エアーチューブ規格材質内径外径使用環境選定

エアーチューブ規格材質内径外径使用環境選定

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エアーチューブ規格材質内径外径使用環境選定

エアーチューブ規格の基礎知識
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規格サイズの理解

ミリサイズとインチサイズの違い、外径・内径の関係性

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材質による特性

ポリウレタン、ナイロンなど各材質の使い分けポイント

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使用環境への対応

温度・圧力・薬品に対する耐性と適用範囲

エアーチューブ規格の基本サイズ体系

エアーチューブの規格はミリサイズとインチサイズの2つの体系で構成されています。ミリサイズでは外径×内径(φmm)で表記され、代表的なサイズには4×2.5、6×4、8×6、10×7.5、12×9、16×13があります。一方、インチサイズでは1/8×0.079、3/16×0.118、1/4×0.180、3/8×0.275、1/2×0.376として表記されます。
重要なのは、互換性のあるサイズが存在することです。例えば、ミリサイズの4×2.5はインチサイズの5/32×0.098、ミリサイズの8×6はインチサイズの5/16×0.236として使用可能です。この互換性により、海外製機器との接続時にも柔軟な対応が可能となります。
チューブ外径公差についても規格で定められており、ミリサイズでは±0.1mm、インチサイズでは同様に±0.1mmまたは±0.15mmの公差が設定されています。この精度管理により、継手との確実な接続が保証されます。

エアーチューブの主要材質と特性比較

ポリウレタン(PU)チューブは最も汎用的な材質で、耐摩耗性と耐油性に優れ、軽量で柔軟性があるため取り回しが容易です。使用圧力範囲は0~700kPa(0~7kgf/cm²)で、一般的な空気圧機器で広く使用されています。ただし、強い紫外線やオゾンには弱いため屋外使用時は注意が必要です。
ナイロン(PA)チューブは高い耐圧性、耐熱性、耐化学薬品性を持ち、硬質で引き裂けにくく耐久性に優れています。使用圧力範囲はミリサイズで1.6~5.0MPa、インチサイズで2.3~4.8MPaと高圧対応が可能です。水分を吸収しやすく、湿度変化による寸法変化に注意が必要ですが、高圧用途には最適な選択肢です。
フッ素樹脂チューブは耐薬品性、耐熱性、耐候性に優れ、摩擦係数が低く粘着性も少ないため清潔性が要求される環境に適しています。特に薬品や溶剤が使用される環境、高温環境、クリーン度が求められる環境での使用に最適です。

エアーチューブ規格における圧力・温度仕様

使用圧力範囲は材質とサイズによって大きく異なり、適切な選定が安全性を左右します。一般的なポリウレタンチューブでは0~700kPa(0~7kgf/cm²)の圧力範囲で使用され、多くの産業用エア機器に対応可能です。
ナイロンチューブはより高圧仕様で、ミリサイズでは1.6~5.0MPa、インチサイズでは2.3~4.8MPaまで対応しています。この高耐圧性により、工場の主配管や高圧エア工具への供給ラインに適用されます。
温度仕様も重要な選定要素です。ポリウレタンは-40℃~+60℃、ナイロンは-40℃~+100℃の範囲で使用可能です。使用流体による温度制限もあり、空気使用時は-40℃~+100℃、水使用時は0℃~+70℃となります。これらの仕様を超えた使用は材質劣化や破損の原因となるため、必ず仕様範囲内での使用が求められます。

エアーチューブ規格の特殊用途対応材質

帯電防止エアーチューブは静電気の発生を抑制し、静電気によるトラブルを防ぐために設計されています。電子部品の組み立てや塗装工程など、静電気に敏感な環境での使用に適しており、防爆環境での安全性確保にも貢献します。
難燃性樹脂製エアーチューブは炎の熱による溶解や燃焼を抑制する特性があり、スパッタ工程などで火の粉が舞う環境での使用に最適です。耐熱性や耐化学薬品性も備えているため、過酷な作業環境でも安定した性能を発揮します。
シリコンチューブは非常に柔軟性が高く、耐熱性・耐寒性に優れています。無毒で食品衛生法に適合しているため、食品工業や医療業界での使用に適していますが、耐摩耗性や耐圧性に劣るため高圧用途には不向きです。

エアーチューブ規格選定における建築現場特有の考慮点

建築現場では粉塵環境での使用が多く、チューブ表面への粉塵付着を防ぐ帯電防止機能付きチューブの選定が重要です。また、屋外作業が多いため、耐UV性を持つ材質や、温度変化に強いナイロン材質の選択が推奨されます。

 

移動式エア機器への供給では、スパイラルタイプのエアーチューブが有効です。コイル状に巻かれているため伸縮性があり、作業範囲の変化に対応できます。建築現場特有の高所作業では、軽量なポリウレタン材質を選ぶことで作業者の負担軽減につながります。
セメント系材料塗料を扱う環境では、耐薬品性に優れたフッ素樹脂チューブやナイロンチューブの採用が必要です。特に外壁塗装工事では、有機溶剤への暴露があるため、材質選定は安全性と耐久性の両面から慎重に検討する必要があります。
建設機械への空気供給では振動対策も重要で、継手部分の緩みを防ぐため適切な締付トルクでの施工と、定期的な点検が不可欠です。現場の安全管理責任者は、使用するエアーチューブの仕様書を常備し、作業員への適切な使用方法の周知徹底を図ることが重要です。