細径lanケーブルコネクタ選定と施工のポイント

細径lanケーブルコネクタ選定と施工のポイント

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細径lanケーブルコネクタの施工方法

この記事でわかること
🔌
専用コネクタの選定

AWG28細径ケーブルに対応した適切なRJ45モジュラープラグの選び方

🛠️
圧着工具と施工手順

一般的なRJ45圧着工具での加工方法と配線時の注意事項

建築現場での実践ポイント

狭小スペースでの配線効率化と配線長の制限事項

細径lanケーブル用コネクタの種類と選定基準

建築現場で細径LANケーブルを使用する際、最も重要なのが専用コネクタの選定です。AWG28細径LANケーブルには、通常のRJ45コネクタではなく、細径専用に設計されたモジュラープラグが必要になります。
参考)https://www.monotaro.com/s/q-lan%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB%20%E7%B4%B0%E5%BE%84/

細径用コネクタは、Cat.5eとCat.6の両方に対応する共用タイプが主流で、導体径0.3mm程度のAWG28より線または単線に適合します。選定時には、使用するケーブルの規格(Cat.5e/Cat.6)、導体タイプ(単線/より線)、シールドの有無(UTP/STP)を確認する必要があります。
参考)NSP28B

コネクタ選びで注意すべきは、細径ケーブルの外径が通常品より約25〜32%細い3.7〜4.0mm程度であるため、専用設計のコネクタでないと適切に圧着できない点です。特に建築現場では、狭い配管内での施工が多いため、クリアブーツ付きタイプを選ぶと配線後の確認作業が容易になります。
参考)細径LANケーブル AWG28細径0.3-4P UTP Ca…

細径lanケーブルコネクタの圧着工具と加工手順

細径LANケーブルのコネクタ加工には、一般的なRJ45圧着工具が使用できますが、専用工具を使うとより確実な施工が可能です。日本製線のNST88やパンドウイット製MPT5-8ASなどが細径コネクタの圧着に適しています。
参考)NST88
​youtube​
加工手順は通常のLANケーブルとほぼ同様ですが、細径ケーブルならではの注意点があります。まず、ケーブル外皮を約30〜40mm剥いた後、内部の4対8芯を丁寧にほぐします。細い導体は傷つきやすいため、外皮剥き時にストリッパーの刃圧を調整することが重要です。youtube​
参考)CAT5eケーブルの自作方法(単線タイプ)|サンワサプライ株…

配線は、T568AまたはT568B規格に従って色を揃え、コネクタに挿入します。細径コネクタでは、ケーブルの外皮までしっかりとコネクタ内部に差し込むことで、抜け防止と機械的強度を確保します。圧着工具のラチェット機能を使い、完全に圧着が完了するまで握り込むことで、接触不良を防止できます。
参考)圧着工具href="https://e431.jp/shop/r/r01081012/" target="_blank">https://e431.jp/shop/r/r01081012/lt;工具・テスターの通販(e431 ネットで簡単いいし…

AWG28細径LANケーブルの実際の加工手順を動画で確認できます

細径lanケーブルの配線長制限と施工上の注意点

細径LANケーブルを建築現場で使用する際、配線長の制限を必ず守る必要があります。AWG28細径導体は通常のAWG24導体より抵抗値が高いため、PoE電源供給時には最大パーマネントリンク長が40m、PoE非使用時でも50mまでとなります。
参考)LANケーブルhref="https://e431.jp/shop/r/r01810002/" target="_blank">https://e431.jp/shop/r/r01810002/lt;LAN関連の通販(e431 ネットで簡単いい…

チャネル全体では、PoE使用時50m、非使用時60mが上限です。この制限を超えると、通信速度の低下や電力供給不足が発生するリスクがあります。特に建築物の階をまたぐ配線や広いフロアでの施工時には、配線経路を事前に測定し、制限内に収まるよう計画することが重要です。
参考)細いLANケーブルとは?特徴やメリットについて徹底解説!

施工時の物理的な注意点として、細径ケーブルは柔軟性が高い反面、引張強度が通常品より劣ります。配管内を通線する際、過度な引っ張りや急角度の曲げを避け、ケーブルへの負荷を最小限に抑える必要があります。また、ノイズ耐性も低下するため、電源ケーブルや蛍光灯との離隔距離を通常より大きく取ることが推奨されます。​

細径lanケーブルの建築現場での活用メリット

建築現場において細径LANケーブルを選択する最大のメリットは、配管スペースの効率化です。外径3.1〜4.5mmの細径ケーブルは、通常のCat.6ケーブル(外径6.4mm)と比較して断面積が約50%削減されるため、同じCD管内により多くのケーブルを収容できます。
参考)LANケーブル|製品情報|岡野電線株式会社

新築物件での情報分電盤からの配線や、既存建物へのネットワーク増設時に、細径ケーブルは特に有効です。壁内の狭い配管や天井裏での作業性が向上し、施工時間の短縮につながります。また、ケーブル自体が軽量なため、作業者の負担軽減にも貢献します。
参考)LANケーブルの壁内配線とは?作業手順や料金相場とあわせて解…

さらに、細径ケーブルの柔軟性は、曲げ半径が小さくて済むため、機器周辺の狭いスペースでの配線整理に適しています。サーバールームやネットワーク機器収納スペースなど、高密度配線が求められる場所で、配線の取り回しやすさと通気性の確保を両立できます。​

細径lanケーブルコネクタ施工の品質確保チェックポイント

建築事業者として細径LANケーブルの施工品質を確保するには、いくつかの検証ポイントがあります。まず、コネクタ圧着後は必ずケーブルテスターでワイヤマップ(配線順序)、長さ、リンク性能を確認します。​
透過式コネクタを使用した場合は、圧着前に目視で8本すべての芯線がコネクタ先端まで到達していることを確認できます。この確認により、圧着後の接触不良リスクを大幅に低減できます。圧着後は、コネクタを軽く引っ張り、ケーブル外皮がしっかり保持されているか機械的強度をチェックします。​
パーマネントリンクやチャネル測定を実施し、Cat.6規格の性能基準(ANSI/TIA-568.2-D、ISO/IEC 11801準拠)を満たしているか検証することも重要です。特に細径ケーブルは配線長制限があるため、測定値が規格内に収まっていることを必ず確認します。​
配線完了後は、施工記録として配線経路、使用したコネクタ型番、ケーブル長、テスト結果を文書化し、将来のメンテナンスや増設時に参照できるようにしておくことが望ましいです。これにより、建築物のネットワークインフラとして長期的な信頼性を担保できます。​