
エフフォー(F☆☆☆☆)星の数は、建築材料に含まれるホルムアルデヒドの放散量を示す日本独自の等級制度です。星の数が多いほど放散量が少なく、F☆☆☆☆は最も厳しい基準をクリアした材料に与えられます。
具体的には、Fはホルムアルデヒド(Formaldehyde)の頭文字で、星の数(☆)は放散等級を表します。F☆☆☆☆は「エフフォースター」や「エフヨンスター」とも呼ばれ、建築基準法で定められたシックハウス対策の一環として2003年から義務化されました。
F☆☆☆☆の材料は、建築物の内装仕上げに無制限で使用可能とされ、人体への悪影響が極めて少ないとされています[1][4]。
星の数は1つ(F☆)から4つ(F☆☆☆☆)まであり、数が増えるほどホルムアルデヒドの放散量が減ります。
・F☆☆☆☆:最上位等級。内装材として使用面積の制限なし。
・F☆☆☆:床面積の2倍まで使用可能。
・F☆☆:床面積の0.3倍まで。
・F☆:原則、使用不可。
住宅や公共施設ではF☆☆☆☆の材料が推奨されており、多くのハウスメーカーや設計事務所はF☆☆☆☆のみを採用しています[1][4]。
ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質として知られ、目や喉の刺激、頭痛、アレルギー症状などを引き起こすことがあります。
F☆☆☆☆の建材は放散量が極めて低いため、健康リスクを大幅に低減できます。ただし、「ゼロ」ではなく「極めて少ない」ため、完全に無害というわけではありません。
一方で、F☆☆☆以下の材料を多用すると、居住者の健康被害リスクが高まるため、設計段階での材料選定が非常に重要です[1][4]。
無垢材や漆喰、珪藻土といった自然素材はF☆☆☆☆取得が容易ですが、家具や建具、幅ハギ材には接着剤やパテ、ウレタン塗装などが使われます。
これら副資材もF☆☆☆☆基準を満たしているか確認が必要です。特にリフォームやDIYでは、見落としがちな塗料や接着剤の等級表示にも注意しましょう。
また、F☆☆☆☆の合板やクロスを使っていても、下地や施工時の副資材が基準未満の場合、室内環境に影響を与えることがあります[1]。
建築現場では、材料のF☆☆☆☆表示を必ず確認し、納品書やカタログで証明書類を保管することが求められます。
・材料に直接F☆☆☆☆マークが印字されているかチェック
・副資材や下地材も含めて等級を確認
・現場での混在を防ぐため、材料置き場を分ける
・リフォームや部分改修時も新旧材料の等級差に注意
さらに、海外製品や輸入建材の場合、日本のF☆☆☆☆基準を満たしていないケースもあるため、必ず国内認証の有無を確認しましょう。
意外な落とし穴として、家具や造作棚などの後付けアイテムがF☆☆☆☆未取得品の場合、室内環境に影響することもあります[1]。
参考リンク:
F☆☆☆☆の基準や建材選びの実践的なポイントが詳しく解説されています。
木材の安全性とF☆☆☆☆基準の詳細(マルトクショップ)
F☆☆☆☆等級の意味や住宅での使用制限の具体例がまとまっています。
F☆☆☆☆等級の詳細と建材選びの注意点(アトピッコハウス)