管ネジ規格JIS B0202平行テーパー種類完全対照表

管ネジ規格JIS B0202平行テーパー種類完全対照表

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管ネジ規格の種類と基準寸法

管ネジ規格の基本構成
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平行ネジ(JIS B0202)

機械的接合を主目的として円筒形状で一定太さを保持

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テーパーネジ(JIS B0203)

水密・気密を必要とする配管接続で1/16勾配を採用

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ISO規格統一表記

国際標準により旧JIS記号から現行G・R表記へ変更

管ネジ規格の基本分類とJIS B0202対応表

管用ネジは建築・配管工事において必須の接続部品であり、用途により平行ネジテーパーネジに大別されます。
現在のISO規格では以下の分類体系が採用されています:

ねじの種類 ISO規格 JIS規格 規格番号 用途
管用テーパーねじ(テーパおねじ) R PT JIS B0203 水密・気密必要部分
管用テーパーねじ(テーパめねじ) Rc PT JIS B0203 水密・気密必要部分
管用テーパーねじ(平行めねじ) Rp PS JIS B0203 テーパおねじ接続用
管用平行ねじ(平行おねじ) G(A・B等級) PF JIS B0202 機械的接合主目的
管用平行ねじ(平行めねじ) G PF JIS B0202 機械的接合主目的

重要な変更点として、1982年にISO 7/1に準拠するためJIS規格が改正され、呼び名・記号が統一されました。この変更により国際互換性が向上しています。

管ネジ平行ネジ(JIS B0202)の基準寸法詳細表

管用平行ネジは円筒形状で先端まで均一の太さを維持し、主に機械部品の接合に使用されます。
JIS B0202準拠の基準寸法表

ねじの呼び ねじ山数 ピッチ おねじ外径 おねじ谷径 めねじ谷径 めねじ内径
G 1/8 28 0.9071mm 9.728mm 8.566mm 9.728mm 8.566mm
G 1/4 19 1.3368mm 13.157mm 11.445mm 13.157mm 11.445mm
G 3/8 19 1.3368mm 16.662mm 14.95mm 16.662mm 14.95mm
G 1/2 14 1.8143mm 20.955mm 18.631mm 20.955mm 18.631mm
G 3/4 14 1.8143mm 26.441mm 24.117mm 26.441mm 24.117mm
G 1 11 2.3091mm 33.249mm 30.291mm 33.249mm 30.291mm

表記上の注意点

  • おねじの場合:有効径許容差による等級「A」または「B」を付加(例:G1/4B)
  • めねじの場合:等級表示なし(例:G1/4)

管ネジテーパーネジ規格と水密性確保の仕組み

管用テーパーネジは1/16のテーパー勾配により優れた水密・気密性を実現します。
テーパーネジの特徴

  • ねじ山角度:55度(ISO規格)
  • テーパー比:1/16
  • 主要用途:ガス管・水道管接続

NPT(アメリカ規格)との相違点

  • NPTねじ山角度:60度
  • JIS管用ねじ山角度:55度
  • 互換性なしのため混用厳禁

テーパーネジでは、ねじ込み深さにより締付け力が増大し、シール効果が向上する設計となっています。この特性により、液体・気体の漏洩を防止できます。

管ネジ規格選択時の実務ポイントと等級分類

実際の配管工事では、用途に応じた適切な規格選択が重要です。

 

選択基準

  1. 機械的接合重視:管用平行ねじ(G)を選択
  2. 水密・気密重視:管用テーパーねじ(R/Rc)を選択
  3. 組み合わせ使用:テーパーおねじ(R)+ 平行めねじ(Rp)

おねじ等級による精度差

  • A級:より高精度(許容差±180μm)
  • B級:標準精度(許容差±360μm)

実務での注意点

  • 旧JIS表記(PT・PF・PS)と現行ISO表記(R・Rc・Rp・G)の混在に注意
  • アメリカ規格NPTとの誤用防止が必要
  • ねじ山角度の違いによる接続不良回避

管ネジ精度管理と検査方法の業界基準

管用ねじの品質確保には、適切な精度管理と検査が不可欠です。

 

精度管理のポイント

  • 基準寸法からの許容差管理
  • ねじゲージによる精度チェック
  • 有効径・ピッチ・山角度の総合評価

検査項目

  1. 外径測定:マイクロメーターによる寸法確認
  2. ピッチ検査:ねじピッチゲージによる確認
  3. 山形状:プロファイル投影機による角度測定

品質基準

  • JIS附属書準拠の許容差範囲内
  • ねじ山の完全性確保
  • 表面粗さ規定値以下

近年では、三次元測定機による自動検査システムの導入が進み、より精密な品質管理が可能となっています。これにより不良品の流出防止と、配管接続時の信頼性向上を実現しています。

 

また、意外な事実として、管用ねじの精度は温度変化により影響を受けるため、検査室では20±2℃の環境管理が重要とされています。特に大径ねじでは、わずかな温度変化でも寸法誤差が発生するため注意が必要です。