ドアクローザ パラレル型とは何か|取付・調整・メリット解説

ドアクローザ パラレル型とは何か|取付・調整・メリット解説

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ドアクローザ パラレル型とは

パラレル型の基本知識
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取り付け位置の特徴

ドアが開く方向と反対側に設置し、アームが平行に折りたたまれる構造です

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適した設置場所

玄関などの屋外へ通じるドアに向いており、室内側に本体を配置します

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スタンダード型との違い

最大180度まで開閉可能で、外部環境の影響を受けにくい特性があります

ドアクローザ パラレル型の構造的特徴

パラレル型ドアクローザは、ドアを閉じた状態でアームがドア面に対して平行になる構造を持つ製品です。この名称は「parallel(平行)」という英語に由来しており、アームが折りたたまれる際の形状から名付けられています。本体はドアが開く方向とは反対側、つまり押して開く外開きドアの場合は室内側に設置されるのが基本です。
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ドアクローザ本体は一般的にドア本体の上部に取り付けられ、アームがドア枠に固定される仕組みになっています。閉扉時にはアームがドアの上枠に沿って収まるため、正面から見た際の見た目がスッキリしているのが特徴です。この構造により、ドアの開閉時にアームが大きく動くスペースが必要なく、狭い空間でも設置できる利点があります。
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多くのパラレル型製品には左右勝手の区別がなく、右開き・左開きの両方に対応できる汎用性を持っています。ただし、一部のメーカーや機種では左右勝手が決められているものもあるため、購入前に確認が必要です。右開きとは、ドアを押す側に立った時に蝶番が右側にある状態を指し、ドアが時計回りに開く方向です。
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ドアクローザ パラレル型とスタンダード型の違い

スタンダード型は、ドアを閉じた状態で本体から垂直にアームが飛び出すタイプで、採用されてから長い歴史を持つ製品です。このタイプは、ドアを引いて開く側、つまり室外側に設置されることが多く、オフィスビルなどで広く使用されています。しかし、ドアの室外側に設置するため、日光や雨風といった外部環境の影響を受けやすく、経年劣化が早まりやすいというデメリットがあります。
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パラレル型の最大の利点は、ドアを最大180度近くまで大きく開けられることです。スタンダード型と違い、アームが扉の反対側にあるためドアクローザー本体が開扉の邪魔をせず、戸をめいっぱい開けたい玄関や壁との隙間が狭いドアに向いています。また、ドアから90度以内の範囲に障害物がある場合、スタンダード型は設置できませんが、パラレル型ならば設置可能なケースが多くなります。
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日本の住宅玄関は外開きが多く、その室内側に設置するパラレル型が主流です。ドアクローザー本体が室内側に付くため雨風に晒されにくく、長寿命化にも有利ですが、気候や気温による温度・湿度の変化によって劣化するケースもあるため、定期的なメンテナンスは必要です。一方、パラレル型は室内側に本体があるため、見た目が少し気になったり、若干場所を取ったりするという声もあります。
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ドアクローザ パラレル型が適した設置場所

パラレル型ドアクローザは、玄関などの屋外と通ずるドアに設置するのが最も適しています。特に集合住宅の玄関ドアで見かけることが多く、外開きドアの室内側に設置することで、外部環境から本体を保護できます。マンションの玄関ドアは法的にストップ装置なしと決められているため、パラレル型マンション仕様の製品が広く採用されています。
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スタイリッシュな空間を演出したい店舗入口にもパラレル型が向いています。外観がすっきりするため、見た目を重視した玄関や、訪れる人に良い印象を与えたい施設での使用が推奨されます。また、ドアを180度近くまで開放したい現場、例えば大型の荷物を頻繁に出し入れする倉庫や、車椅子の出入りがある福祉施設などでは、パラレル型の開閉角度の広さが大きなメリットとなります。
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壁との隙間が狭く、スタンダード型では干渉してしまう場所でも、パラレル型ならば問題なく設置できます。特にリフォーム現場では、既存の構造上の制約からスタンダード型が取り付けられないケースがあり、そうした場合にパラレル型が解決策となることがあります。ただし、設置場所の環境に応じて、ストップ装置の有無や速度調整の必要性を事前に検討することが重要です。
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ドアクローザ パラレル型の取付方法と注意点

