hdd規格から種類・転送速度・接続インターフェース選び方まで完全解説

hdd規格から種類・転送速度・接続インターフェース選び方まで完全解説

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hdd規格の種類・特徴・選び方

hdd規格の基本知識
💾
SATA規格

現在主流のHDD接続規格、転送速度最大600MB/s

🔧
IDE規格

従来からの接続方式、古い機器での互換性確保

🏢
企業向け規格

SAS・SCSI規格による高性能サーバー対応

hdd規格の基本構成とSATA接続規格の特徴

HDD規格は、ハードディスクドライブとパソコンやサーバーを接続するための重要な技術仕様です。現在最も普及しているのがSATA(Serial ATA)規格で、シリアル方式による高速データ転送を実現しています。
SATA規格の世代別転送速度

  • SATA 1:150MB/s
  • SATA 2:300MB/s
  • SATA 3:600MB/s

SATA規格は世代間で互換性を持っており、新しい世代のHDDを古い世代の機器に接続することも可能です。ただし、転送速度は下位世代の上限に制限されるため注意が必要です。
建築業での図面データや3Dモデルの処理では、SATA 3対応のHDDを選択することで、大容量ファイルの読み書き時間を大幅に短縮できます。

 

hdd規格の従来接続方式IDEとその現状

IDE(Integrated Drive Electronics)は、SATA普及以前に広く使用されていた接続規格です。パラレルATA(PATA)とも呼ばれ、複数の線を並行してデータ転送を行うため、ケーブルが幅広いのが特徴です。
IDE規格は現在生産が終了していますが、製造業界では20年以上使用している専用機器で現役活躍中です。建築業界でも、古いCADシステムや専用設計ソフトを動作させる機器でIDE規格のHDDが使用されているケースがあります。
IDE規格の現状

  • HDDメーカーは販売停止
  • 工場機器などで現役使用
  • DOS-V制御の特殊プログラミング機器で採用
  • SATAとの互換性なし

古い設計システムを維持する必要がある建築事務所では、IDE規格HDDの予備確保や代替手段の検討が重要です。

 

hdd規格のエンタープライズ向けSAS・SCSI接続方式

企業向けの高性能サーバーやワークステーションでは、SAS(Serial Attached SCSI)規格が採用されています。SASは2003年に標準化され、従来のSCSI規格の後継として開発されました。
SAS規格の転送速度

  • SAS-1.0:300MB/s
  • SAS-2.0:600MB/s
  • SAS-3.0:1200MB/s

SAS規格の大きな特徴は拡張性の高さです。規格上16,000台以上の接続が可能で、1対1接続によりシステム全体のパフォーマンスへの影響を最小限に抑えます。
建築設計事務所の大規模プロジェクトでは、複数の設計者が同時にアクセスするサーバーシステムでSAS規格HDDが威力を発揮します。BIM(Building Information Modeling)データの共有や、大容量の図面データベース管理において、高い信頼性と性能を提供します。

 

hdd規格のサイズ仕様と形状による分類

HDD規格はインターフェースだけでなく、物理的なサイズ仕様も重要な要素です。主要なサイズ規格は以下の通りです。
主要なHDDサイズ規格

  • 3.5インチ:デスクトップPC向け、大容量化に適している
  • 2.5インチ:ノートPC向け、省電力・コンパクト設計

建築業務用パソコンでは、図面データや3Dモデルの保存容量を考慮して3.5インチHDDを選択することが多いです。一方、現場での持ち運びを重視する場合は2.5インチHDDを搭載したノートPCが適しています。
容量と用途の目安

  • 500GB~1TB:個人用CAD作業
  • 2TB~4TB:中規模プロジェクト
  • 8TB以上:大規模建築プロジェクト・アーカイブ

最新のSeagate製16TBモデルでは、建築事務所の全プロジェクトデータを一元管理することも可能です。

hdd規格の建築業界特有の選択基準と将来性

建築業界でのHDD規格選択には、一般的なIT業界とは異なる特殊な要求があります。図面データの長期保存、大容量3Dモデルの処理、現場との連携など、業界特有のニーズを満たす規格選択が重要です。

 

建築業界でのHDD規格選択ポイント
🏗️ 長期保存性:建築図面は法的保存義務があるため、10年以上の安定動作が求められます
📐 大容量対応:BIMデータや高解像度レンダリング画像の保存に対応
🔄 互換性確保:異なる世代のCADソフトとの連携を考慮
転送速度:リアルタイム3D表示やレンダリング処理の効率化
建築業界では、2025年現在でもWindows XP世代の専用CADシステムを使用している事務所があります。このような環境では、IDE規格HDDの調達や、変換アダプターを使用したSATA HDDの活用が検討されています。
一方で、最新のBIM対応システムでは、NVMe SSDとの併用により、従来のHDD規格では実現できない高速処理を実現しています。建築業界でも、設計プロセスのデジタル化に合わせて、適切なHDD規格の見直しが必要な時期を迎えています。