グリチルリチン酸の化粧水は医薬部外品?効果と成分と選び方

グリチルリチン酸の化粧水は医薬部外品?効果と成分と選び方

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グリチルリチン酸ジカリウムと化粧水と医薬部外品

この記事でわかること
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GK2の基本

グリチルリチン酸ジカリウムの抗炎症作用と肌荒れへの効果

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安全性

副作用や危険性の有無、ステロイドとの明確な違い

🧪
製品選び

医薬部外品化粧水の選び方と相性の良い成分

グリチルリチン酸ジカリウムの持つ抗炎症効果と肌荒れへのアプローチ

 

グリチルリチン酸ジカリウムは、漢方薬にも用いられるマメ科の植物「甘草(カンゾウ)」の根や茎から抽出される成分です 。具体的には、グリチルリチン酸にカリウムを結合させて水に溶けやすくしたもので、「グリチルリチン酸2K」と表記されることもあります 。この成分の最も注目すべき点は、その優れた「抗炎症作用」にあります 。
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肌が紫外線や乾燥、アレルギー反応などの刺激を受けると、体内で「プロスタグランジンE2」という物質が生成されます 。これが炎症や赤み、かゆみといった肌トラブルの引き金となるのです。グリチルリチン酸ジカリウムは、このプロスタグランジンE2の働きを強力に抑えることで、炎症を鎮め、肌荒れやニキビが悪化するのを防ぎます 。
[4][1]
主な効果を以下にまとめます。

     

  • 肌荒れ防止:高い抗炎症作用で、日々の様々な刺激による肌荒れを防ぎ、健やかな状態に保ちます 。
  • [5]

     

  • ニキビ予防:ニキビの初期段階である微細な炎症を抑え、悪化を防ぐ効果が期待できます 。
  • [6][4]

     

  • 皮膚刺激の緩和:洗浄力の強い洗顔料や化粧品を使った際のピリピリ、チクチクといった皮膚の一次刺激を和らげる作用も報告されています 。
  • [2][4]

     

  • 抗アレルギー作用:即時型アレルギー反応によるかゆみなどを抑制する効果もあります 。
  • [4]

これらの作用から、グリチルリチン酸ジカリウムは厚生労働省によって「肌荒れ防止有効成分」として承認されており 、特に敏感肌や乾燥肌、ニキビに悩む方に向けた多くの医薬部外品(薬用化粧品)に配合されています 。
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以下のリンクは、医薬部外品の有効成分リストに関する厚生労働省の公式資料です。グリチルリチン酸ジカリウムがリストに含まれていることを確認できます。
いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストについて(PDF)

グリチルリチン酸ジカリウムに副作用や危険性はある?ステロイドとの違い

「グリチルリチン酸ジカリウム」と聞くと、その効果の高さから「副作用はないの?」「ステロイドと似ているのでは?」と心配になる方もいるかもしれません。結論から言うと、化粧品として皮膚に塗布する場合、その危険性は非常に低いと考えられています 。
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注意が必要なのは、医薬品として「内服」する場合です。グリチルリチン酸として1日40mg以上を長期にわたって摂取すると、体内のミネラルバランスが崩れ、「偽アルドステロン症」という副作用(むくみ、高血圧など)を引き起こす可能性があります 。しかし、これはあくまで経口摂取での話であり、化粧水を肌に塗ることでこの量に達することは現実的に考えられません。外用(塗布)での使用においては、20年以上の使用実績があり、連続使用しても副作用はほとんどないと報告されています 。
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また、グリチルリチン酸ジカリウムは、よく混同されがちな「ステロイド」とは全く異なる成分です。両者の違いを表にまとめました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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項目 グリチルリチン酸ジカリウム ステロイド外用薬
分類 非ステロイド性抗炎症成分 ステロイド性抗炎症成分
作用 比較的穏やか 非常に強力
主な用途 医薬部外品、化粧品(肌荒れ予防、ニキビ予防) 医薬品(湿疹、皮膚炎などの治療)
副作用リスク(外用) 非常に低い。まれに発疹、かゆみなど 。 長期・大量使用で皮膚萎縮、毛細血管拡張など。医師の指示が必要。

