エコジョーズとは給湯器の仕組みと省エネ効果について

エコジョーズとは給湯器の仕組みと省エネ効果について

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エコジョーズとは高効率給湯器の仕組み

エコジョーズの基本情報
🔥
省エネ性能

従来型給湯器と比較して約13%のガス使用量削減を実現

💰
経済性

初期費用は高いが、3〜4年で投資回収が可能

🌱
環境性

CO2排出量を約13%削減し、環境負荷を軽減

エコジョーズの基本的な仕組みと熱効率

エコジョーズは、従来型の給湯器と比較して格段に省エネ性能が高い高効率給湯器です。その最大の特徴は、従来捨てられていた排気熱を再利用する点にあります。

 

従来型の給湯器では、お湯を沸かす際に発生する約200℃の高温排気をそのまま外部に排出していました。これに対してエコジョーズは、この高温排気を「二次熱交換器」という部品で回収し、給水の予備加熱に利用します。この仕組みにより、給湯熱効率は従来型の約80%から約95%へと大幅に向上しています。

 

具体的な流れとしては以下のようになります。

  1. 給水された水がまず二次熱交換器を通過
  2. 排気の熱で予備加熱される
  3. 一次熱交換器でさらに加熱されてお湯になる

この二段階の熱交換プロセスにより、少ないガス使用量で効率よくお湯を作ることができるのです。

 

エコジョーズによるガス使用量とCO2削減効果

エコジョーズの導入によって得られる省エネ効果は非常に大きなものです。具体的な数値で見ていきましょう。

 

まず、ガス使用量については、従来型の給湯器と比較して約13%削減することができます。これは年間のガス料金に換算すると、家庭によって差はありますが、およそ4万円前後の節約になる可能性があります。

 

また、環境面での貢献も見逃せません。CO2排出量についても同様に約13%の削減効果があり、年間で約260kgのCO2削減に相当します。これは杉の木約19本分のCO2吸収量に匹敵する環境負荷の軽減となります。

 

さらに、最新のエコジョーズモデルでは、待機時の消費電力も従来型の1/2以下に抑えられているものもあり、電気代の節約にも貢献します。

 

エコジョーズと従来型給湯器の価格差と投資回収期間

エコジョーズの導入を検討する際に気になるのが、従来型給湯器との価格差と、その投資回収期間です。

 

エコジョーズの本体価格は、従来型給湯器と比較して5〜10万円程度高くなります。これに工事費を含めると、総額で10〜15万円ほどの差が生じることが一般的です。この価格差が「エコジョーズはやめとけ」という意見の一因となっています。

 

しかし、前述したガス使用量の削減効果により、この初期投資は3〜4年程度で回収できると言われています。つまり、給湯器の使用年数が10年以上であることを考えると、長期的には十分にお得な選択と言えるでしょう。

 

具体的な投資回収の計算例。

  • エコジョーズ導入による追加費用:10万円
  • 年間ガス代節約額:約4万円
  • 投資回収期間:10万円÷4万円/年=2.5年

もちろん、この計算はガス料金や使用状況によって変動しますが、多くの家庭では数年以内に初期投資を回収できると考えられます。

 

エコジョーズ設置時の外壁への配慮と施工ポイント

エコジョーズを設置する際には、外壁への配慮と適切な施工が重要です。特に建築・外壁塗装に従事する方々にとって、以下のポイントは押さえておくべきでしょう。

 

まず、エコジョーズは従来型給湯器と異なり、ドレン水(結露水)が発生します。これは排気ガスの熱を回収する際に生じる水分で、適切に排水処理する必要があります。このドレン排水のための配管工事が必要となり、外壁に新たな穴を開ける場合もあります。

 

また、設置場所についても考慮が必要です。エコジョーズは従来型と比較してやや大きいサイズになることが多く、既存の給湯器からの交換時には設置スペースの確認が必須です。特に狭いバルコニーや限られたスペースへの設置では、事前の現地調査が重要になります。

 

外壁塗装工事と同時にエコジョーズへの交換を検討する場合は、以下の点に注意しましょう。

  1. ドレン排水管の経路と外壁への影響を事前に確認
  2. 給湯器周辺の外壁塗装は、設置後に行うことを推奨
  3. 外壁の色に合わせた給湯器カバーの選定(一部メーカーではカラーバリエーションあり)
  4. 配管カバーの設置による美観の確保

適切な施工を行うことで、機能性と美観の両立が可能になります。

 

エコジョーズのメンテナンス方法と外壁リフォームとの関連性

エコジョーズを長く効率的に使用するためには、適切なメンテナンスが欠かせません。また、外壁リフォームとの関連性についても理解しておくことが重要です。

 

