外壁塗装と鳥の糞被害を解決する方法と対策まとめ
鳥の糞被害が外壁にもたらす3つの問題
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外観の悪化
鳥の糞が外壁に付着すると美観を損ない、建物の印象を大きく下げてしまいます。
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塗装の劣化促進
糞に含まれる酸性物質が塗膜を溶かし、外壁の寿命を短くします。
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健康リスク
鳥の糞には病原菌や寄生虫が含まれており、人体に悪影響を及ぼす可能性があります。
外壁塗装に対する鳥の糞の影響と被害の実態
鳥の糞が外壁に付着すると、見た目の問題だけではなく、建物自体にも深刻な影響を及ぼします。特に注目すべきは、鳥の糞に含まれる酸性物質の影響です。鳥の糞は一般的にpH4以下の強い酸性を示すことがあり、これは通常の雨水(pH5.6程度)よりもはるかに酸性が強いことを意味します。
この強い酸性物質が外壁の塗装面に長時間接触していると、塗膜の分子構造を破壊し、徐々に塗装を溶かしていきます。特にハトやカラスのフンは尿酸を多く含み、塗装面への影響が深刻です。夏場の高温時には、わずか2〜3時間で金属表面の浸食が始まるケースもあります。
外壁塗装の種類によっても被害の程度は異なります。
- アクリル塗装:耐久性が低く、糞害によるダメージを受けやすい
- 水性塗料:酸性の糞によって塗膜が溶けることがある
- 淡い色の塗装:白やベージュ系は汚れが目立ちやすく、シミになりやすい
また、鳥が巣を作る過程で持ち込む枝や枯葉が塗装面を傷つけたり、鳥の羽ばたきで塗料が剥がれることもあります。特に、シャッターの戸袋周辺やベランダの手すり、庇などは被害を受けやすい場所です。
放置すると修繕費用は雪だるま式に増大し、初期段階での対応であれば局所的な補修で済むケースが多いのに対し、深刻な劣化が進行すると外壁全体の塗り替えが必要となり、一般的な戸建住宅で100万円以上の費用がかかることも珍しくありません。
外壁塗装の鳥の糞による健康被害と衛生リスク
鳥の糞による被害は外壁の美観や劣化だけでなく、健康面でも深刻なリスクをもたらします。鳥の糞には様々な病原体や寄生虫が含まれており、これらが人体に入ると健康被害を引き起こす可能性があります。
特に注意すべき健康リスクとして以下が挙げられます。
- クリプトコッカス症:ハトの糞に含まれる真菌が原因で発症する感染症で、肺炎や髄膜炎などを引き起こす可能性があります。
- 鳥インフルエンザ:鳥の糞や羽毛から感染する可能性があり、重症化すると命に関わることもあります。
- 寄生虫感染:鳥の糞には様々な寄生虫が含まれており、これらが体内に入ると健康上の問題を引き起こす可能性があります。
鳥の糞を清掃する際には、これらの健康リスクを考慮して適切な防護措置を取ることが重要です。具体的には。
- 使い捨てマスクの着用
- 使い捨てゴム手袋の使用
- 必要に応じて雨カッパなどの保護衣の着用
- 清掃後の手洗いの徹底
- 清掃に使用した道具の適切な処分または消毒
特に注意すべきは、清掃道具の使い回しは絶対に避けるべきということです。鳥の糞に含まれる細菌やウイルスが付着した清掃道具を再利用すると、感染リスクが高まります。
また、体調不良の時や妊婦、高齢者は鳥の糞の清掃を控えるべきです。免疫力が低下している状態では、感染リスクが高まるためです。風の強い日の清掃も避けましょう。風によって糞が舞い上がり、吸い込むリスクが高まります。
鳥の糞による健康被害は見過ごされがちですが、適切な対策を取らないと深刻な問題につながる可能性があります。特に小さなお子様やペットがいるご家庭では、鳥の糞による健康リスクに十分注意を払うことが大切です。
外壁塗装の鳥の糞を効果的に清掃する方法と手順
外壁に付着した鳥の糞を適切に清掃することは、建物の美観を保つだけでなく、塗装の寿命を延ばし健康リスクを減らすためにも重要です。以下に効果的な清掃方法と手順を詳しく解説します。
【清掃前の準備】
- 安全対策の徹底
- 使い捨てマスクを着用
- 使い捨てゴム手袋を装着
- 必要に応じて雨カッパなどの保護衣を着用
- 高所作業の場合は安定した足場を確保
- 必要な道具の準備
- 霧吹き(水またはぬるま湯を入れる)
- 中性洗剤(外壁専用が望ましい)
- 消毒用アルコール
- ペーパータオルや古新聞
- 塩素系漂白剤(必要に応じて)
- ゴミ袋(使用済み道具の廃棄用)
【清掃の手順】
- フンを湿らせる
- 乾燥したフンはいきなり拭き取ろうとせず、まず霧吹きでぬるま湯を吹きかけてふやかします。
- これにより、フンが飛散するのを防ぎ、より効果的に除去できます。
- フンの除去
- フンが乾燥している場合:ぬるま湯でふやかした後、消毒用アルコールを吹きかけながら新聞紙で拭き取ります。
- フンが乾いていない場合:消毒用アルコールを吹きかけながらペーパータオルで拭き取ります。
- 拭き取る際は、広げないように中心から外側に向かって丁寧に行います。
- 洗剤での洗浄
