アルミチャンネル規格表と寸法選定ガイド

アルミチャンネル規格表による寸法選定

アルミチャンネル規格表の基本構成と寸法体系

アルミチャンネルの規格表は、厚さ（t）、幅（B）、高さ（A）、長さの4つの基本寸法で構成されています。標準的な厚さ範囲は1.0mm～9.0mmで、幅は5.5mm～150mm、高さは5mm～75mmまで幅広く対応しています。
JIS H4040およびJIS H4100に適合した規格品として、以下の主要寸法が標準化されています：

• 小径サイズ：厚さ1.0～1.6mm、幅5.5～27mm、高さ5～25mm
• 中径サイズ：厚さ2.0～3.0mm、幅12～60mm、高さ10～30mm
• 大径サイズ：厚さ3.2～9.0mm、幅75～150mm、高さ40～75mm

材質は主にA6063（Al-Mg-Si系合金）が使用され、押出成形による製造で高い寸法精度を実現しています。この合金は押出用として最も代表的で、優れた耐食性と加工性を併せ持っています。

アルミチャンネル表面処理規格の選択基準

表面処理は用途に応じて3つの主要な規格が設定されています。生地材（A6063）は最も基本的な仕様で、後加工や塗装を前提とした用途に適用されます。B2アルマイト処理は耐食性を向上させ、屋外使用や湿潤環境での長期使用に対応します。
アルマイトシルバー仕上げは美観性と耐久性を両立し、建築外装や装飾用途で広く採用されています。処理厚は以下の基準で管理されています。

• 生地材：無処理、後工程での表面処理を想定
• B2アルマイト：5～25μmの酸化皮膜、JIS H8601準拠
• アルマイトシルバー：10～25μmの装飾性酸化皮膜

表面粗さはRa0.8～3.2μmの範囲で管理され、用途に応じた適切な仕上がりを確保しています。特に建築用途では、耐候性試験に合格した処理規格の選択が重要です。

アルミチャンネル規格による構造強度特性

断面二次モーメントは規格寸法により大きく変化し、構造設計において重要な指標となります。C型断面の特性により、同じ材料重量でも高い曲げ強度を実現できる優位性があります。
標準的な許容応力値は以下の通りです。

• 引張強さ：205N/mm²（A6063-T5）
• 耐力：165N/mm²（0.2%耐力）
• せん断強さ：125N/mm²
• 疲労強度：65N/mm²（2×10⁶回）

耐荷重性能は断面寸法に比例し、厚さ3mm以上の大型チャンネルでは集中荷重500N/m以上の設計が可能です。特に建築フレームワークでは、風荷重や地震荷重に対する安全率2.5以上を確保した設計基準が適用されています。
弾性係数70,000N/mm²により、たわみ計算においても鋼材の約3分の1の軽量性を活かした設計が実現できます。

アルミチャンネル規格表の切り売り対応と加工制約

規格表では切り売り対応の可否が明確に表示されており、「切売可」表示のあるサイズは長さ2mまでの任意寸法でカット販売が可能です。この対応により、材料ロスを最小限に抑えた効率的な調達が実現できます。
切り売り制約と加工条件。

• 対応長さ：10mm～2,000mm（1mm単位）
• カット精度：±0.5mm（JIS B0405 IT12級）
• 最小注文数量：1本から対応
• 納期：3～5営業日（在庫品の場合）

長さ5mの定尺材は輸送制約により4m+残材に分割されるため、長尺使用時は事前確認が必要です。また、問屋・メーカーの都合により廃番となる規格もあるため、量産使用前の在庫確認が重要です。
特殊寸法や非標準規格については、押出ダイスの製作から対応可能ですが、最小ロット500kg以上の条件が一般的です。

アルミチャンネル規格外寸法の設計時考慮事項

標準規格表に掲載されていない特殊寸法の要求に対しては、構造強度と製造可能性の両面から検討が必要です。押出成形の制約により、厚さと断面形状には一定の制限があります。

規格外設計時のチェックポイント。

• 肉厚比制限：最大厚さ/最小厚さ ≦ 10:1
• 断面形状制約：内角R≧0.5mm、外角R≧0.2mm
• 押出比制限：断面積に対する周長の比率管理
• 公差設定：JIS H4040の寸法許容差適用

特に薄肉大型断面では、押出時の変形や冷却収縮による寸法精度低下のリスクがあります。設計段階での構造解析により、最適な断面形状の選定が重要です。

コスト面では、標準規格品と比較して2～5倍の価格差が生じるため、性能要求と経済性のバランスを十分検討する必要があります。代替案として、複数の標準規格品を組み合わせた構造も有効な選択肢となります。

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