ポリマーコーティングとガラスコーティングの違いと特徴を徹底比較

ポリマーコーティングとガラスコーティングの違いと特徴を徹底比較

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ポリマーコーティングとガラスコーティングの違い

ポリマーコーティングとガラスコーティングの基本的な違い
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成分の違い

ポリマーコーティングは有機溶剤主体、ガラスコーティングは無機溶剤(シロキサン)主体で構成されています

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持続期間

ポリマーは3〜6ヶ月程度、ガラスは1〜5年程度と持続性に大きな差があります

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費用相場

ポリマーは2〜3万円程度、ガラスは5〜10万円程度と価格差があります

ポリマーコーティングの基本的な特徴と仕組み

ポリマーコーティングは、シリコンやフッ素などの有機化合物を主成分とした高分子化合物を使用したコーティング方法です。「ポリマー」とは高分子という意味で、身近な例ではプラスチックも高分子の一種です。車用のポリマーコーティングは、人工的に作られた高性能ワックスとも言えるもので、塗装面を保護する役割を果たします。
ポリマーコーティングの大きな特徴は、塗装内部に浸透していくタイプのコーティングであるという点です。コーティング被膜が硬化して塗装面に形成されるわけではなく、塗装面に浸透していくため、ガラスコーティングのような硬い被膜は形成しません。そのため、施工が比較的簡単で、DIYでも市販のスプレータイプのコーティング剤を使って手軽に施工できるのが魅力です。
施工費用も安価で、プロに依頼しても約2〜3万円程度と、ガラスコーティングの半値以下で施工することが可能です。ガソリンスタンドなどでも施工サービスを提供しているところが増えており、気軽に利用できるコーティング方法として人気があります。

ガラスコーティングの特徴と高い保護性能の秘密

ガラスコーティングは、シロキサンなどの無機溶剤を使用して塗装面にガラス状の被膜を形成させるコーティング方法です。実はガラスコーティングもポリマーコーティングの一種と言えますが、ガラス自体が無機質の高分子(ポリマー)であるため、製品名としての区別があります。
ガラスコーティングの最大の特徴は、塗装面に結晶化されたガラス状の被膜を形成する点です。この被膜は空気や水分と反応して徐々に高分子化し、ガラス状に固まりながら塗装面と結合・密着します。被膜の厚みは約0.3μ(ミクロン)程度で、この硬いガラス被膜が塗装を保護します。
ガラスコーティングの耐熱温度は700℃〜1000℃と非常に高く、50℃程度の熱で溶けてしまうポリマーコーティングとは大きく異なります。この高い耐熱性により、炎天下での駐車や高温の洗車機を使用しても、コーティング被膜が溶けて流れ落ちることがありません。
また、紫外線や酸性雨、鳥の糞などの化学物質からも塗装を守る効果が高く、長期間車の美観を保つための方法としては最適な選択肢と言えるでしょう。

ポリマーコーティングとガラスコーティングの持続性と耐久性の違い

持続性と耐久性は、ポリマーコーティングとガラスコーティングを比較する上で最も大きな違いの一つです。
ポリマーコーティングの持続期間は一般的に約3〜6ヶ月程度です。有機溶剤を主成分としているため、紫外線や熱による劣化を受けやすく、比較的短期間で効果が薄れてしまいます。特に夏場の炎天下では、50℃以上の熱でコーティングが溶けて雨によって流れ落ちてしまうこともあります。そのため、年に2回程度の再施工が必要となります。
一方、ガラスコーティングの持続期間は約1〜5年と長期間にわたります。無機溶剤を主成分とし、硬いガラス被膜を形成するため、紫外線や熱、化学物質などによる劣化を受けにくいのが特徴です。耐熱温度も700℃〜1000℃と非常に高く、通常の使用環境では熱によるダメージをほとんど受けません。
この持続性の違いは、長期的なコスト面でも大きな差となります。ポリマーコーティングは初期費用は安いものの、頻繁に再施工が必要なため、3年間で考えると6回の施工が必要になることもあります。一方、ガラスコーティングは初期費用は高いものの、3年間持続するタイプであれば1回の施工で済むため、トータルコストではガラスコーティングの方が経済的になる場合もあります。

メンテナンス性から見るポリマーコーティングとガラスコーティングの比較

日常のメンテナンス性においても、ポリマーコーティングとガラスコーティングには大きな違いがあります。
ガラスコーティングは硬いガラス被膜を形成するため、汚れがコーティング被膜の上に固着しても水洗いで簡単に落とすことができます。撥水性も高く、水滴が水玉のように流れ落ちるため、水垢がつきにくいのも特徴です。また、ガラス被膜が塗装面を覆っているため、汚れが塗装に浸透するのを防ぐ効果もあります。
一方、ポリマーコーティングは塗装内部に浸透するタイプのため、汚れも塗装面に浸透しやすい性質があります。また、油脂成分が多く含まれているため、油性の汚れが付着しやすく、洗車時の汚れ落ちもガラスコーティングに比べると劣ります。さらに、研磨剤が含まれる洗車用洗剤を使用すると、コーティング被膜が剥がれてしまう可能性もあります。
メンテナンス頻度についても、ポリマーコーティングは月に一度程度のメンテナンスが必要になることがありますが、ガラスコーティングは基本的に水洗いの洗車だけで十分なことが多いです。忙しい方や手間をかけたくない方にとっては、ガラスコーティングの方がメンテナンス性に優れていると言えるでしょう。

