替えができるようになります。
網戸の張替えに必要な道具とサイズ確認のポイント
網戸の張替えをスムーズに行うためには、適切な道具の準備とサイズ確認が重要です。必要な道具とサイズ確認のポイントを詳しく見ていきましょう。
【必要な道具一覧】
- マイナスドライバー(小さめ):古い押さえゴムを外すのに使用
- 張り替え用の網:一般的には黒またはグレーの網(サイズは網戸より大きめに)
- 押さえゴム:網を固定するためのゴム(色・サイズを確認)
- 押さえ用ローラー:ゴムを溝に押し込むための専用工具
- カッターナイフ:余分な網をカットするために使用
- クリップまたは洗濯バサミ:網を固定するのに便利
- 掃除用具(歯ブラシ、雑巾など):枠の溝を掃除するのに使用
特に押さえゴムは、2.8mm、3.5mm、4.5mm、5.5mm、6.8mmなど複数のサイズがあります。現在使用しているゴムのサイズを測って同じものを購入するか、枠の溝の幅に合ったサイズを選びましょう。
【サイズ確認のポイント】
- 網戸全体のサイズを正確に測る(横幅・縦幅)
- 内側の窓のサイズではなく、網戸本体のサイズを測ること
- 押さえゴムのサイズと色を確認する
- 必要な網のサイズは、網戸のサイズより各辺10cm程度大きめに用意する
サイズを間違えると、網が足りなくなったり、ゴムがきちんと固定されなかったりするため、慎重に確認しましょう。道具は一式でホームセンターやネット通販で購入できますが、1〜2枚の交換であれば千円程度で揃えることができます。
網戸の張替え手順と失敗しないためのコツ
網戸の張替えを成功させるためには、正しい手順と失敗しないためのコツを知ることが重要です。ここでは、網戸張替えの基本的な手順と各ステップでのコツを詳しく解説します。
【基本的な張替え手順】
- 網戸を枠から外す
- 窓枠から網戸全体を取り外します
- 平らな場所に網戸を置き、作業スペースを確保します
- 古い網と押さえゴムを取り外す
- マイナスドライバーでゴムの端を浮かせて引き抜きます
- 古い網を取り除きます
- 枠の溝を掃除する
- 歯ブラシなどで溝の汚れをきれいに落とします
- 雑巾で拭き上げて乾かします
- 新しい網を配置する
- 網戸より大きめにカットした網を用意します
- 網目が枠と平行になるように配置します
- クリップで四隅を固定します
- 押さえゴムを取り付ける
- コーナーから5cm程度離れた場所から始めます
- L字型に最初の部分を固定します
- ローラーを使って溝に押し込んでいきます
- 余分な網をカットする
- 四隅は斜めにハサミで切り込みを入れます
- カッターナイフで枠に沿って余分な網を切り取ります
【失敗しないためのコツ】
- 網の張り方のコツ:網はピンと張りすぎず、かといってたるませすぎないよう、適度な張力で固定します。網目と枠が平行になるよう注意しましょう。
- 押さえゴム取り付けのコツ:一気に全体を押し込もうとせず、少しずつ進めていきます。網を軽く引っ張りながらゴムを押し込むと、たるみを防げます。
- 作業環境のコツ:なるべく広い場所で作業し、網戸の下に新聞紙やシートを敷くと汚れ防止になります。
- カットのコツ:カッターは枠に沿ってまっすぐ引くように使い、ノコギリのようにギコギコと動かさないようにします。
これらの手順とコツを守れば、初めての方でも比較的きれいに網戸を張り替えることができます。ただし、最初は少し時間がかかるかもしれませんので、焦らず丁寧に作業を進めましょう。
網戸の張替えがうまくいかないときの対処法と修正方法
網戸の張替え作業中や張替え後に問題が発生した場合の対処法と修正方法について解説します。失敗してもあきらめずに修正することで、きれいな仕上がりを目指しましょう。
【たるみが出てしまった場合の対処法】
たるみは網戸張替えで最も多い失敗例です。たるみが出てしまった場合は、以下の方法で修正できます。
- 部分的なたるみの場合
- たるんでいる部分の押さえゴムを一部取り外します
- 網を外側に引っ張りながら、再度押さえゴムを入れ直します
- この際、反対側の網が緩まないよう注意しましょう
- 全体的なたるみの場合
- 残念ながら全体的にたるんでいる場合は、最初からやり直す必要があることが多いです
- 網を外して新しい網で再度張り替えを行いましょう
- 2人で作業すると、均等に張力をかけやすくなります
【網が斜めになってしまった場合】
網目が枠と平行になっていない場合は、見た目が悪いだけでなく機能面でも問題があります。
- 軽度の斜め
- 軽度であれば、押さえゴムを外して網の位置を調整し、再度固定することで修正できます
- 重度の斜め
- 残念ながら大きく斜めになってしまった場合は、最初からやり直す必要があります
- 網を配置する際に、枠の辺と網目の線が平行になるよう特に注意しましょう
【押さえゴムがうまく入らない場合】
- 溝が汚れている
- 溝をしっかり掃除し、乾かしてから再度挑戦しましょう
- ゴムのサイズが合っていない
- ゴムの入れ方のコツ
- ローラーの先端で少しずつゴムを押し込みます
- 一度に長い距離を押し込もうとせず、5〜10cmずつ進めていきましょう
【カット後の端がほつれる場合】
- カットの仕方を工夫する
- カッターは一度で切り切るよう、しっかり力を入れて引きます
- 何度もカッターを往復させるとほつれやすくなります
- ほつれ防止の対策
- 細かいほつれは、ライターで軽く炙ると固まって防止できることもあります(火災に注意)
