
網戸の張り替えは比較的簡単なDIY作業として知られていますが、いざ作業を始めようとすると「押さえゴムが見当たらない」という状況に戸惑うことがあります。実は、すべての網戸が同じ構造ではなく、押さえゴムが見えない特殊なタイプも存在するのです。この記事では、そんな「ゴムが見えない網戸」の種類と対処法について詳しく解説します。
玄関用のサッシ網戸に多く見られるのが、押さえゴムが化粧カバーで隠れているケースです。これは見た目の美観を重視した設計で、アルミ製の同色カバーによって押さえゴムが完全に隠されています。
化粧カバーの見分け方としては、サッシの先端から約15mmの位置に切れ目がある場合、それが化粧カバーである可能性が高いです。室内側の格子と反対面に取り付けられていることが多く、一見するとカバーだとは気づきにくい構造になっています。
化粧カバーを外すには、以下の手順で行います。
カバーを外す際は力の入れすぎに注意しましょう。アルミ製のカバーは曲がりやすく、一度変形すると元に戻しにくいため、慎重に作業を進めることが大切です。
押さえゴムの代わりにT字型のプラスチック部品で網を固定している網戸もあります。このタイプは現在ではあまり一般的ではありませんが、古い住宅などでは見かけることがあります。
T字プラスチックの押さえは、形状によってⅠ型とⅡ型の2種類があります。張り替え作業を行う際は、既存のものと同じ型を選ぶ必要があります。
T字プラスチックを外す手順は以下の通りです。
T字プラスチックは古くなると劣化して割れやすくなっているため、一気に外そうとせず、少しずつ丁寧に作業することが重要です。また、外したT字プラスチックが劣化している場合は、新しいものに交換することをおすすめします。
築40年以上の古い住宅では、木製枠の網戸が使われていることがあります。このタイプは押さえゴムではなく、木の押さえと釘で網が固定されています。
木製の押さえは、以下の手順で外します。
張り替え後は、再度木の押さえを元の位置に戻し、新しい釘で固定します。古い木材が劣化している場合は、新しい木材に交換することも検討しましょう。
木製の網戸は、現代の網戸と比べて構造が異なるため、作業に慣れていない方は専門業者への依頼も選択肢の一つです。
じゃばら式(プリーツ)タイプの網戸も、通常の押さえゴムが見えないタイプの一つです。このタイプはカーテンのようにたためる構造になっており、玄関や大きな開口部に使われることが多いです。
プリーツ網戸の特徴。
このタイプの網戸は構造が複雑で専門的な知識が必要なため、張り替えは専門業者に依頼することをおすすめします。無理にDIYで行うと、機能不全を起こす可能性があります。
押さえゴムが見えない網戸の張り替えには、通常の網戸張り替えよりも多くの道具が必要になります。以下に、主な道具と材料をリストアップします。
【必要な道具】
【必要な材料】
特に注意すべきは、T字プラスチックの形状です。既存のものと同じ型(Ⅰ型またはⅡ型)を選ばないと、うまく固定できません。また、化粧カバーが付いている網戸の場合、カバーを傷つけないよう慎重に作業することが重要です。
網の選択においても、用途に合わせた適切なものを選びましょう。虫の侵入を防ぎたい場合は目の細かいもの、プライバシーを重視する場合は外から室内が見えにくい黒い網などが適しています。
ここでは、押さえゴムが化粧カバーで隠れている場合の張り替え手順を詳しく解説します。
【手順1:化粧カバーを外す】
【手順2:押さえゴムを取り外す】
【手順3:枠の清掃】
【手順4:新しい網を張る】
【手順5:余分な網を切り取る】
【手順6:化粧カバーを戻す】
【注意点】
特に初めて作業する場合は時間をかけて丁寧に行うことが大切です。急いで作業すると、カバーの変形や網のシワなど、仕上がりに影響します。
押さえゴムが見えない特殊な網戸の張り替えは、DIYでも可能ですが、初めての方には難しい場合もあります。特に以下のような場合は、専門業者への依頼を検討しましょう。
専門業者に依頼する場合の費用相場は以下の通りです。
網戸のタイプ | 費用相場(1枚あたり) |
---|---|
一般的な網戸 | 1,000円~3,000円 |
化粧カバー付き | 2,000円~4,000円 |
T字プラスチック型 | 2,000円~4,000円 |
木製枠 | 3,000円~5,000円 |
じゃばら式(プリーツ) | 4,000円~6,000円 |
これらの費用には、材料費と作業費が含まれています。ただし、業者によって料金体系は異なるため、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
また、DIYで行う場合と業者に依頼する場合のメリット・デメリットを比較してみましょう。
【DIYのメリット】
【DIYのデメリット】
【業者依頼のメリット】
【業者依頼のデメリット】
DIYか業者依頼かの判断は、自分の技術レベルや時間的余裕、費用面などを総合的に考慮して決めるとよいでしょう。
網戸の張り替えに関する業者依頼の詳細情報
網戸の張り替えは定期的なメンテナンスとして重要な作業です。押さえゴムが見えない特殊なタイプであっても、正しい知識と適切な道具があれば、DIYでも十分に対応可能です。しかし、無理をせず、自分の技術や時間に合わせた選択をすることが、結果的に美しい仕上がりと長持ちする網戸につながります。
この記事が、「網戸の張り替えでゴムが見えない」という問題に直面している方の参考になれば幸いです。適切なメンテナンスで、快適な住環境を維持しましょう。