ポリマーコーティングとガラスコーティングの施工方法と外壁への応用

自動車だけでなく、外壁塗装の分野でもポリマーコーティングとガラスコーティングの技術が応用されています。それぞれの施工方法と外壁への応用について見ていきましょう。
ポリマーコーティングの施工方法は比較的シンプルです。まず、塗装面をきれいに洗浄し、水分や汚れを完全に除去します。その後、専用のコーティング剤を塗布し、乾燥させるという流れです。DIYでも施工可能で、市販のスプレータイプのコーティング剤を使えば、洗車後の水分拭き取りの際に吹きかけて拭き取るだけで施工できるものもあります。
外壁塗装におけるポリマーコーティングは、塗料に高分子化合物を配合することで、耐候性や防水性を高める効果があります。特に、アクリル系やウレタン系の塗料にポリマーを配合することで、外壁の保護性能を向上させることができます。
一方、ガラスコーティングの施工方法はより複雑で、プロの技術が必要です。まず、塗装面の下地処理が非常に重要で、不純物がないよう平滑にしっかりと下地作りをしてから施工する必要があります。下地処理が不十分だと、密着が悪くなり効果が短期間で失われてしまいます。
外壁塗装におけるガラスコーティングは、シリコン系やフッ素系の塗料にガラス成分を配合することで、超撥水性や防汚性、耐候性を大幅に向上させることができます。特に、外壁の北側など湿気がこもりやすい場所では、カビや藻の発生を抑制する効果も期待できます。
施工のコツとしては、ポリマーコーティング、ガラスコーティングともに、以下の点に注意することが重要です:

  1. 必ず洗浄後のきれいな状態で施工する
  2. 夏の暑い日や炎天下では施工しない
  3. 施工用の道具はきれいなものを使用する
  4. 施工後は十分に乾燥させる

外壁塗装業者としては、お客様の予算や建物の状況、求める効果などに応じて、ポリマーコーティングとガラスコーティングを適切に選択し、提案することが大切です。短期的なコストを重視するならポリマーコーティング、長期的な保護性能を重視するならガラスコーティングというように、それぞれの特性を理解した上で最適な提案をすることが求められます。

ポリマーコーティングとガラスコーティングのコスト比較と選び方

最後に、ポリマーコーティングとガラスコーティングのコスト比較と、どのような場合にどちらを選ぶべきかについて解説します。
【コスト比較】
ポリマーコーティングの費用相場は約2〜3万円で、ガラスコーティングは約5〜10万円と、初期費用には大きな差があります。しかし、長期的な視点で見ると、ポリマーコーティングは3〜6ヶ月ごとに再施工が必要なため、3年間で計算すると6回の施工で12〜18万円かかる可能性があります。一方、ガラスコーティングは3年持続するタイプであれば1回の施工で済むため、トータルコストでは5〜10万円で済む場合もあります。
以下に、3年間のトータルコストを比較した表を示します:

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コーティング種類 初期費用 持続期間 3年間の施工回数 3年間のトータルコスト
ポリマーコーティング 2〜3万円 3〜6ヶ月 6〜12回 12〜36万円
ガラスコーティング 5〜10万円 1〜5年 1〜3回 5〜30万円

【選び方のポイント】
それぞれのコーティングの特性を理解した上で、以下のポイントを考慮して選ぶとよいでしょう:

  1. 予算:短期的な予算を重視するならポリマーコーティング、長期的なコストパフォーマンスを重視するならガラスコーティングが適しています。
  2. 使用環境:屋外駐車が多く、紫外線や酸性雨、鳥の糞などの影響を受けやすい環境では、耐久性の高いガラスコーティングがおすすめです。一方、屋内駐車が多く、比較的環境の良い場所では、ポリマーコーティングでも十分な場合があります。
  3. メンテナンス頻度:こまめなメンテナンスができる方はポリマーコーティングでも問題ありませんが、忙しくてメンテナンスの時間が取れない方は、メンテナンス性の高いガラスコーティングが適しています。
  4. DIYか専門業者か:自分で施工したい方はポリマーコーティングが向いています。一方、プロの技術で確実な施工を望む方はガラスコーティングがおすすめです。
  5. 求める効果:光沢や撥水性、防汚性などを重視するなら、効果の高いガラスコーティングが適しています。一方、簡易的な保護効果で十分という方はポリマーコーティングでも良いでしょう。

外壁塗装業者としては、お客様のニーズや予算、建物の状況などをしっかりとヒアリングした上で、最適なコーティング方法を提案することが大切です。また、それぞれのコーティングのメリット・デメリットを正確に説明し、お客様が納得して選択できるようサポートすることが重要です。
ポリマーコーティングとガラスコーティングは、どちらが優れているというわけではなく、それぞれに特性があり、用途や予算に応じて使い分けることが大切です。お客様の大切な資産を長く美しく保つために、最適なコーティング方法を提案していきましょう。