- 専用の補修テープを使用する方法もあります
これらの対処法を知っておくことで、失敗しても諦めずに修正することができます。何度か経験を積むことで、徐々にきれいに仕上げられるようになりますので、焦らず取り組みましょう。
網戸の張替えと同時にチェックすべき関連トラブルと対策
網戸の張替えを行う際には、網だけでなく網戸全体の状態をチェックすることが重要です。網戸に関連する他のトラブルを同時に解決することで、より長く快適に使用できるようになります。
【網戸がスムーズに動かない場合のチェックポイント】
網戸を張り替えても、スムーズに動かないという問題が残ることがあります。主な原因と対策は以下の通りです。
- レールの汚れ
- 症状:網戸の動きが重い、引っかかる
- 対策:レールのホコリや虫の死骸を掃除する
- 方法:歯ブラシや掃除機で清掃し、シリコンスプレーを少量塗布する
- 外れ止めのズレ
- 症状:網戸が途中で止まる、外れやすい
- 対策:外れ止めの位置を調整する
- 方法:ドライバーで外れ止めのネジを緩め、位置を調整して締め直す
- 戸車の破損
- 症状:網戸が斜めに動く、引きずる音がする
- 対策:戸車を交換する
- 方法:網戸の下部にある戸車を取り外し、同じサイズの新しい戸車に交換する
【網戸枠のゆがみや破損】
網戸枠自体に問題がある場合は、網を張り替えても根本的な解決にならないことがあります。
- 枠のゆがみ
- 症状:網戸全体がゆがんでいる、隙間ができる
- 対策:軽度なら調整、重度なら交換
- 方法:軽度の場合は四隅の接合部を確認し、ネジがあれば締め直す。重度の場合は網戸ごと交換を検討
- サッシの破損
- 症状:網戸を取り付ける窓枠部分の破損
- 対策:サッシの修理または交換
- 方法:専門業者に依頼するのが安全
【網戸の種類による特有の問題】
網戸には様々な種類があり、それぞれ特有の問題があります。
- 引き違い網戸
- 特有の問題:レールの汚れ、戸車の摩耗
- 対策:定期的な清掃と戸車の点検
- 上げ下げ網戸
- 特有の問題:バランサーの劣化、紐の切れ
- 対策:バランサーの調整または交換
- 折りたたみ網戸
- 特有の問題:蝶番の緩み、折りたたみ部分の破損
- 対策:蝶番の締め直しや潤滑油の塗布
網戸の張替えと同時にこれらの関連トラブルもチェックして対処することで、網戸全体の機能を回復させることができます。特に経年劣化が進んでいる場合は、網の張替えだけでなく、関連部品の交換も検討すると良いでしょう。
また、網戸の動きが悪い場合は、張替え作業の前に原因を特定し、必要な部品を準備しておくことをおすすめします。これにより、一度の作業で網戸の問題を総合的に解決できます。
網戸がスムーズに動かない原因と対策についての詳細はこちら
網戸は日常生活で重要な役割を果たしているにもかかわらず、メンテナンスを怠りがちな部分です。定期的な点検と適切なケアを行うことで、快適な住環境を維持しましょう。
プロに依頼すべきケースと自分で張替える際の判断基準
網戸の張替えは基本的にDIYで可能な作業ですが、状況によってはプロに依頼した方が良いケースもあります。ここでは、プロに依頼すべき状況と自分で張り替える際の判断基準について解説します。
【プロに依頼すべきケース】
- 網戸の枠やサッシに問題がある場合
- 枠が大きくゆがんでいる
- サッシが破損している
- 戸車などの部品が大きく損傷している
- 特殊な形状や大型の網戸の場合
- 非常に大きなサイズの網戸
- 曲線や特殊な形状の網戸
- 高所にある網戸で作業が危険な場合
- 複数枚の網戸を一度に交換する場合
- 家全体の網戸を一斉に交換する場合
- 時間的制約がある場合
- 体力的な制約がある場合
- 高齢者や体力に自信がない方
- 手先の器用さに自信がない方
【自分で張り替える際の判断基準】
- 網戸の状態による判断
- 網だけが破れている(枠は問題ない)
- 標準的なサイズと形状の網戸である
- 取り外しと取り付けが容易である
- 技術と道具による判断
- 基本的なDIY作業ができる
- 必要な道具を揃えられる
- 作業スペースが確保できる
- コストと時間による判断
- DIY: 材料費約1,000円/枚、作業時間30分〜1時間
- プロ依頼: 3,000〜5,000円/枚、即日完了
【プロに依頼するメリット】
- 仕上がりがきれいで、たるみなどの失敗がない
- 作業時間が短く、複数枚でも効率的に交換できる
- 網戸に関連する他の問題も同時に解決できる
- 保証がついている場合が多い
【自分で行うメリット】
- コストを大幅に抑えられる(約1/3〜1/5)
- 自分のペースで作業できる
- 達成感が得られる
- 次回からのメンテナンスも自分でできるようになる
実際の判断は、網戸の状態、自分の技術レベル、時間的・経済的な余裕などを総合的に考慮して決めるとよいでしょう。初めての場合は、まず1枚だけ試してみて、うまくいかなければプロに依頼するという段階的なアプローチも効果的です。
網戸張替えの費用相場と業者選びのポイントはこちら
また、DIYに挑戦する前にプロのアドバイスを受けることも一つの選択肢です。ホームセンターのDIY相談コーナーや、リフォーム業者に相談するだけでも、適切な判断材料が得られるでしょう。
網戸の張替えは、適切な判断と準備があれば、DIY初心者でも十分に挑戦できる作業です。しかし、無理をせず、状況に応じて適切な選択をすることが大切です。