
インプラスの取付けにおいて、クレセントの寸法確認は施工成功の重要な要素です。LIXILが提供する交換用サッシ錠対応表によると、クレセント取付けには以下の基本寸法が規定されています。
クレセント寸法の測定ポイント
特に重要なのは、現在取付いているクレセントのねじ中心から室内方向に17mm以上の取付け面が必要という点です。この寸法が不足すると、部品がはみ出してしまい交換できない場合があります。
また、防火サッシには対応できないという制限があることも、不動産業者として把握しておくべき重要な情報です。
内窓取付け時のクレセント干渉は、施工後のトラブルを避けるため事前確認が不可欠です。干渉確認は2段階のステップで行います。
STEP1:有効寸法の確認
内窓の取付けに必要な有効寸法は70mm以上です。有効寸法は、外窓の室内側に最も出ている部分を起点に窓枠の先端までの寸法を測定します。
STEP2:クレセント回転軌道の確認
外窓クレセントを90°倒し、回転軌跡の最も室内側に出る位置での干渉をチェックします。この位置で有効寸法の範囲にクレセントが届かなければ干渉しません。
既存窓の中心線からクレセントの柄までが35mm以上あれば、インプラスの枠にぶつからないという基準も重要です。
LIXILの対応表では、TOSTEM及び新日軽のサッシについて商品別の適合性が詳細に記載されています。販売開始年月順に整理され、○(対応可)、×(対応不可)で明確に分類されています。
主要対応商品例
特に注目すべきは、同じ期間に販売された商品でも対応可否が異なることです。これは窓の構造やクレセント取付部の設計が商品により異なるためです。
不動産業者としては、既存サッシの商品名を正確に把握し、対応表で事前確認することでスムーズな内窓設置提案が可能になります。
インプラスの発注時には、外窓とのクレセント位置や中桟位置を合わせるためのP・F寸法指定が重要です。
P寸法(クレセント位置)の指定範囲
引違い窓の場合。
F寸法(中桟位置)の関係
中桟を指定する場合のクレセント位置との関係。
この寸法指定により、外窓との見た目の統一性を保ちながら、機能的な内窓設置が実現できます。商品製作後のクレセント位置変更はできないため、発注時の正確な寸法指定が必須です。
開き窓の場合は、ハンドル位置指定として異なる計算式が適用されることも覚えておくべきポイントです。
クレセント交換における適用範囲は、近年の省エネ性能向上要求により拡大傾向にあります。特に既存住宅の断熱改修需要の高まりにより、従来対応困難だった古いサッシへの対応技術も進歩しています。
交換適用範囲の拡大要因
興味深いのは、クレセント干渉回避のためのP寸法指定で、上下100mmずらすことで多くの干渉問題が解決できることです。この技術的知見は、設計段階での問題回避に大きく貢献します。
また、浴室仕様のインプラスでは、水勾配1°以上の開口部に対する特別な調整材対応も可能になっており、適用範囲は確実に拡大しています。
不動産業者としては、これらの最新動向を把握することで、従来諦めていた物件での内窓提案が可能になり、新たなビジネスチャンスの創出につながります。定期的な技術情報のアップデートが、競合他社との差別化要素となることは間違いありません。