
2個用スイッチボックス深型は、建築現場で最も多用される規格の一つです。パナソニック製の標準的な深型タイプでは、長さ120mm、幅124mm、高さ50.5mmの寸法となっており、重量は約0.51kgから0.56kgの範囲となります。
深型の主な特長として、以下の仕様が挙げられます。
深型タイプは配線器具の取り付けに十分な奥行きを確保しており、T16・CD16用として設計されています。セパレータ付きのタイプでは、木ねじ2本も付属しており、施工の効率化を図ることができます。
また、探知用アルミ箔付きの製品もあり、配線の位置確認が容易になる工夫が施されています。これは建築現場での安全性向上に寄与する重要な機能です。
マサル工業製のAB4122深型タイプでは、縦124×横126×高さ51mmの寸法で、重量600gとなっており、取付け用ねじ穴(φ5)が4穴設けられています。
埋込型の2個用スイッチボックスは、壁面への設置において重要な選択肢となります。代表的な埋込型の寸法規格は、外形寸法138×119mm、高さ44mm、板厚1.6mmとなっており、質量は0.56kgです。
埋込型の主要な規格特徴。
埋込型は壁内配線での使用を前提としており、カバー付きタイプでは施工後の保護機能も備えています。マンセル値による色指定が行われており、建築物の内装色との調和を図ることが可能です。
モール対応の埋込型では、1~3号モールに適合する兼用ノック付きで、壁に寄せて配線できるようサイドノックも設けられています。ナット部が脱着式のため、既設のスイッチボックスの上に取り付けることも可能な設計となっています。
露出型の2個用スイッチボックスは、配線器具の収納設置において特殊な用途に対応します。露出型には1方出と2方出の2種類があり、電源の派生配線の必要性に応じて選定します。
露出型の主要特長。
露出型は電線や通信線の大きさによってビニール電線管のサイズを変更できる柔軟性があります。配線モール用、ビニール電線管用、合成樹脂製可動管用の3タイプが主流となっており、使用環境に応じた選択が可能です。
PF管用の露出スイッチボックスでは、皿小ねじ(M4×12)4本が付属し、色はウォームグレイ(10Y5/1)のマンセル値指定となっています。配線器具を取り付けるピッチはすべて同じ規格のため、選定時に互換性を気にする必要がありません。
2個用スイッチボックスの材質選定は、使用環境と耐久性要求に基づいて行う必要があります。主要な材質タイプと選定基準は以下の通りです。
鋼板製タイプ。
樹脂製タイプ。
選定時の重要なポイントは使用環境の湿度、温度変化、機械的負荷です。屋外や湿気の多い場所では鋼板製の電気亜鉛めっき仕上げが推奨され、内装工事では樹脂製も選択肢となります。
また、JIS C8340規格への適合確認は必須であり、PS E規格対応製品を選択することで電気用品安全法への確実な対応が可能になります。色については、建築物の内装色との調和を考慮し、ウォームグレイ、ホワイト、グレーから選定します。
2個用スイッチボックスの設置施工において、品質と効率を両立させるコツがあります。経験豊富な電気工事士が実践している施工技術をご紹介します。
施工前の準備段階。
設置時の技術ポイント。
配線作業での注意点。
1~4号モール適合タイプでは、兼用ノックアウトの選択に注意が必要です。壁ぎわ配線では、サイドノックアウトを活用することで美観を保持できます。
既設ボックス交換時は、ナット部脱着式の特長を活用し、配線を活かしたまま作業することで工期短縮が可能です。また、3分スタット付きタイプでは、スタットを使用する際の配線経路確保が重要なポイントとなります。
品質確保のため、設置後は器具取付ねじの締付け確認、ボックスの水平・垂直確認、配線の損傷チェックを必ず実施します。これらの基本的な確認作業により、長期間にわたって安全で安定した電気設備を提供できます。