
網戸の張り替えを始めようとしたとき、「押さえゴムがどこにあるのか見当たらない」という状況に遭遇することがあります。これは決して珍しいことではありません。特に玄関用の網戸や特殊なタイプの網戸では、押さえゴムが見えない構造になっていることがあるのです。
まず確認すべきは、網戸の構造です。一般的な窓用の網戸では、サッシの枠に沿って押さえゴムが見えるようになっていますが、以下のような場合は押さえゴムが見当たらないことがあります。
押さえゴムが見当たらない場合、まずは網戸のサッシの端から約15mm程度の位置に切れ目や隙間がないか確認しましょう。この切れ目が化粧カバーの端である可能性が高いです。また、サッシの色と同じ色のアルミ製カバーが取り付けられていることも多いため、一見するとカバーだと気づきにくいこともあります。
特に玄関用の網戸では、見た目を美しくするために押さえゴムを隠す化粧カバーが使われていることが多いので注意が必要です。
押さえゴムが化粧カバーで隠れている場合、まずはその化粧カバーを適切に取り外す必要があります。化粧カバーの取り外し方は以下の手順で行いましょう。
化粧カバーの取り外し手順:
化粧カバーを取り外す際の注意点として、力の入れ過ぎに注意しましょう。アルミ製のカバーは曲がりやすく、一度曲がると元に戻しにくいため、慎重に作業を進めることが大切です。
化粧カバーを取り外したら、その下に押さえゴムが見えるはずです。このゴムを通常の網戸と同じように取り外していきます。ただし、化粧カバーがある網戸の場合、ゴムを納める溝が一段凹んでいることが多いため、通常の網戸よりも作業がやや難しくなります。丁寧に作業を進めましょう。
網の張り替えが完了したら、最後に化粧カバーを元に戻します。カバーがうまく入らない場合は、ゴムやプラスチックなどの柔らかい素材を当てながら、ハンマーで軽く叩くと入りやすくなります。直接ハンマーで叩くと傷がつくので注意しましょう。
網戸の押さえゴムには様々なサイズと種類があります。適切なゴムを選ばないと、網がしっかり固定されなかったり、逆に入れるのが困難になったりします。
押さえゴムのサイズ:
押さえゴムのサイズは直径で表され、一般的には以下のようなサイズがあります。
正確なサイズを知るには、現在使用している押さえゴムを少し引き出して、定規で直径を測るのが最も確実です。サッシの溝の幅だけで判断すると、誤ったサイズを選んでしまう可能性があります。
押さえゴムの種類:
押さえゴムには以下のような種類があります。
また、ゴムが劣化している場合は、本来のサイズより細くなっていることがあります。その場合、元のサイズより少し太めのゴムを選ぶと良いでしょう。ただし、あまりに太すぎると入れるのが困難になるため、1mm程度太いものを選ぶのが適切です。
押さえゴムを購入する際は、ホームセンターなどで実物を見て選ぶか、不安な場合は調整可能タイプのゴムを選ぶと失敗が少なくなります。
押さえゴムが固着していたり、長年の使用で硬化していたりして取れない場合があります。そんな時に役立つ効果的な取り外し方法をご紹介します。
基本的な取り外し方法:
ゴムが取れない場合の対処法:
それでもゴムが取れない場合は、カッターでゴムを切って取り外す方法もあります。ただし、この方法はサッシを傷つける可能性があるため、最終手段として考えましょう。
ゴムを取り外した後は、サッシの溝に残ったゴムのかけらや汚れを古い歯ブラシなどで丁寧に掃除することも重要です。溝がきれいになっていないと、新しいゴムがうまく入らない原因になります。
網戸の張り替えを成功させるためには、適切な道具と正しい手順が重要です。ここでは、必要な道具と失敗しないコツをご紹介します。
必要な道具:
失敗しないDIYのコツ:
網戸の張り替えは最初は難しく感じるかもしれませんが、コツを掴めば自分でも簡単にできるようになります。何度か経験を積むことで、プロ並みの仕上がりを実現できるでしょう。
一般的な網戸とは異なる特殊なケースでは、押さえゴムが見つからないことがあります。ここでは、そうした特殊な事例と独自の対処法をご紹介します。
木製網戸の場合:
古い日本家屋などでよく見られる木製の網戸では、ゴムではなく木の押さえで網が固定されていることがあります。この場合、木の押さえは釘などで固定されているため、スクレーパーや釘抜きを使って慎重に外す必要があります。
木の押さえを外したら、古い網を取り除き、新しい網を張って、再度木の押さえで固定します。この際、元の釘穴を利用すると木が割れにくくなります。
特殊な構造の網戸:
最近の高機能な網戸の中には、従来の押さえゴム方式ではなく、特殊な構造で網を固定しているものがあります。例えば。
これらの特殊な網戸は、メーカーや製品によって張り替え方法が大きく異なります。製品の取扱説明書を確認するか、メーカーのウェブサイトで情報を得ることをおすすめします。
独自の対処法:
押さえゴムが見つからない場合や、特殊な構造で張り替えが難しい場合は、以下のような独自の対処法も考えられます。
これらの独自の対処法は、従来の方法が使えない場合の代替手段として検討してみてください。ただし、恒久的な解決策としては、正規の方法で張り替えるか、専門業者に相談することをおすすめします。
網戸の修理・張り替えに関する詳細な情報はこちらで確認できます
網戸の張り替えは、適切な知識と道具があれば、DIY初心者でも十分に対応可能な家庭の修繕作業です。押さえゴムが見つからない、取れないといった問題に直面しても、本記事で紹介した方法を参考に、冷静に対処していきましょう。特に化粧カバーの有無や押さえゴムのサイズ確認は重要なポイントです。
定期的なメンテナンスによって、網戸は長く快適に使用できます。また、自分で張り替えることで、専門業者に依頼するよりも大幅にコストを抑えることができるのも大きなメリットです。この記事が皆さんの網戸メンテナンスの一助となれば幸いです。