
この工法の魅力は、特殊な技術や熟練工を必要としないところ。基本的には単純作業の繰り返しで、しっかりとした構造物を作り上げることができるんです1。でも、だからこそ一つ一つの工程を丁寧にやることが大切になってきます。
まず最初にやるべきは基礎工事。これを適当にやってしまうと、後々で取り返しのつかないことになりかねません。軟弱地盤の場合は地盤改良などの準備工事が必要になることもありますが、ここは設計図書に従って確実に実施しましょう1。
基礎部分の掘削と整地では、設計通りの寸法と勾配を確保することが何より重要です。特に排水処理は見落としがちなポイントですが、補強土壁の長期安定性に直結する部分なので手抜きは禁物。排水溝の設置と、フリ防止のためのL型アングルの配置も忘れずに1。
基礎用のアンカーピンでL型アングルを固定する際は、後の作業に影響しないよう水平・垂直の精度をしっかりと確認。ここで少しでもズレがあると、上段の施工時に苦労することになります。現場では「最初が肝心」とよく言われますが、まさにその通りなんです。
フラットパネルの設置に入ると、いよいよジオテキスタイル工法らしい作業が始まります。最下段のフラットパネルをL型アングル上に設置する際は、壁面勾配を慎重に確認しながらサポートで仮固定1。この段階で勾配が狂うと、全体の仕上がりに影響してしまいます。
フラットパネル設置後の背面への吸出し防止シートの取り付けも重要な工程です。このシート、地味な存在に見えるかもしれませんが、実は補強土壁の性能を左右する大事な部材。丁寧に取り付けることで、盛土材と壁面材の間での不具合を防げます。
壁面材同士の連結では、連結ピンの挿入がスムーズにいくよう、事前に接続部の清掃と点検を怠らないこと。現場では小さなゴミや土が詰まっているだけで作業効率が格段に下がることがありますからね。
盛土材のまき出しと敷き均し