グリチルリチン酸ジカリウムは、ステロイドのような強力な作用や副作用のリスクはなく、あくまで肌を健やかに保つための「予防」を目的として化粧品に配合される穏やかな成分です。ただし、どのような成分でもアレルギー反応が起こる可能性はゼロではありません。肌に異常を感じた場合は使用を中止し、専門医に相談することが大切です。

グリチルリチン酸ジカリウム配合の医薬部外品化粧水の選び方と成分表示のポイント

グリチルリチン酸ジカリウムの効果を最大限に活用するためには、製品選びが重要です。特に「医薬部外品」と表示されている製品を選ぶことが一つのポイントになります。

     

  • 「医薬部外品」と「化粧品」の違い:

    「医薬部外品(薬用化粧品)」は、厚生労働省が許可した有効成分が一定濃度配合されており、「肌荒れを防ぐ」「ニキビを防ぐ」といった効果・効能を明確に表示することが認められています 。一方、「化粧品」は、効果・効能を謳うことはできず、あくまで「肌を整える」「皮膚をすこやかに保つ」といった表現に留まります。
  • [1]

そのため、肌荒れやニキビ予防といった特定の目的がある場合は、「医薬部外品」と記載のある製品を選ぶのがおすすめです。製品の成分表示を確認する際は、以下の点に注目しましょう。
有効成分の表示を確認する

医薬部外品の場合、全成分表示の中で「有効成分」とそれ以外の「その他の成分」が分けて記載されています。「有効成分」の欄に「グリチルリチン酸ジカリウム」または「グリチルリチン酸2K」と明記されているかを確認しましょう 。
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肌質に合った保湿成分で選ぶ

グリチルリチン酸ジカリウムは抗炎症が主な役割のため、化粧水としての基本機能である「保湿」を担う成分も重要です。自分の肌質に合わせて、以下のような保湿成分が配合されているかチェックしましょう。

     

  • 乾燥肌の方:セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン、ヘパリン類似物質など、高保湿な成分がおすすめです。
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  • 脂性肌・混合肌の方:ベタつきにくい、さっぱりとした使用感のヒアルロン酸、アミノ酸、BGなどが適しています。
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  • 敏感肌の方:肌への刺激が少ないとされるセラミドやアミノ酸系の保湿成分が配合され、アルコールや香料、着色料などが無添加の製品を選ぶとより安心です 。
  • [5]

その他の有効成分にも注目する

製品によっては、グリチルリチン酸ジカリウム以外の有効成分を組み合わせているものもあります。例えば、美白を目指すなら「プラセンタエキス」や「ビタミンC誘導体」、さらなる肌荒れ防止には「アラントイン」などが配合されている製品も良い選択肢です。

グリチルリチン酸ジカリウムと相性の良い成分・悪い成分

グリチルリチン酸ジカリウムは、他の多くの化粧品成分と組み合わせやすい、協調性の高い成分です。その抗炎症作用をサポートしたり、スキンケア効果全体を高めたりするために、様々な成分と組み合わせて配合されます。

🤝 相性の良い成分

グリチルリチン酸ジカリウムと組み合わせることで、より高いスキンケア効果が期待できる成分を紹介します。

     

  • 保湿成分 (セラミド、ヒアルロン酸、アミノ酸など):

    グリチルリチン酸ジカリウムが肌の炎症を抑えて土台を整え、そこに保湿成分が加わることで、肌のバリア機能を正常に保ち、乾燥や外部刺激から肌を守る相乗効果が期待できます。肌荒れしやすい肌はバリア機能が低下していることが多いため、この組み合わせは非常に効果的です。
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  • トラネキサム酸:

    トラネキサム酸もグリチルリチン酸ジカリウムと同様に抗炎症作用を持つ有効成分です。両者を組み合わせることで、異なるアプローチから炎症を抑え、より効果的に肌荒れを防ぎます。また、トラネキサム酸にはメラニンの生成を抑える働きもあるため、肌荒れとシミ予防を同時にケアできます。
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  • ビタミンC誘導体:

    抗酸化作用があり、皮脂の過剰分泌を抑える効果が期待できるビタミンC誘導体は、ニキビケアにおいてグリチルリチン酸ジカリウムと好相性です。炎症を抑えつつ、ニキビの原因となる皮脂バランスを整え、クリアな肌へと導きます。
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  • ヘパリン類似物質:

    高い保湿力と血行促進作用、そして抗炎症作用を持つ成分です。グリチルリチン酸ジカリウムと組み合わせることで、保湿と抗炎症の両面から強力にアプローチし、乾燥による肌荒れやあかぎれなどを防ぎます。

🤔 併用に注意したい成分

基本的に、グリチルリチン酸ジカリウムと相性が悪いとされる成分は特にありません。非常に安定しており、多くの成分と問題なく組み合わせることができます。しかし、肌が敏感になっている時や、特定の肌悩みに対して高濃度の成分を使用する際は、組み合わせに少し注意が必要です。

     

  • 高濃度のレチノールやピーリング成分 (AHA, BHAなど):

    これらの成分は肌のターンオーバーを促進する効果が高い一方で、人によっては刺激や乾燥を感じることがあります。グリチルリチン酸ジカリウムが配合されているから安心というわけではなく、肌が敏感な状態でこれらの成分を併用すると、かえって肌の負担になる可能性があります。肌の様子を見ながら、使用頻度を調整したり、異なる日に使用したりするなどの工夫をすると良いでしょう。

グリチルリチン酸ジカリウムは食品添加物としても使われる?化粧品以外の意外な用途

グリチルリチン酸ジカリウムが肌荒れやニキビを防ぐ有効成分として化粧品に広く使われていることはよく知られていますが、実は私たちの食生活にも深く関わっていることをご存知でしょうか。その原料である「甘草」は、その名の通り強い甘みを持っており、主成分であるグリチルリチンは砂糖の約200〜250倍もの甘さがあると言われています 。
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この甘さを活かし、グリチルリチン酸は「甘味料」という食品添加物として、様々な食品に利用されています 。
[3][11]

     

  • 醤油・味噌: 塩味をまろやかにする「塩なれ効果」や、旨味を引き出す効果があるため、調味料として使われます 。特に、グリチルリチン酸二ナトリウムは醤油と味噌にのみ使用が許可されている添加物です 。
  • [12][10][1]

     

  • 漬物・佃煮: コクと甘みを加えるために使用されます。
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  • 菓子類: キャンディーやグミなどの甘味料として用いられることがあります。

さらに、その用途は食品だけに留まりません。

     

  • 医薬品: 優れた抗炎症作用や解毒作用から、風邪薬、胃腸薬、肝臓疾患用剤、点眼薬など、内服・外用を問わず幅広い医薬品に有効成分として配合されています 。
  • [7]

     

  • タバコ: 苦味を抑え、風味を整えるための香料として添加されることもあります。
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  • 歯磨き粉: 口腔内の炎症を抑える目的で、多くの歯磨き粉や洗口液に含まれています 。
  • [7]

このように、グリチルリチン酸は化粧品成分としてだけでなく、甘味料や医薬品有効成分として、私たちの健康や生活の様々な場面で活用されている非常に多才な成分なのです。肌に塗るものとしてだけでなく、口にするものにも含まれていると知ると、その安全性に対する理解もより深まるのではないでしょうか。
以下の資料は、甘草を使用した食品のグリチルリチン酸含有量に関する調査報告です。どのような食品に使われているかの参考にできます。
甘草使用食品におけるグリチルリチン酸量(PDF)

 

 


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