後打ち 外壁塗装 メリット デメリット シーリング

後打ち 外壁塗装 メリット デメリット シーリング

記事内に広告を含む場合があります。

後打ち 外壁塗装 シーリング 工法

後打ち外壁塗装の特徴
🏠
塗装後にシーリング

外壁塗装完了後にシーリング材を充填する工法

美観性の向上

シーリング上の塗膜割れを防ぎ、長期的な美観を維持

⚖️
メリット・デメリット

耐候性や施工性など、様々な観点から検討が必要

後打ち外壁塗装のメリット:塗膜割れ防止と美観維持

後打ち外壁塗装の最大のメリットは、シーリング上の塗膜割れを防ぐことができる点です。これにより、長期的な美観維持が可能となります。

 

  1. 塗膜割れの防止
    • シーリング材の上に塗料を塗らないため、シーリングの動きによる塗膜割れが発生しない
    • 建物の動きや温度変化による影響を受けにくい
  2. 美観の長期維持
    • シーリング材の色を外壁に合わせて選択可能
    • 塗膜割れによる見栄えの悪化を防ぐ
  3. シーリング材の単独交換
    • シーリング材のみの劣化時に、外壁塗装を傷つけずに交換可能
  4. 塗料との相性問題の回避
    • シーリング材と塗料の相性を考慮する必要がない
    • 塗料の種類を選ぶ際の制約が少ない

後打ち工法では、これらのメリットにより、長期的な建物の美観維持と機能性の向上が期待できます。

 

後打ち外壁塗装のデメリット:耐候性と施工性の課題

後打ち外壁塗装には、いくつかのデメリットも存在します。主な課題は耐候性と施工性に関するものです。

 

  1. シーリング材の耐候性
    • 直接紫外線や風雨にさらされるため、劣化が早まる可能性がある
    • 高耐候性のシーリング材を選択する必要がある(コスト増)
  2. 施工の難しさ
    • 塗装後の綺麗な外壁を汚さないよう、慎重な作業が必要
    • シーリング専門の職人が必要となる場合がある
  3. 工期の延長
    • 塗装完了後にシーリング作業を行うため、全体の工期が長くなる
    • 天候の影響を受けやすく、スケジュール調整が難しい
  4. コストの増加
    • 高耐候性シーリング材の使用や専門職人の雇用によりコストが上昇
    • 工期延長に伴う追加費用が発生する可能性
  5. 色合わせの難しさ
    • 外壁塗装の色と完全に一致するシーリング材を見つけるのが困難
    • 色の違いが目立つ場合がある

これらのデメリットを考慮し、建物の状況や予算に応じて、最適な工法を選択することが重要です。

 

後打ち外壁塗装におけるシーリング材の選び方とポイント

後打ち工法でのシーリング材選びは、外壁塗装の耐久性と美観に大きく影響します。以下のポイントを押さえて、適切なシーリング材を選択しましょう。

 

  1. 高耐候性シーリング材の選択
    • UV(紫外線)カット機能付きのシーリング材を選ぶ
    • 耐候性グレードの高いものを選択(JIS A 5758のグレード分類を参考に)
  2. 外壁材との相性
    • サイディングやALCなど、外壁材に適したシーリング材を選ぶ
    • 材料メーカーの推奨品を確認する
  3. 色合わせ
    • 外壁塗装の色に近いシーリング材を選択
    • カラーサンプルで実際の色味を確認
  4. 弾性と強度のバランス
    • 建物の動きに追従できる適度な弾性を持つもの
    • 十分な接着強度を有するシーリング材を選ぶ
  5. 施工性
    • 作業性の良いシーリング材を選択(硬化時間、可使時間など)
    • 気温や湿度の影響を受けにくいものを選ぶ
  6. 環境への配慮
  7. メーカーのサポート体制
    • 技術サポートの充実したメーカーの製品を選ぶ
    • 保証内容を確認し、長期保証のあるものを選択

適切なシーリング材の選択は、後打ち工法の成功に不可欠です。これらのポイントを考慮し、建物の特性や環境に合った最適なシーリング材を選びましょう。

 

日本シーリング工業会:シーリング材の種類と特徴について詳しい情報が掲載されています。

後打ち外壁塗装の施工手順と注意点:プロの技術を解説

後打ち外壁塗装の施工には、高度な技術と細心の注意が必要です。以下に、プロの施工手順と重要な注意点を解説します。

 

