廃棄物処理 建設廃材の流れと分別・再資源化の最新動向

建設廃棄物は、工事現場で発生するコンクリート塊、アスファルト片、木材、金属くず、廃プラスチック類など多岐にわたります。建設副産物として「建設廃棄物」「建設発生土」「有価物」に分類され、現場ごとに発生量や種類が異なります。混合状態で排出されることが多いですが、的確な分別により再生利用が可能となる点が特徴です[1][3][4]。

建設廃材の処理は、現場での分別・保管から始まり、収集運搬、中間処理（破砕・圧縮・焼却など）、最終処分（埋立）へと進みます。産業廃棄物収集運搬業許可を持つ業者への委託や、マニフェスト（産業廃棄物管理票）の発行・管理が法令で義務付けられており、未発行や虚偽記載には厳しい罰則が科されます[1][4]。

建設リサイクル法により、80㎡以上の建築物解体工事ではコンクリート塊、アスファルト塊、木材など特定建設資材廃棄物の分別解体と再資源化が義務付けられています。分別解体により再生骨材や再生アスファルト混合物として再利用され、資源循環型社会の実現に貢献しています[2][5]。

建設混合廃棄物（複数種類が混在した廃棄物）は、手選別やふるい、風力、磁力、電気などの技術で分別されます。中間処理施設では選別・破砕・圧縮などを経て、再資源化率の向上が図られています。熱しゃく減量が5％以下の場合は安定型産業廃棄物として扱われるなど、処理基準も細かく定められています[3][5]。

建設系廃プラスチックや木材の再資源化率向上のため、現場での分別徹底や中間処理施設の技術革新が進んでいます。再生資材の利用拡大や、現場から50km以内の他現場への建設発生土の搬出など、環境負荷低減のための運用も強化されています。最近ではAIやIoTを活用した分別・トレーサビリティ管理の導入も始まり、違法投棄防止や効率化が期待されています[2][5]。

建設廃棄物処理では、現場ごとの分別ルールの違いや、下請け・多重構造による責任の所在不明確化が課題です。現場独自の工夫として、作業所単位での廃棄物発生量の見える化や、分別教育の徹底、分別しやすい仮設設備の導入が進んでいます。さらに、再資源化可能な廃材の現場内再利用や、地元企業との連携によるリサイクル推進も注目されています[1][3][4]。