反射塗料100均にない？ダイソー代用と蛍光アクリルのDIY

反射塗料 100 均

建設現場やDIYの作業現場において、夜間の視認性を高めることは安全管理の基本です。「道具に反射塗料を塗って紛失を防ぎたい」「ヘルメットの視認性を上げたい」と考えたとき、コストを抑えるために100円ショップ（100均）で材料を探す方は多いのではないでしょうか。しかし、実際に店舗に行くと「反射塗料」という名前の商品はなかなか見当たりません。
本記事では、ダイソーやセリアといった大手100均での取り扱い状況から、プロの建築従事者が知っておくべき「光る塗料」の種類の違い、そして意外なアイテムを使った「自作反射塗料」の裏技までを深掘りして解説します。

反射塗料は100均ダイソーやセリアの売り場にある？

結論から申し上げますと、「光を再帰反射する液体の塗料」そのものは、現時点ではダイソーやセリアなどの100均では販売されていません。
多くの人が「反射塗料」として探し求める商品は、道路標識や安全ベストのように、ライトの光が当たったときにその光源に向かって強く光を跳ね返す性質（再帰反射）を持つものです。この技術には非常に微細な「ガラスビーズ」を塗料の中に均一に混ぜ込む高度な技術が必要であり、100円という低価格で液体のスプレーや瓶入り塗料として商品化するのはコスト的に困難だからです。
しかし、売り場にはそれに近い用途で使える商品は存在します。店舗に行く際は、以下のコーナーを重点的にチェックしてください。

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  塗料・DIYコーナー
  ここには「蛍光塗料（アクリル絵の具）」や「夜光（蓄光）塗料」が並んでいます。特にダイソーの「アクリルガッシュ」シリーズや、セリアの「水性塗料」シリーズは種類が豊富です。これらは「反射」はしませんが、昼間の視認性を高める効果があります。
  
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  自転車・カー用品コーナー
  ここには塗料ではなく「反射テープ」や「反射シール」が販売されています。塗ることにこだわらなければ、これが最も確実な反射材の入手先です。
  
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  ネイル・コスメコーナー
  ここが意外な穴場です。後述する「自作反射塗料」の材料となる「ガラスビーズ」や「反射グリッター」が販売されていることがあります。
  
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  釣り具コーナー
  ルアー（疑似餌）の塗装用に、非常に高性能な「蛍光塗料」や「ホログラムシール」が置かれていることがあります。これらは耐水性が高く、現場の道具のマーキングに最適です。
  

100均で買い物をする際は、「反射塗料」という商品名を探すのではなく、「視認性を上げるための代替素材」を探す視点を持つことが重要です。
反射タスキ - 100均 通販 ダイソーネットストア【公式】 | ダイソーで販売されている反射材製品の例

反射塗料と蛍光・蓄光の違い！100均アクリルで代用は？

現場で安全対策を行う際、「反射」「蛍光」「蓄光」の3つの違いを明確に理解していないと、期待した効果が得られず事故につながる恐れがあります。100均で手に入るアクリル塗料などで代用する場合の注意点を解説します。

1. 反射（再帰反射）

光源（車のヘッドライトや懐中電灯）からの光を、そのまま光源の方向に跳ね返す性質です。

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  特徴: 暗闇でもライトが当たれば強烈に光って見えます。
  
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  100均での入手: 塗料は無し。反射テープ、反射タスキのみ。
  
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  用途: 夜間の交通誘導、カラーコーン、看板。
  

2. 蛍光（Fluorescent）

紫外線などの光エネルギーを吸収し、目に見える光に変換して発色します。

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  特徴: 昼間や薄暗い夕方に非常に鮮やかに見えますが、真っ暗闇でライトを当てても、反射塗料ほど強くは光りません。
  
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  100均での入手: ダイソーやセリアのアクリル絵の具、蛍光ペン、マーカー。
  
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  代用可否: 昼間の目印としては反射塗料以上の効果がありますが、夜間の安全対策としての「反射塗料」の完全な代用にはなりません。
  

3. 蓄光・夜光（Phosphorescent）

光を蓄えて、暗闇で自らぼんやりと発光します。

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  特徴: 光源がなくなっても数分〜数時間光り続けますが、輝度は低く、遠くからの視認性は低いです。
  
