蜂の巣の危険度と蜂の種類の見分け方

蜂の巣の危険度と蜂の種類の見分け方

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蜂の巣の危険度と蜂の種類

蜂の巣の危険度を知っておこう
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日本の蜂の多様性

日本には約4,000種類以上の蜂が生息していますが、危険なのは主に3種類(スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチ)です。

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巣の形で見分ける

蜂の巣は形状で種類を見分けることができます。丸い球状はスズメバチ、シャワーヘッド型はアシナガバチ、板状はミツバチの巣です。

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危険度の判断

スズメバチは最も危険で、特に10月頃は攻撃性が高まります。巣の大きさや場所によっても危険度が変わります。

家の周りで蜂の巣を見つけると、不安になるものです。しかし、すべての蜂が危険というわけではありません。日本には約4,000種類以上の蜂が生息していますが、人に危害を与える可能性があるのは主に3種類です。蜂の種類によって危険度は大きく異なり、巣の形状からどの蜂の巣かを見分けることができます。

 

蜂の巣の危険度ランキングと特徴

蜂の巣の危険度は、その巣を作る蜂の種類によって大きく異なります。日本で見かける危険な蜂は主に3種類あり、それぞれ危険度が異なります。

 

  1. スズメバチ(危険度:最高)
    • 強力な毒性と高い攻撃性を持つ
    • 体長は大きいもので5cm程度
    • 巣を守るために集団で攻撃することがある
    • 刺されるとアナフィラキシーショックを起こす危険性あり
    • 特に9月〜10月に攻撃性が高まる
  2. アシナガバチ(危険度:中)
    • スズメバチより性格はおとなしいが、毒性が強い種類もある
    • 体長は約3cm弱で、黄色っぽいくびれた体に長い後ろ足が特徴
    • 都市部でも多く見かける
    • 7月〜8月頃に攻撃性が高まる
  3. ミツバチ(危険度:低〜中)
    • 基本的に穏やかな性格で毒性も弱い
    • しかし集団で行動するため、巣を守ろうとすると集団攻撃の可能性あり
    • 体長は1cm程度の小さな体でずんぐりした体型

特に危険なスズメバチの中でも、チャイロスズメバチとモンスズメバチは攻撃性が非常に高く、注意が必要です。チャイロスズメバチは針の毒性が非常に強く、刺された時の痛みはスズメバチの中でも最も強いとされています。モンスズメバチは巣を刺激しなくてもそばを通っただけでも攻撃してくることがあります。

 

蜂の巣の形状による見分け方と危険性

蜂の巣は形状によって、どの種類の蜂が作ったものかを見分けることができます。形状を知ることで、その巣の危険度を判断する手がかりになります。

 

丸い球状の巣(スズメバチ)

  • 基本的には丸い球状の形をしている
  • 貝殻が何枚も重なったようなマーブル模様が特徴
  • 巣を作り始めの時期はフラスコをさかさまにしたような形
  • 住宅の軒下や屋根裏、木や生垣、床下や土の中に作ることも
  • 大きいもので直径80cmになることもある
  • 危険度:非常に高い

シャワーヘッド型の巣(アシナガバチ)

  • お茶碗を逆さまにしたような形状
  • 六角形の巣穴がむき出しになっているのが特徴
  • 木くずや樹皮などに唾液を混ぜて形成され、灰色や薄い茶色
  • 大きさは最大でも20cmほど
  • 玄関やベランダの軒下、窓枠の影など雨風をしのげる場所に作る
  • 危険度:中程度

板型の巣(ミツバチ)

  • 板状の巣板と呼ばれる平らな板のような形
  • 大きくなると板が何枚も並ぶ
  • 作り始めは白色だが、蜜が集まってくるとオレンジ色に変化
  • 床下や屋根裏、木の洞や植え込み、石垣など閉鎖的な狭い空間に作ることが多い
  • 大きさは最大で1mになることも
  • 危険度:低〜中程度

巣の大きさも危険度の判断材料になります。15cm以上の大きさの蜂の巣は危険と考えられます。また、巣に近づく際は2m以内には近づかないようにしましょう。

 

とっくり型の蜂の巣の危険度と対処法

とっくり型の蜂の巣を見つけた場合、それがどの蜂の巣なのかを見極めることが重要です。とっくり型の巣を作る蜂には主に2種類あります。

 

トックリバチの巣

  • 「徳利(とっくり)」に似た形状が特徴
  • 泥と土を使って巣作りを行う
  • とっくりの口はきゅっと絞ったような細い形
  • 全体で4cmほどと小さめ
  • 中には幼虫が食べるための餌だけが入っている
  • 単独行動のため巣の見守りなどは基本的にしない
  • 危険度:低い

コガタスズメバチの巣(初期段階)

