
電動バイクの125ccクラス(原付二種相当)は、定格出力0.6kW超~1.0kW以下のモーターを搭載したモデルを指します。現在日本国内で購入可能な主要モデルの価格は、ホンダCUV e:が52万8000円、ホンダベンリィe:II/プロが69万800円から、カワサキNinja e-1が106万7000円、カワサキZ e-1が101万2000円となっています。
参考)CUV e:
車両本体だけでなく、バッテリーと充電器を含めた総額で考える必要があります。例えばホンダCUV e:の場合、車両本体価格は20万200円ですが、走行に必要なHonda Mobile Power Pack e:2個と充電器2個を含めた参考価格が52万8000円です。この価格設定は国産バイクとしては手頃で、建築業の現場通勤用として十分検討に値します。
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電動バイクの最大の魅力は、圧倒的に安いランニングコストです。1km走行あたりの電気代は約0.48円で、ガソリン車の約3分の1から4分の1程度に削減できます。週5日往復10kmの通勤に利用した場合、月々の燃料代は約520円程度に収まる計算です。
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維持費全体で見ると、原付二種クラスの電動バイクは年間2万円から8万円程度で運用可能です。内訳は、自賠責保険が年間7070円、軽自動車税が2000円から2400円、燃料代が年間6240円程度(1日20km走行想定)となっています。さらに電動バイクはオイル交換などが不要で、メンテナンスの手間が少なく修理費用も抑えられる傾向にあります。法律上「軽二輪」以下の扱いとなるため車検も不要です。
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建築業で現場間の移動が多い場合、この低コスト性は大きなメリットになります。充電は自宅の家庭用コンセントで可能で、バッテリー着脱式モデルなら家の中で充電できるため、ガソリンスタンドに立ち寄る手間も省けます。
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125ccクラスの電動バイクは、1充電あたり53kmから92kmの航続距離を実現しています。ホンダCUV e:は60km/h定地走行テスト値で57.0km、ベンリィe:II/プロは55km、カワサキNinja e-1は55km、Z e-1は53kmとなっています。回生ブレーキ機能を搭載したモデルでは、減速時のエネルギーをバッテリーに回収することで航続距離を延ばせます。
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充電時間は、ホンダのモデルが0%から100%までフル充電に約6時間、カワサキのモデルがバッテリー1個あたり約3.7時間です。夜間に充電すれば翌朝には満充電となり、日常の通勤や現場移動には十分対応できます。ただし長距離移動には基本的に向いておらず、日帰りツーリングなどには計画的な充電が必要です。
参考)コンパクト電動バイクの航続距離と充電時間|実測レビュー
建築現場への通勤で片道15km程度であれば、往復30kmで余裕を持って利用できます。万が一の充電切れに備えて、予備のバッテリーを用意したり、職場での充電環境を確保したりすることも検討すべきでしょう。
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電動バイクの購入には、国や地方自治体から補助金が受けられます。国の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」は、環境性能に優れた車両の購入費用の一部を補助する制度で、対象の電動二輪車を購入後に申請できます。
参考)電動スクーター(EV)のポータルサイト
東京都では独自の「電動バイクの普及促進事業」を実施しており、助成金額は8万円から48万円と大きく、認定車種により金額が変わります。令和7年度の申請受付は4月28日から開始されており、初度登録日から1年以内に申請する必要があります。東京都の補助金を活用すれば、ガソリン車と同じ価格で電動バイクが購入可能になるケースもあります。
参考)電動バイクの普及促進事業
その他の自治体でも独自の補助金制度を設けている場合があるため、お住まいの地域の自治体ホームページを確認することをおすすめします。補助金を活用することで、初期投資の負担を大幅に軽減でき、電動バイクへの乗り換えがより現実的な選択肢となります。
参考)https://www.zurich.co.jp/motorbike/guide/cc-whatis-electricbike-license/
ホンダ公式サイト - 電動二輪車の補助金制度について詳しい情報と申請手順が確認できます
建築業の現場通勤に電動バイクを選ぶ際は、いくつかの重要なポイントがあります。まず静音性の高さは、早朝や夜間の住宅街走行でも周囲に気兼ねなく走れる大きな利点です。現場が住宅密集地にある場合や、朝早くから作業を開始する建築業従事者にとって、騒音を気にせず移動できるのは実用的なメリットといえます。
バッテリーの着脱可能性も重要な選択基準です。ホンダCUV e:やベンリィe:IIは、Honda Mobile Power Pack e:を採用し、バッテリーを車体から外して持ち運び可能です。現場に充電設備がない場合でも、自宅や休憩所で充電できるため、柔軟な運用ができます。カワサキのモデルも同様にバッテリー交換が可能で、Gachacoのバッテリー交換ステーションを利用できます。
積載能力も考慮すべき点です。ホンダベンリィe:II/プロはビジネスユースを想定しており、60kgフル積載でも12度の登坂性能を実現しています。工具や資材を積載して移動する必要がある場合は、こうした積載性能の高いモデルが適しています。一方、通勤のみで荷物が少ない場合は、よりスタイリッシュなCUV e:や、スポーティーなカワサキのモデルも選択肢に入ります。
原付二種クラスの電動バイクは、法定速度が時速60kmで一般道で普通自動車と同じ速度で走行でき、二人乗りも可能(免許取得後1年以上)、原付一種に義務付けられている二段階右折も不要という利便性があります。建築現場への移動では、幹線道路を利用する機会も多いため、これらの特性は日常使いで大きなアドバンテージとなります。
ヤングマシン - 原付二種電動バイクの実用性について、メリット・デメリット・主要車種の詳しい解説が掲載されています