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  100均での入手: 蓄光シール、蓄光パウダー、蓄光塗料（少量）。
  
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  代用可否: 停電時の避難誘導には最適ですが、動いている作業員や車両の発見には向きません。
  

夜道の安全を守る「再帰反射材」蛍光と蓄光との違いも | 再帰反射材の仕組みと他の光る素材との違いについての詳細解説
100均アクリル塗料での代用テクニック
反射塗料がないからといって諦める必要はありません。100均の「蛍光アクリル絵の具」でも、塗り方一つで現場での視認性を劇的に向上させることができます。

1. 
   下地を白にする:
   蛍光塗料を塗る前に、必ず「白のアクリル絵の具」を下塗りしてください。100均の塗料は隠ぺい力が低いため、黒っぽい工具やヘルメットに直接塗っても色が沈んでしまいます。白を下地にすることで、蛍光色が鮮やかに発色し、夕暮れ時の視認性が向上します。
   
2. 
   トップコートを塗る:
   100均のアクリル絵の具は乾燥すると耐水性になりますが、摩擦には弱いです。上から100均の「水性ニス」や「クリアスプレー」を塗布することで、ハードな現場使用に耐える耐久性を持たせることができます。
   

蓄光テープのグレードと蛍光・反射との違い | 蛍光と蓄光の技術的な違いと発光時間の規格についての専門的解説

反射塗料を100均ネイルのガラスビーズで自作する裏技

ここからは、検索上位の記事にはあまり書かれていない、独自の視点による「自作反射塗料」の作り方を紹介します。実は、女性向けの**「ネイル用品コーナー」**にあるアイテムを使うことで、簡易的な反射塗料を作ることができるのです。
反射塗料の正体は、塗料の中に無数の微細な「ガラスビーズ」が混ざっているものです。光がビーズに入射し、屈折して戻ってくることで反射します。つまり、塗料にガラスビーズを混ぜれば、理論上は反射塗料になります。

用意するもの（全て100均で揃います）

1. 
   クリアー（透明）のマニキュア または レジン液
   ベースとなる透明な塗料です。速乾性を求めるならマニキュアのトップコート、厚みと強度が欲しいならUVレジン液がおすすめです。
   
2. 
   ガラスビーズ（ブリオン・微細ラメ）
   ネイルコーナーにある「ガラスブリオン」や「反射パウダー」「フラッシュネイル用グリッター」を探してください。プラスチック製ではなくガラス製であることが重要です。また、球体に近いほどきれいに反射します。
   
3. 
   小さな容器と爪楊枝
   混ぜ合わせるための使い捨て容器です。
   

自作手順

1. 
   混合比率:
   容器にクリアー液を出し、そこにガラスビーズを投入します。比率は「液1：ビーズ1」程度まで、かなり高密度に混ぜるのがコツです。ビーズが少なすぎると反射しません。
   
2. 
   塗布:
   視認性を高めたい部分（工具の持ち手やスイッチ周りなど）に、盛り上げるように塗ります。筆で薄く伸ばすのではなく、ビーズの層を作るイメージです。
   
3. 
   表面処理（重要）:
   完全に乾く前に、表面のクリアー液がビーズを覆いすぎないように注意します。ビーズの頭がわずかに出ている、あるいは薄い皮膜一枚の状態が最も光を反射します。厚塗りしすぎると光が屈折せず、ただの透明な凸凹になってしまいます。
   

性能の限界と使い道

この自作反射塗料は、市販の業務用の高輝度反射塗料（1缶数千円するもの）に比べれば、反射輝度は低くなります。しかし、懐中電灯を当てたときに「キラッ」と光る効果は十分にあります。

• 
  おすすめの用途:
  
  
  
  • 
    インパクトドライバーやハンマーの柄のワンポイント識別
    
  • 
    自分の道具であることを示すためのオリジナルマーキング
    
  • 
    腰袋（腰道具）のフチの装飾兼安全対策
    

道路標識のような公的な安全基準が求められる場所には不向きですが、個人の道具管理や、ちょっとした安全対策としては非常にコストパフォーマンスの高い裏技です。
100均で簡単！魅力的な紗々ネイルの作り方 | ネイル用のガラス素材を使った光の反射を利用するアイデア