  1. 外壁塗装の完了
    • 外壁全体の塗装を完了させる
    • 塗料の十分な乾燥を確認(通常24〜48時間)
  2. 旧シーリングの除去
    • 専用のカッターやヘラを使用して慎重に除去
    • 外壁を傷つけないよう注意
  3. 目地の清掃と乾燥
    • 目地内の埃や汚れを完全に除去
    • 必要に応じてエアブローや乾燥剤を使用
  4. プライマー塗布
    • 目地の材質に適したプライマーを選択
    • ムラなく均一に塗布し、十分な乾燥時間を確保
  5. バックアップ材の挿入
    • 適切な太さのバックアップ材を選択
    • 均一な深さに挿入
  6. マスキングテープの貼付
    • 目地の両側にマスキングテープを貼る
    • シーリング材のはみ出しを防ぐ
  7. シーリング材の充填
    • 専用のガンを使用して均一に充填
    • 気泡が入らないよう注意
  8. ヘラ仕上げ
    • 専用のヘラで表面を平滑に仕上げる
    • 過度な力をかけずに適度な凹みを作る
  9. マスキングテープの除去
    • シーリング材が表面固化する前に慎重に除去
  10. 養生と硬化
    • シーリング材が完全に硬化するまで養生
    • 通常24〜72時間、天候や温度により変動

注意点。

  • 気温や湿度に応じてシーリング材の選択や施工方法を調整する
  • 雨天時や高湿度時の施工は避ける
  • 外壁材の種類に応じた適切なシーリング材と施工方法を選択する
  • 作業中は常に外壁を汚さないよう細心の注意を払う

プロの技術者は、これらの手順を熟知し、建物の特性や環境に応じた最適な施工を行います。DIYでの施工は難しいため、専門業者への依頼をおすすめします。

 

国土交通省:外壁塗装工事の施工基準に関する詳細情報が掲載されています。

後打ち vs 先打ち:外壁塗装のコスト比較と長期的な経済性

外壁塗装の工法選択において、コストと長期的な経済性は重要な検討事項です。後打ち工法と先打ち工法を比較し、それぞれの経済的側面を詳しく見ていきましょう。

 

  1. 初期コスト

    後打ち工法。

    • 高耐候性シーリング材の使用により材料費が高い
    • 専門職人の雇用でコストが上昇
    • 工期延長による追加費用

    先打ち工法。

    • 一般的なシーリング材で済むため材料費が抑えられる
    • 塗装工事と同時進行で人件費を抑制
    • 工期が短いため仮設費用を削減
  2. メンテナンスコスト

    後打ち工法。

    • シーリング材の劣化が早いため、交換頻度が高い
    • シーリング材のみの交換が可能で部分補修コストが低い

    先打ち工法。

    • シーリング上の塗膜が保護層となり、交換頻度が低い
    • 塗膜割れ時の補修コストが高くなる可能性がある
  3. 長期的な経済性

    後打ち工法。

    • 初期コストは高いが、部分補修が容易
    • 美観維持による資産価値の保持

    先打ち工法。

    • 初期コストは低いが、大規模補修の可能性あり
    • 塗膜割れによる早期の再塗装リスク
  4. 耐用年数とライフサイクルコスト

    後打ち工法。

    • シーリング材の耐用年数:5〜10年
    • 外壁塗装の耐用年数:10〜15年
    • 部分補修を繰り返すことで全体の寿命を延ばせる

    先打ち工法。

    • シーリング材と塗装の耐用年数が同じ:10〜15年
    • 一括での大規模補修が必要になる可能性が高い
  5. 建物の価値への影響

    後打ち工法。

    • 美観維持による資産価値の安定
    • 部分補修の容易さがアピールポイントに

    先打ち工法。

    • 初期の美観は良いが、経年劣化で資産価値が低下する可能性
    • 大規模補修の必要性が売却時のネックに

コスト比較表。

項目 後打ち工法 先打ち工法
初期コスト 高い 低い
メンテナンス頻度 高い 低い
部分補修コスト 低い 高い
大規模補修リスク 低い 高い
長期的な経済性 安定 変動あり

結論として、後打ち工法は初期コストは高いものの、長期的には安定した経済性を示す傾向があります。一方、先打ち工法は初期コストは抑えられますが、将来的な大規模補修のリスクを考慮する必要があります。建物の使用計画や予算に応じて、最適な工法を選択することが重要です。