2個用スイッチボックス寸法一覧と選定ガイド

2個用スイッチボックス寸法一覧と選定ガイド

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2個用スイッチボックス寸法一覧

2個用スイッチボックス基本仕様
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標準寸法

長さ120mm×幅124mm×高さ50.5mmが業界標準

🔧
深型・浅型

用途に応じて高さが40.5mm~114mmまで選択可能

⚖️
重量

鋼板製で約0.5~0.6kg、樹脂製はより軽量

2個用スイッチボックス標準寸法表

建築現場で最も使用される2個用スイッチボックスの寸法は、JIS C8340規格に基づいて統一されています。パナソニック製品を基準とした標準寸法は以下の通りです。

 

基本寸法(標準型)

  • 長さ(L):120mm
  • 幅(W):124mm
  • 高さ(H):40.5mm(浅型)~50.5mm(深型)
  • 板厚:1.6mm
  • 質量:約510g~560g

深型仕様の詳細寸法
マサル工業製AB4122では、縦124mm×横126mm×高さ51mmとなっており、わずかな差異があります。これは製造公差とメーカー独自の設計思想によるものです。

 

特に注目すべきは、住宅用スイッチボックス深型の場合、長さ120mm×幅45mm×高さ114mmという縦長の形状を採用している点です。この寸法は壁内配線の制約に対応するため、奥行きを深くした設計となっています。

 

材質と重量の関係

  • 鋼板製:約500~600g
  • 耐衝撃性樹脂製:約300~400g
  • アルミ合金製:約400~500g

2個用スイッチボックス深型と浅型の寸法比較

現場での施工効率を左右する深型と浅型の選択は、寸法の違いを正確に把握することが重要です。

 

浅型(B・C共用型)の特徴

  • 高さ:40.5mm
  • 用途:薄壁での埋込み、表面配線
  • 配線容量:限定的
  • 施工性:取り付けが簡単

深型(A・B共用型)の特徴

  • 高さ:50.5mm~114mm
  • 用途:厚壁での埋込み、多線配線
  • 配線容量:豊富
  • 施工性:配線作業がしやすい

深型の中でも住宅用では高さ114mmの超深型が採用されており、これは分電盤からの幹線配線や、将来の配線増設に対応するためです。一般的な深型の51mmと比較すると2倍以上の容量を確保できます。

 

ノックアウト寸法の標準規格

  • G22(C25):φ25mm
  • G16(C19):φ19mm
  • 底面ノック:C39(φ38.8mm)

これらの寸法は電線管のサイズと直結しており、設計段階での検討が不可欠です。

 

2個用スイッチボックス埋込型と露出型の寸法差

施工方法によって要求される寸法精度が大きく異なるため、埋込型と露出型の寸法仕様を詳細に把握する必要があります。

 

埋込型の寸法特性
埋込型では外形寸法138mm×119mm×高さ44mmが標準です。ELPA製埋込スイッチボックスでは、耳付きタイプを採用し、壁面への確実な固定を実現しています。

 

  • 外形寸法:138mm×119mm
  • 埋込深さ:44mm
  • 耳部寸法:追加20mm×10mm
  • フランジ厚:2.0mm

露出型の寸法特性
露出型では配線管接続用のハブが追加されるため、全体寸法が大きくなります。

 

  • 本体寸法:120mm×124mm×50.5mm
  • ハブ部追加:φ30mm×長さ25mm
  • 総重量:約600g~800g

特殊用途向け寸法
未来工業の塗代カバー不要タイプでは、器具直付けが可能な設計となっており、従来品より5mm程度薄型化を実現しています。これにより、限られたスペースでの施工が可能です。

 

環境対応と寸法の関係
屋外使用や湿気の多い環境では、防水処理のためのパッキン分だけ寸法が大きくなる場合があります。標準寸法に対して2~3mm程度の余裕を見込んだ設計が推奨されます。

 

2個用スイッチボックス施工時の寸法注意点

実際の施工現場では、図面上の寸法と現実の制約により、様々な問題が発生します。経験豊富な電気工事士が最も注意を払う寸法関連の要点を解説します。

 

壁厚との適合性
住宅の壁厚は90mm~120mmが一般的ですが、スイッチボックスの埋込深さとの兼ね合いで、以下の点に注意が必要です。

  • 石膏ボード12.5mm + 断熱材 + 構造材の厚み
  • 配線スペースとして最低30mmの余裕確保
  • 反対側への貫通防止

配線管径との整合性
ノックアウト寸法と実際の配線管径の関係は、現場での加工精度に直結します。

  • PF管16mm → G16ノックアウト使用
  • PF管22mm → G22ノックアウト使用
  • CD管の場合は専用アダプター必要

隣接器具との離隔距離
2個用スイッチボックスを複数設置する際の最小離隔距離は、配線の取り回しを考慮して150mm以上確保することが実務上の標準です。

 

温度変化による寸法変動
鋼板製ボックスでは、季節による温度変化で約0.1~0.2mmの寸法変動が発生します。精密な位置決めが必要な場合は、この変動を考慮した施工が必要です。

 

2個用スイッチボックス選定時の特殊寸法要件

一般的な寸法規格では対応できない特殊な施工条件における、寸法選定の判断基準について詳しく解説します。これらの知識は、現場での問題解決能力を大幅に向上させます。

 

高密度配線エリアでの寸法最適化
サーバールームや制御盤周辺では、限られたスペースに多数のスイッチボックスを配置する必要があります。

  • 最小ピッチ:100mm(器具間隔)
  • 推奨ピッチ:150mm(メンテナンス性考慮)
  • 垂直配列時の上下間隔:200mm以上

耐震対策と寸法の関係
地震多発地域では、スイッチボックスの固定強度確保のため、取り付け穴の配置が重要になります。

  • 標準4点固定:対角120mm間隔
  • 強化6点固定:追加穴間隔60mm
  • ベース厚み:2.0mm以上推奨

省エネ基準対応の寸法要件
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様では、断熱性能確保のため特殊な寸法要件があります。

  • 断熱欠損防止:埋込深さ40mm以下
  • 気密性確保:専用パッキン付きタイプ使用
  • 熱橋防止:樹脂製ボックス推奨

将来拡張性を考慮した寸法選定
IoT機器の普及により、従来より多くの配線が必要になる傾向があります。

  • 余裕率:計画配線数の150%
  • 予備配管:16mm管1本以上
  • アクセス性:点検口から300mm以内

コスト最適化と寸法の関係
材料費削減のため、過剰仕様を避けつつ必要性能を確保する寸法選定。

  • 標準品優先:特注品は単価が30~50%上昇
  • 共通化推進:同一物件内での仕様統一
  • 施工性重視:作業時間短縮による労務費削減

これらの特殊要件を満たすためには、メーカーとの事前協議や、現場での試験施工が有効です。特に大規模プロジェクトでは、仕様決定前の検証作業が後のトラブル防止に大きく寄与します。

 

露出スイッチボックスの詳細仕様と選定方法について