反射塗料の代用に釣り具コーナーの蛍光塗料も活用しよう

建築関係の方でも、意外と見落としがちなのが100均の「釣り具コーナー」です。ここには、過酷な環境（水中・岩場）で使われるルアーを塗装するための塗料が売られています。

釣り具用塗料のメリット

1. 
   発色が強烈:
   魚にアピールするための塗料なので、文具コーナーの蛍光ペンや絵の具よりも、圧倒的に発色が良く、視認性が高い「蛍光色」が多いです（蛍光オレンジ、蛍光イエロー、蛍光ピンクなど）。
   
2. 
   耐久性が高い:
   水中で使われることを想定しているため、一度乾燥すれば水に濡れても剥がれにくく、通常の水性塗料よりも塗膜が硬い傾向があります。
   
3. 
   筆付きタイプが多い:
   マニキュアのようにキャップに筆がついているタイプが多く、現場でハサミやカッターの柄、墨つぼの一部などに「ちょい塗り」するのに非常に便利です。
   

現場での活用例

• 
  工具の紛失防止:
  プライヤーやニッパーのグリップエンドに、釣り具用の蛍光オレンジを塗っておきます。万が一、薄暗い床下や天井裏に落としても、ライトを照らせば強烈な蛍光色が浮かび上がり、発見が容易になります。
  
• 
  危険箇所のマーキング:
  脚立の天板の端や、足場の突起部分に塗ることで、注意喚起になります。反射塗料ではありませんが、日中や照明のある屋内現場では、反射材以上に目立ちます。
  

また、釣り具コーナーには**「ホログラムシール」**も売られています。これは光を虹色に反射するシールで、反射塗料の代わりとして平面部分に貼るには最適です。柔軟性はあまりないので曲面には向きませんが、スケール（メジャー）のケースなどに貼っておくと、キラキラと光を反射して目立ちます。
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反射塗料より便利？100均反射テープで安全対策

ここまで「塗料」にこだわって解説してきましたが、実用面を最優先するのであれば、やはり**「反射テープ」**の活用が最も合理的です。100均の反射テープは年々品質が向上しており、現場使用にも耐えうるものが増えています。

100均反射テープの選び方

• 
  ハニカム構造のものを選ぶ:
  表面をよく見ると、六角形の模様（ハニカム構造）が見えるタイプがあります。これは「高輝度反射」タイプであることが多く、のっぺりとした平らなテープよりも反射性能が高いです。ダイソーやセリアの自転車コーナーでよく見かけます。
  
• 
  布製（反射タスキ）を加工する:
  粘着テープではなく、布に反射材が塗布された「反射タスキ」や「反射ベスト」も100均で売られています。これをハサミで切り取り、強力な両面テープや接着剤（G17など）でヘルメットや作業着に貼り付ける方法もあります。テープよりも柔軟性があるため、曲面にも馴染みやすいです。
  

ヘルメットへの貼り方のコツ

ヘルメットは球体であるため、平面のテープをそのまま貼るとシワになります。

1. 
   短く切る: テープを5cm程度の長さに切り、少し隙間を空けながら並べて貼ります。
   
2. 
   V字カット: テープの端にV字の切り込みを入れると、カーブに沿って貼りやすくなります。
   
3. 
   ライン使い: ヘルメットの縁（ふち）に沿って細く切ったテープを一周させると、360度どこからでも視認できるようになります。
   

剥がれ防止のひと手間

100均の反射テープは粘着力が弱いことがあります。現場の油や埃ですぐに剥がれないよう、貼る前には必ずパーツクリーナーやアルコールで脱脂してください。また、貼った後にドライヤーで温めながら圧着すると、粘着剤が馴染んで剥がれにくくなります。
結論として、「文字を書きたい」「複雑な形状のものに色を付けたい」場合は、前述の**「蛍光塗料＋自作ビーズ」を、「直線的なラインで明確に反射させたい」場合は「反射テープ」**を選ぶのが正解です。用途に合わせてこれら100均アイテムを組み合わせることで、高価な業務用資材を使わずとも、十分な安全対策が可能になります。
反射タスキ - 100均 通販 ダイソーネットストア【公式】 | 柔軟性があり加工もしやすい100均の反射素材