  • 初期段階でとっくり型、最終的には丸い形になる
  • マーブル模様がついていることが特徴
  • 軒先などの開放空間に巣を作ることを好む
  • 「とっくり型」「マーブル状の模様」「開放空間」の3つの条件が揃っている場合はコガタスズメバチの可能性が高い
  • 危険度:高い

トックリバチは性格が温厚で、刺激しなければ人を襲うことはほとんどありません。毒針はありますが、人に健康被害を与えるほどの強さではなく、単独行動をするため集団で襲ってくることもありません。そのため、トックリバチの巣を見つけた場合は基本的に駆除する必要はありません。

 

一方、コガタスズメバチは5月頃から巣作りを始め、働き蜂の数が最も多くなるのは9月〜10月です。特に10月頃は攻撃性も高まっており大変危険です。巣に危険が迫ると集団で一斉に攻撃してくるため、見つけたら早めに駆除するのが望ましいでしょう。

 

蜂の巣の駆除方法と業者選びのポイント

蜂の巣を発見した場合、その危険度によって対処方法が異なります。危険度の低い蜂の巣であれば自分で駆除することも可能ですが、危険度の高い蜂の巣は専門業者に依頼するのが安全です。

 

自分で駆除する場合の注意点

  • 危険度の低い蜂の巣(トックリバチなど)に限定する
  • 防護服を着用し、肌の露出を避ける
  • 夜間や早朝など蜂の活動が少ない時間帯に行う
  • 駆除用スプレーは風上から使用する
  • 逃げ道を確保しておく

業者に依頼する場合のメリット

  • 専門知識と経験による安全な駆除
  • 適切な装備と薬剤による効果的な駆除
  • 再発防止のためのアドバイス
  • 万が一の事故の際の保証

業者選びのポイント

  • 見積もりを無料でしてくれる
  • 作業内容が明確に記載されている
  • 保証やアフターフォローの有無を確認
  • 実績や口コミを確認する

スズメバチの巣を業者に駆除してもらう場合の費用相場は、大体1万3千〜4万8千円ほどです。巣の大きさやできた場所によっても料金に差が出るため、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。

 

蜂の巣の予防対策と季節ごとの注意点

蜂の巣を作られないようにするための予防対策は、季節ごとに異なります。蜂の活動サイクルを理解し、適切な時期に適切な対策を講じることが重要です。

 

春(3月〜5月):女王蜂の活動開始期

  • 家の周りを定期的に点検し、巣作りの兆候がないか確認する
  • 軒下や屋根裏、壁の隙間などを塞いでおく
  • 蜂を引き寄せる甘い香りのするものを屋外に放置しない
  • この時期に見つけた小さな巣は比較的安全に駆除できる

夏(6月〜8月):巣の拡大期

  • 庭の手入れをする際は長袖・長ズボンを着用
  • 草刈りや剪定作業は蜂の活動が少ない早朝か夕方に行う
  • 甘い飲み物や食べ物を屋外で開放したままにしない
  • 巣を見つけた場合は自己判断せず、専門家に相談する

秋(9月〜11月):最も危険な時期

  • 特に9月〜10月はスズメバチの攻撃性が最も高まる時期
  • 屋外での活動時は香水や整髪料など強い香りのするものを避ける
  • 黒い服は蜂を刺激する可能性があるため、明るい色の服を着用
  • 巣の周辺では急な動きを避け、静かに離れる

冬(12月〜2月):蜂の活動休止期

  • この時期は多くの蜂が死滅し、女王蜂のみが越冬する
  • 来年の巣作り予防のため、家の周りの点検と修繕を行う
  • 軒下や屋根裏などの隙間をシーリング材で埋める
  • 不要な物置や廃材を片付け、巣作りの場所を減らす

特にコガタスズメバチは5月頃から巣作りを始め、働き蜂が増え始める前の6月までに駆除しておくと安全です。また、トックリバチは寒い地域を除いた本州・四国・九州と広い範囲で生息しているため、これらの地域では特に注意が必要です。

 

蜂は「巣を守る」という防衛本能が高い生き物です。敵に遭遇すれば仲間を呼び、大勢で攻撃することもあります。万が一蜂に刺され、アナフィラキシーショックを起こした場合、命に関わる事態になる可能性もあるため、蜂の巣の対処は慎重に行いましょう。

 

予防対策として、家の周りを定期的に点検し、蜂が好む場所(軒下、屋根裏、壁の隙間など)に巣を作られないよう、隙間を塞いでおくことが効果的です。また、蜂を引き寄せる甘い香りのするものを屋外に放置しないようにしましょう。

 

蜂の巣を見つけた場合は、その種類と危険度を見極め、適切に対処することが重要です。危険度の高い蜂の巣は、自己判断で駆除せず、専門業者に依頼することをおすすめします。