パラレル型ドアクローザの取り付けは、基本的に3つの項目を守れば比較的簡単に交換できます。まず、型紙を使ってドアクローザーの取り付け位置を正確に決定します。型紙はメーカーから提供されることが多く、これを使用することで取り付け穴の位置ずれを防ぐことができます。位置決定後、ドリルで取り付け穴を開け、本体取付板やブラケットをドアやドア枠にしっかりと固定します。
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取り付け時の最も重要な注意点は、アーム同士の連結作業です。この作業は必ずドアを完全に閉めた状態で行わなければなりません。ドアを開いた状態で連結作業をすると、その位置までしかドアは閉まらず、手で引っ張っても動かなくなります。この失敗は現場で最もよく発生するミスの一つであり、注意が必要です。​
本体を取り付け板に固定する際にも注意が必要です。取り付け板に本体を真っ直ぐにはめて、吊元側に本体をスライドさせます。本体を止めるネジは外れ防止のためにネジ穴が斜めになっており、ネジはゆっくりと締めなければなりません。また、RYOBI製の一部機種では、主軸とアームの結合時に六角ボルトをドライバーで締め付けて最後まで勘合させる必要があります。NEWSTAR製・MIWA製の場合は、まずアームセットのジョイントを外してから作業を行わないと取り付けができません。​
寸法を間違えないこと、ドアの開き方向を確認することも重要です。特にC寸法(ドア上端から蝶番中心までの距離)の測定は正確に行い、使用する取付孔を間違えないようにします。交換対応機種を間違えていないかも確認が必要で、既存のドアクローザーの型番やメーカーを事前に調べておくと作業がスムーズです。
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ドアクローザ パラレル型の速度調整方法

ドアクローザの速度調整は、本体にある調整弁を回すことで行います。パラレル型の速度調整弁は、機種によって位置が異なりますが、一般的には本体の側面または正面に配置されています。調整する際は、該当するドアクローザーの取扱説明書を確認し、調整弁の位置と調整範囲を把握することが重要です。
参考)ドアクローザの調整方法

第一速度は、ドアが完全に開いた状態から閉じ始める最初の区間(約120度から70度)の速度を制御します。調整弁の横に「1」という刻印がある調整弁を見つけ、適切なサイズのドライバーを溝にしっかりとセットします。速すぎる場合は調整弁を時計回りに、遅すぎる場合は反時計回りに3~5度ずつ回して調整します。第一速度は比較的速くても問題ありませんが、勢いよく閉まりすぎないように調整するのがポイントです。
参考)ドアクローザー調整の完全ガイド!初心者でもできる速度調整とト…

第二速度は、ドアが閉じる中間地点から閉じる直前まで(約70度から10度)の区間の速度です。この速度はドアが確実にラッチまで到達するために重要で、遅すぎるとドアが閉まりきらず、速すぎると強い衝撃が発生します。ラッチング調整も各々のバルブで可能ですが、第一及び第二速度の差を極端に大きくすると故障の原因になるため注意が必要です。​
パラレル型のストップ装置は、ドアの開き角度約70度から180度の間で任意に設定できます。ただし、設定した角度よりも最大で15度ストップ角度がずれる可能性があるため、実際の開閉動作を確認しながら調整することが推奨されます。マンション型はストップ装置の設定が不要なため、調整項目が少なく一層簡単です。定期的な動作確認と調整を行うことで、ドアクローザの寿命を延ばし、快適な開閉動作を維持できます。
参考)ストップ装置の種類と調整方法

<参考リンク>
リョービ公式サイトでは、パラレル型の速度調整方法が機種別に詳しく解説されています。

 

速度の調整方法(速度調整、バックチェック、ディレードアクション)
ドアクローザー専門サイトでは、取り付け時の注意事項がベスト3形式でまとめられており、現場での失敗を防ぐ実践的な情報が得られます。

 

取り付け時の注意事項|ドアクローザーの調整・交換・ご購入はドアクローザー.jp