アルミチャンネル規格の基本寸法と選定方法

アルミチャンネル規格の基本寸法と選定方法

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アルミチャンネル規格の寸法基準

アルミチャンネル規格の基本情報
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規格寸法の構成要素

厚さ(t)、幅(B)、高さ(A)の3つの基本寸法で規格が決定される

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JIS規格適合品

JIS H4040、JIS H4100の品質基準に準拠したアルミチャンネル材料

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R付き・Rなし仕様

角部の形状により作業性と安全性が変わる重要な選定要素

アルミチャンネル規格の基本寸法構成

アルミチャンネル規格は主に3つの寸法で表記されます。厚さ(t)は材料の肉厚を示し、1.0mmから9.0mmまでの幅広い範囲があります。幅(B)は底面の幅で、5.5mmから150mmまで、高さ(A)は立ち上がり部分で5mmから75mmまでと、用途に応じて多様なサイズが設定されています。
標準的な長さは4,000mm(4m)が基本ですが、5,000mm(5m)の長尺材も用意されています。ただし5m材の場合、輸送の都合上4m+残材に切断して納入されることが一般的です。
業界で最も使用頻度の高い規格は、厚さ2.0mm、幅・高さ15×15mmから40×40mmまでの範囲で、構造用途から装飾用途まで幅広く対応できる汎用性があります。

アルミチャンネル規格のJIS基準適合性

アルミチャンネルはJIS H4040(アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材)とJIS H4100(アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条)に適合した製品として製造されています。これらの規格により、材質、寸法精度、表面処理などの品質基準が統一されています。
材質はA6063S-T5が標準で、これはAl-Mg-Si系合金の代表的な押出用合金です。T5は調質記号で、押出後の冷却による析出硬化処理を示し、適度な強度と成形性を両立しています。
規格品には必ず単位質量(kg/mt)が表示され、構造計算における荷重算定に使用されます。例えば厚さ2.0mm、15×15mmのチャンネルは0.223kg/mtとなり、設計時の重量計算に重要な数値です。

アルミチャンネル規格のR付き仕様特性

アルミチャンネルには角部の形状によりR付きRなしの2種類があります。R付きは材料の角が丸く加工されており、作業時の安全性向上と応力集中の軽減効果があります。
R付き仕様は特に人が触れる可能性のある箇所や、振動が加わる構造部材に適しています。一方、Rなし仕様は角が90度の直角で、他の部材との接合面が明確になり、精密な組み立てが可能です。
興味深いことに、同じ寸法でもR付きとRなしで単位質量がわずかに異なる場合があり、これは角部の材料分布の違いによるものです。設計時にはこの微細な差も考慮する必要があります。

アルミチャンネル規格の表面処理選択基準

アルミチャンネルは主に生地材(A6063)B2アルマイト付の2つの表面処理で供給されています。生地材は無処理のアルミ地肌で、後加工での塗装や特殊処理が前提の用途に使用されます。
B2アルマイトは厚さ10μm以上の陽極酸化皮膜処理で、耐食性と耐摩耗性が大幅に向上します。屋外使用や湿気の多い環境では必須の処理で、シルバー色の美しい外観も得られます。
意外な事実として、B2アルマイト処理により寸法が片側5μm程度増加するため、精密組立てが必要な場合は生地材での加工後にアルマイト処理を行うのが一般的です。

アルミチャンネル規格の切り売り対応システム

多くの販売業者では2mまでの切り売り対応を行っており、小規模工事での材料費削減に貢献しています。切り売り可能サイズには制限があり、在庫状況により対応が変わるため、事前確認が重要です。
2mを超える長さが必要な場合は定尺購入となり、切断後の残材も引き取りが必要です。この仕組みにより、効率的な材料調達と廃材削減を両立しています。
建築業界での独自の慣行として、メーカーや問屋の都合で廃番となるサイズが定期的に発生するため、長期プロジェクトでは材料確保の計画性が重要になります。