- 中性洗剤を水で薄め、フンが付着していた部分を洗浄します。
- 酸性やアルカリ性の洗剤は外壁塗装や素材を傷める可能性があるため使用しないでください。
- 消毒処理
- フンを除去した後は、消毒用アルコールや塩素系漂白剤で消毒します。
- 塩素系漂白剤を使用する場合は、二度拭きして塗装面に残らないようにします。
- 水洗い
- 最後に清水で洗剤や消毒剤を洗い流します。
- 洗剤や消毒剤が残ると、塗装面にダメージを与える可能性があります。
【清掃時の注意点】
- 風の強い日の清掃は避けましょう。フンが風で舞うと危険です。
- 体調不良の時や妊婦、高齢者は清掃を控えてください。
- 使用した清掃道具は使い回し厳禁です。使い捨てできるものを使用するか、使用後に適切に消毒してください。
- 高所の清掃は危険を伴うため、無理せず専門業者に依頼することも検討しましょう。
- 頻繁に鳥のフンが付着する場合は、一時的な清掃だけでなく、根本的な対策を考える必要があります。
適切な清掃を行うことで、外壁の美観を保ち、塗装の寿命を延ばすことができます。ただし、清掃だけでは根本的な解決にはならないため、次に紹介する予防対策も併せて実施することをおすすめします。
外壁塗装を守る鳥の糞被害の予防対策と効果的な鳥よけ方法
鳥の糞被害から外壁塗装を守るためには、清掃だけでなく予防対策が重要です。効果的な鳥よけ方法を実施することで、被害を未然に防ぎ、外壁の美観と耐久性を維持することができます。以下に様々な予防対策と鳥よけ方法を紹介します。
【物理的な鳥よけ対策】
- 防鳥スパイクの設置
- 鳥が止まりやすい軒先や庇、ベランダの手すりなどに設置します。
- 鳥が止まることができないよう、尖った突起が並んだ製品です。
- 設置場所の幅や材質に合わせて選ぶことが重要です。
- 防鳥ネットの設置
- 換気口や屋根の隙間など、鳥が巣を作りやすい場所を覆います。
- 目の細かいネットを使用することで、小型の鳥も侵入できなくなります。
- 耐候性の高い素材を選ぶことで、長期間の使用が可能です。
- GL鋼板による隙間封鎖
- 和風住宅の軒桁と垂木の間など、鳥が入り込みやすい隙間を金属板で塞ぎます。
- 一つ一つの隙間をふさぐよりコスト効率が良い方法です。
- 外観との調和を考慮した施工が可能です。
【視覚・聴覚による鳥よけ対策】
- 反射材の設置
- CDディスクや反射テープなど、光を反射するものを設置します。
- 鳥は強い光の反射を嫌うため、近づきにくくなります。
- 定期的に位置を変えることで、鳥が慣れるのを防ぎます。
- 天敵の模型設置
- カラスや蛇、猛禽類など鳥の天敵となる動物の模型を設置します。
- 動くタイプの模型はより効果的です。
- こちらも定期的に位置を変えることが重要です。
- 超音波装置の設置
- 人間には聞こえない超音波で鳥を遠ざけます。
- 電池式や太陽光発電式など様々なタイプがあります。
- 効果範囲を確認して適切な場所に設置しましょう。
【化学的な鳥よけ対策】
- 忌避剤の使用
- 鳥が嫌がる成分を含んだスプレーやジェルを塗布します。
- 外観を損なわずに対策できるメリットがあります。
- 定期的な塗り直しが必要です。
- 鳥よけジェルの塗布
- 鳥が止まりやすい場所に粘着性のジェルを塗ります。
- 鳥が足を取られることを嫌がり、近づかなくなります。
- 耐候性を確認し、適切なタイミングで塗り直しましょう。
【外壁塗装工事時の対策】
外壁塗装の工事を行う際は、鳥よけ対策を同時に実施するのが効率的です。足場が組まれている間に以下の対策を検討しましょう。
- 鳥よけグッズの設置
- 足場を利用して、通常は手の届かない高所への対策も可能です。
- 軒先や庇への防鳥スパイク設置、換気口周りへの防鳥ネット取り付けなどができます。
- 鳥フン対策に効果的な塗料の選択
- 親水性塗料:塗膜の表面に水蒸気の膜を形成し、雨が降るたびに汚れを洗い流す性質があります。
- フッ素塗料:耐久性が高く、汚れが付着しにくい特性があります。
- 光触媒塗料:太陽光の作用で汚れを分解する効果があります。
これらの対策を組み合わせることで、より効果的に鳥の糞被害を予防することができます。ただし、鳥の種類や地域の環境によって効果的な対策は異なるため、複数の方法を試してみることをおすすめします。また、鳥獣保護法に違反しないよう、鳥を傷つけない方法を選択することが重要です。
外壁塗装と鳥の糞被害における季節別対策と塗料選びのポイント
鳥の糞被害は季節によって特徴が異なり、それに応じた対策が必要です。また、外壁塗装を行う際には、鳥の糞被害に強い塗料を選ぶことも重要なポイントとなります。ここでは、季節別の対策と塗料選びのポイントについて詳しく解説します。
【季節別の鳥の糞被害対策】
- 春(3月〜5月):繁殖期の対策
- この時期は多くの鳥が巣作りと繁殖を行うため、最も注意が必要です。
- 週1回程度の外観確認を行い、巣の形成を早期発見することが重要です。
- 巣作りを始める前に防鳥ネットや防鳥スパイクを設置しましょう。
- 忌避剤の効果が最も発揮される時期でもあります。
- 夏(6月〜8月):高温期の対策
- 高温により鳥の糞の酸性成分が活性化し、塗装へのダメージが