エコジョーズの特徴的なメンテナンス項目として、ドレン排水経路の点検があります。二次熱交換器で発生するドレン水は酸性を示すため、中和器を通して中性化されますが、この中和器の交換や点検が定期的に必要です。一般的には3〜5年に一度の交換が推奨されています。

 

また、熱交換効率を維持するためには、熱交換器の清掃も重要です。特に水質が硬い地域では、熱交換器内にスケール(水垢)が付着しやすく、これが効率低下の原因となります。

 

外壁リフォームとエコジョーズのメンテナンスを同時に行うメリットとしては、以下が挙げられます。

  1. 足場の共有による工事費の削減
  2. ドレン排水管の点検・修理と外壁補修の一括対応
  3. 給湯器周りの防水処理の再確認・補強
  4. 外観の統一感の確保(給湯器カバーと外壁色の調和)

特に築10年以上の住宅では、外壁リフォームのタイミングで給湯器の更新も検討することで、工事の効率化とコスト削減が可能になります。

 

ノーリツ公式サイト:エコジョーズのメンテナンス情報
メンテナンス頻度の目安。

  • 熱交換器の清掃:2〜3年に1回
  • 中和器の交換:3〜5年に1回
  • 安全装置の点検:1年に1回
  • ドレン排水経路の確認:半年に1回

定期的なメンテナンスにより、エコジョーズの効率と寿命を最大限に引き出すことができます。

 

エコジョーズのデメリットと導入前に知っておくべき注意点

エコジョーズには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。導入を検討する際には、これらの点も十分に理解しておくことが重要です。

 

主なデメリットとしては、以下が挙げられます。

  1. 初期費用の高さ:従来型給湯器と比較して5〜10万円程度高価です。補助金制度を利用できる場合もありますが、それでも初期投資は大きくなります。
  2. ドレン水の排水処理:結露水(ドレン水)の排水のための配管工事が必要です。特にマンションなど集合住宅では、排水経路の確保が難しい場合があります。
  3. 運転音の問題:一部のモデルでは、二次熱交換器での熱回収プロセスにより、従来型よりもやや運転音が大きくなることがあります。寝室の近くに設置する場合は特に注意が必要です。
  4. 設置スペースの確保:従来型と比較してサイズが大きいモデルが多く、限られたスペースへの設置が難しい場合があります。
  5. メンテナンス頻度の増加:中和器の交換など、従来型にはない追加のメンテナンス項目があります。

また、導入前に確認すべき重要なポイントとして、以下があります。

  • 使用するガスの種類(都市ガス・LPガス)に適合したモデルを選ぶ
  • 給湯能力(号数)が家族の使用状況に合っているか
  • 設置場所の確保(特に狭小住宅やマンションの場合)
  • 排水経路の確保が可能か
  • 補助金制度の利用可否と申請方法

これらのデメリットを理解した上で、自宅の状況や生活スタイルに合わせた判断をすることが大切です。

 

エコジョーズのデメリットに関する詳細情報

エコジョーズと他の給湯システムの比較と選択ポイント

住宅の給湯システムを選ぶ際には、エコジョーズ以外にもいくつかの選択肢があります。それぞれの特徴を比較し、最適な選択をするためのポイントを解説します。

 

1. エコジョーズとエコキュートの比較
エコキュートは電気を使用するヒートポンプ式給湯器で、エコジョーズとは動作原理が大きく異なります。

 

比較項目 エコジョーズ エコキュート
使用エネルギー ガス 電気
初期費用 20〜30万円 40〜60万円
ランニングコスト 中程度 安い(特に深夜電力利用時)
設置スペース 比較的コンパクト 大きい(貯湯タンクが必要)
CO2排出量 従来型より13%減 地域や電源構成による
停電時の使用 使用可能 使用不可

2. エコジョーズとエネファームの比較
エネファームは、ガスから水素を取り出し発電する家庭用燃料電池で、発電時の排熱を給湯に利用するシステムです。

 

比較項目 エコジョーズ エネファーム
機能 給湯のみ 発電+給湯
初期費用 20〜30万円 100万円前後
ランニングコスト 中程度 非常に安い
省エネ性 高い 非常に高い
設置スペース 比較的コンパクト 大きい
メンテナンス 比較的簡単 複雑

3. 従来型給湯器との比較
従来型のガス給湯器は初期費用が安いものの、ランニングコストでは不利になります。

 

