
ドラム式洗濯機の設置には、本体サイズ以外にも多くの寸法要件があります。不動産業界では、入居者からドラム式洗濯機の設置可否について問い合わせを受けることが多いため、正確な寸法情報を把握しておくことが重要です。
基本的な寸法要件:
設置時には本体サイズに加えて、洗剤ケースやフィルターの開閉に必要な上部スペース(290mm以上)、および左右の壁からの距離も考慮する必要があります。
一般的な防水パンサイズは外寸640×640mm(内寸590mm以上)となっており、ほとんどのドラム式洗濯機が設置可能な設計となっています。
主要メーカーのドラム式洗濯機の寸法を詳細に比較すると、同じ容量でもメーカーによってサイズが異なることが分かります。
パナソニック製品の寸法一覧:
東芝製品の寸法一覧:
寸法比較表(12kg容量製品):
メーカー | 商品名 | 幅×高さ×奥行き |
---|---|---|
パナソニック | NA-LX129BL/R | 639×1060×722mm |
東芝 | TW-127XP2 | 645×1060×720mm |
日立 | BD-NX120H | 735×1070×620mm |
シャープ | ES-WS14 | 640×1115×727mm |
同じ12kg容量でも、幅は639-735mm、高さは1060-1115mm、奥行きは620-727mmと大きな差があります。特に日立製品は幅が735mmと他社より100mm近く大きく、設置場所の制約が厳しくなります。
狭小住宅や単身者向け物件では、コンパクトなドラム式洗濯機の需要が高まっています。幅60cm以下のモデルは設置しやすく、マンションやワンルームでも導入可能です。
超コンパクトモデルの寸法:
RORO YWM-YV90Nの特徴:
一般的なドラム式洗濯機の幅60cm前後に対し、最小サイズは幅55cm以下のモデルも存在します。これらのコンパクトモデルは設置場所の制約が厳しい物件でも対応可能で、賃貸物件の差別化要因となります。
コンパクトモデルでも洗濯容量は7-10kgを確保しており、単身者から小家族まで十分な処理能力を持っています。
防水パンとドラム式洗濯機の適合性は、賃貸物件での設置可否を左右する重要な要素です。標準的な防水パンサイズと設置要件を詳しく解説します。
標準的な防水パンの仕様:
パナソニック製品の防水パン適合性:
パナソニックのドラム式洗濯機は一般的な防水パンに対応するよう設計されています。脚部の深さが30mm以上ある場合は、フロアーあて板N-MH3が必要になる場合があります。
東芝製品の設置要件:
東芝のTW-127XP4シリーズは、奥行内寸520mm以上の防水パンに設置可能です。排水ホースは左・右・真下の3方向に対応しており、設置場所の制約に柔軟に対応できます。
設置時の注意点:
防水パンのサイズが規格外の場合は、専用の設置台や調整部品が必要になることがあります。古い物件では防水パンサイズが現在の標準と異なる場合があるため、事前の現地確認が重要です。
不動産業務において、入居希望者からドラム式洗濯機の設置可否について問い合わせを受ける機会が増えています1617。適切な回答をするために、以下のチェックポイントを活用しましょう。
現地確認時のチェックリスト:
搬入経路の確認項目:
電気設備の確認:
特殊事例への対応:
築年数の古い物件では、防水パンサイズが現在の標準と異なる場合があります。内寸が590mm未満の場合は、設置台の使用や防水パンの交換が必要になることがあります。
また、マンションの構造上、振動や騒音への配慮も重要です。ドラム式洗濯機は縦型と比較して低振動設計ですが、設置階や隣接住戸への影響を考慮した案内が必要です。
入居者への情報提供:
これらの情報を事前に整理しておくことで、入居希望者への適切なアドバイスが可能となり、トラブルの未然防止につながります。また、ドラム式洗濯機対応可能な物件であることを明記することで、物件の付加価値向上にも寄与します。