
上塗り塗料は「成分」「樹脂の架橋密度」「付加機能」の三軸で評価する。
ポイントは「下地との相性」。例として窯業系サイディングは浸透型下塗り+ラジカル制御シリコンが標準的[2]。苛酷な海浜地域では塩害グレードの無機系にグレードアップすることで維持費を抑制できる。
さらに、近年は遮熱顔料+無機樹脂のハイブリッド塗料が登場し、表面温度を最大15℃低減する報告もある[3]。
外壁塗装協会の耐候性比較データ
樹脂種別 | 促進耐候試験2000h後光沢保持率 | 期待耐用年数 |
---|---|---|
無機 | 90%以上 | 15~20年 |
高耐候フッ素 | 85%前後 | 12~15年 |
ラジカル制御シリコン | 70%程度 | 10~12年 |
一般ウレタン | 40%程度 | 7~10年 |
標準塗装仕様書で指定される乾燥時間を短縮すると、塗膜内部に残留溶剤が閉じ込められ後発剥離を招く[4]。
基本フロー
重ね塗りはメーカー推奨膜厚を確保するための「必須作業」。代表塗料の塗布量目安:
気温5℃以下・湿度85%以上では硬化反応が遅延するため、冬季は工期を+1日見積もるとクレーム予防になる。
塗料メーカーは製品ごとに「標準塗装仕様書」を公開しており、保証条件はこの仕様遵守が前提[3]。
チェックすべき3項目
保証書の「免責事項」には乾燥不良・塩害・構造クラックが明記されているケースが多い。特に海岸線500m圏内は別途仕様書(高耐候仕様)を取得し直すとトラブルを回避できる。
製造元公開仕様へのリンク
メーカー公式の標準塗装仕様書一覧
上塗り材ごとの膜厚・希釈率を確認できる公式ページ
工程写真と塗布量記録を請負契約に組み込むことで「見えない手抜き」を抑止可能[5]。
現場管理チェックリスト
さらに、赤外線サーモグラフィで濡れ戻りを検知する方法は大手ゼネコンで標準化が進む。小規模現場でもレンタル機材が1日5,000円程度で導入可能となった。
上塗り完了後に発生する「透け」「ムラ」の多くは、中塗りと上塗りで同色を選んだ場合に起こる[6]。
色分けメリット
特に濃色仕上げでは「グレー系中塗り+ブラック上塗り」が推奨。艶調整品を使う場合は半艶→艶有に順塗りすると鏡面不良を防げる。
さらに、透湿性の高い上塗材を選択し、塗膜内部の水蒸気圧を逃がすことで膨れ抑制効果も得られる。
色分け事例紹介
上塗り2回塗りと色分けの効果を解説した事例ページ
参考資料:上塗り塗料選択の耐候試験結果
耐候性・汚染性を比較した専門ブログ
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