比較項目 エコジョーズ 従来型給湯器
初期費用 高い 安い
ランニングコスト 安い 高い
熱効率 約95% 約80%
CO2排出量 少ない 多い
メンテナンス やや複雑 比較的簡単

選択のポイント

  1. 居住予定期間:長期居住予定なら初期費用が高くてもランニングコストの安いシステムが有利
  2. 使用パターン:お湯の使用量が多い家庭ほど高効率システムのメリットが大きい
  3. 設置スペース:限られたスペースしかない場合はエコジョーズが有利
  4. 地域性:寒冷地ではエコキュートの効率が下がる場合も
  5. 災害対策:停電時の使用を考慮するとガス式が有利
  6. 補助金制度:地域によって異なる補助金制度を確認

これらの比較を踏まえ、各家庭の状況や優先事項に合わせた選択をすることが重要です。

 

日本ガス協会:給湯器の種類別比較情報

エコジョーズ導入時の補助金制度と申請方法

エコジョーズの導入を検討する際に活用したいのが、各種補助金制度です。2025年現在も継続している補助金制度について解説します。

 

1. 国の補助金制度
現在、国レベルでは「給湯省エネ2024キャンペーン」が実施されています。このキャンペーンでは、高効率給湯器への買い替えに対して補助金が支給されます。

 

エコジョーズの場合、基本的な補助額は以下の通りです。

  • 従来型からエコジョーズへの買い替え:5万円
  • 特定の条件(一定以上の省エネ性能など)を満たす場合:追加補助あり

申請方法は基本的に以下の流れになります。

  1. 対象製品の購入・設置
  2. 必要書類の準備(領収書、保証書のコピー、既存給湯器の撤去証明など)
  3. オンラインまたは郵送で申請
  4. 審査・補助金交付

2. 地方自治体の補助金制度
国の制度に加えて、多くの地方自治体が独自の補助金制度を設けています。例えば。

  • 東京都:「家庭のゼロエミッション行動推進事業」でエコジョーズ導入に最大5万円
  • 横浜市:「住まいのエコリノベーション推進事業」で最大3万円
  • 大阪市:「スマートエネルギー設備導入補助金」で一定額を補助

これらの自治体補助金は国の補助金と併用できる場合が多く、合わせて活用することで初期費用の負担を大きく軽減できます。

 

3. 補助金申請時の注意点
補助金を確実に受け取るためには、以下の点に注意が必要です。

  • 申請期限を確認する(多くの場合、予算に上限があり先着順)
  • 工事前に申請が必要な制度もあるため、事前確認が重要
  • 対象製品・対象工事内容を確認(すべてのエコジョーズが対象とは限らない)
  • 必要書類を漏れなく準備(特に既存給湯器の撤去証明は重要)
  • 申請書の記入ミスに注意

4. 補助金情報の入手方法
最新の補助金情報は以下から入手できます。

  • 経済産業省や環境省のウェブサイト
  • お住まいの自治体のウェブサイト(環境課や住宅課のページ)
  • ガス会社や給湯器メーカーのウェブサイト

給湯省エネ2024キャンペーン公式サイト
補助金制度は年度ごとに内容が変更されることが多いため、最新情報を確認することが重要です。また、申請期間や予算には限りがあるため、導入を決めたら早めに手続きを進めることをお勧めします。

 

エコジョーズの施工事例と外壁デザインとの調和

エコジョーズの設置は、住宅の外観にも影響を与えます。ここでは、実際の施工事例を紹介しながら、外壁デザインとの調和を図るポイントについて解説します。

 

1. 外壁材との色調統一
最近のエコジョーズは、外装カバーのカラーバリエーションが豊富になっています。主要メーカーでは、ホワイト、ベージュ、ブラウン、グレーなど、一般的な外壁色に合わせやすい色が用意されています。

 

施工事例。

  • 白い外壁の住宅には、同系色のホワイトカラーのエコジョーズを設置し、違和感なく溶け込ませる
  • 茶系の外壁には、ブラウン系のカバーを選択して統一感を出す
  • モダンな黒系外壁には、ブラックやダークグレーのモデルを合わせる

2. 設置位置の工夫
給湯器の設置位置も外観に大きく影響します。

 

効果的な設置位置の例。

  • 目立ちにくい北側や裏側への設置
  • 植栽で部分的に隠す配置計画
  • バルコニー下など視線が届きにくい場所への設置
  • 外壁の凹部分を利用した設置

3. 配管カバーの活用
エコジョーズの設置では、ガス管や給水管、ドレン排水管などの配管が外壁に沿って設置されます。これらの配管を適切にカバーすることで、外観の美し