アロンウオール 外壁塗装 防水性能で建物寿命を延ばす工法

アロンウオール 外壁塗装 特徴と効果

アロンウオールは、アクリルゴム系防水型外壁用塗料として、建物の外壁を長期間にわたって保護する高性能な塗装システムです。一般的な外壁塗装材と比較して、その特徴的な性質から多くの建物オーナーや施工業者から高い評価を得ています。

 

アロンウオールの最大の特徴は、その優れた防水性能と耐久性にあります。アクリルゴムの高い弾性力により、建物の動きや温度変化によって生じるクラックに対しても追従性が高く、長期間にわたって防水機能を維持します。これにより、雨水の侵入を防ぎ、建物内部の劣化を抑制する効果があります。

 

また、アロンウオールは塗膜の厚さが約1mmとなり、これはコンクリートのかぶり約5mに相当する保護効果があるとされています。この厚い塗膜が外部からの炭酸ガスや塩化物イオンの侵入を防ぎ、コンクリートの中性化や鉄筋の腐食を防止します。

 

アロンウオール 外壁塗装の防水性能と耐久性

アロンウオールの最も重要な特性は、その卓越した防水性能です。アクリルゴム系の塗料として、従来の塗料と比較して格段に高い防水効果を発揮します。一般的な外壁用塗料の樹脂量が20～35%程度であるのに対し、アロンウオールは56%という高い樹脂含有量を誇ります。これにより、塗膜の柔軟性と耐久性が大幅に向上しています。

 

アロンウオールの塗膜は、外壁に生じる0.7mm幅のひび割れに対しても追従し、破断しにくい特性を持っています。これは、建物が経年変化や地震などで微細なクラックが発生した場合でも、塗膜が破れることなく防水機能を維持できることを意味します。

 

耐久性の面では、アロンウオールは10～15年経過後も初期の伸び量の60～70％を保持するという驚異的な性能を示しています。一般的な外壁塗装材が経年とともに硬化し、伸縮性を失っていくのに対し、アロンウオールは長期間にわたって柔軟性を維持します。これは可塑剤を含まないアクリルゴム独自の特性によるものです。

 

実際の施工事例では、14年経過後の同一建物での比較において、一般的な外壁塗装材が下地のひび割れに追従できず破断しているのに対し、アロンウオールは破断せずに機能を維持していることが確認されています。

 

アロンウオール 外壁塗装によるコンクリート劣化防止効果

アロンウオールの重要な役割の一つに、コンクリートの劣化防止効果があります。コンクリート構造物の劣化は主に「中性化」と呼ばれる現象によって進行します。これは大気中の二酸化炭素（炭酸ガス）がコンクリート内部に侵入し、アルカリ性であるコンクリートを中性化させる現象です。中性化が進むと、内部の鉄筋が腐食し始め、構造物の耐久性が低下します。

 

アロンウオールは1mm厚の塗膜でコンクリートのかぶり約5mに相当する保護効果を発揮します。この塗膜が炭酸ガスの侵入を効果的に遮断し、コンクリートの中性化を長期間にわたって防止します。

 

さらに注目すべき点として、アロンウオールには「中性化復元効果」があります。ある実例では、築後23年経過した建物にアロンウオールを施工したところ、施工時点で21mmまで進行していた中性化深さが、6年後には1mmまで回復したという驚くべき結果が報告されています。これは、アロンウオールの塗膜がコンクリート内部のアルカリ性を復元する効果があることを示しています。

 

また、アロンウオールはコンクリートだけでなく、ALC（軽量気泡コンクリート）パネルの劣化防止にも効果を発揮します。ALCは多孔質な素材であるため、水分や炭酸ガスが侵入しやすく、劣化が進行しやすい特性があります。アロンウオールはALCパネルの表面を緻密に覆い、炭酸化、塩害、凍害などによる劣化を効果的に防止します。

 

アロンウオール 外壁塗装の施工方法と工期

アロンウオールの施工は、その高い性能を最大限に引き出すために、専門的な知識と技術が必要です。基本的な施工手順は以下の通りです。

 

1. 下地調査と補修: まず外壁の状態を詳細に調査し、クラックや浮き、剥離などの損傷箇所を特定します。必要に応じて、エポキシ樹脂注入やモルタル補修などの下地処理を行います。

    

2. 下塗り（プライマー）: 下地との密着性を高めるためのプライマーを塗布します。下地の種類や状態によって適切なプライマーを選択します。

    

3. 中塗り（主材）: アロンウオールの主材を塗布します。通常、吹き付け工法で1.7～2.0kg/㎡の塗布量で施工します。

    

4. 上塗り（トップコート）: 耐候性や意匠性を高めるためのトップコートを塗布します。アロン水性スーパーカラーsiなどが使用されます。

    

アロンウオールの乾燥時間は、外気温25℃の場合で24時間以上必要とされています。そのため、全体の工期は建物の規模や気象条件によって変動しますが、一般的な住宅の場合、準備から完了まで1～2週間程度を見込む必要があります。

 

施工時の注意点として、気温が5℃以下の場合や湿度が85%以上の場合、雨天時や強風時には施工を避けるべきです。これらの条件下では塗膜の形成や乾燥に悪影響を及ぼし、本来の性能を発揮できない可能性があります。

 

また、アロンウオールは専門の施工技術を要するため、アロンコート・アロンウオール防水工事業協同組合の会員など、認定を受けた専門業者による施工が推奨されています。これにより、塗膜に対して最長10年間の保証が付与されるケースもあります。

 

アロンウオール 外壁塗装のコストと費用対効果

アロンウオールの設計価格は、工法によって異なりますが、NEO工法で5,400円/㎡、STM工法で7,400円/㎡程度とされています。一般的な外壁塗装と比較すると、初期コストは高めに設定されています。

 

しかし、アロンウオールの真の価値は、その長期的な費用対効果にあります。通常の外壁塗装が5～7年程度で再塗装を検討する必要があるのに対し、アロンウオールは10年以上の耐久性を持ち、場合によっては15年以上にわたって性能を維持します。

 

例えば、一般的な外壁塗装を7年ごとに行うケースと比較すると、14年間で2回の塗装が必要になります。一方、アロンウオールは14年間で1回の施工で済む可能性が高く、トータルコストでは優位性が出てくる場合があります。

 

さらに、アロンウオールによる建物保護効果を考慮すると、その価値はさらに高まります。コンクリートの中性化防止や雨水侵入防止によって、建物の大規模修繕や構造補強の必要性が減少し、建物のライフサイクルコスト全体を削減できる可能性があります。

 

特に、大型工場や公共施設、マンションなどの大規模建築物では、修繕費用の削減効果が大きく、初期投資の回収が見込みやすくなります。建物の資産価値維持の観点からも、アロンウオールの採用は検討に値するでしょう。

 

アロンウオール 外壁塗装と他工法との比較分析

外壁塗装には様々な工法や材料がありますが、アロンウオールと他の代表的な外壁塗装工法を比較してみましょう。

 

アクリル系塗料との比較
一般的なアクリル系塗料は、コストが低く、施工性に優れるというメリットがあります。しかし、耐久性はアロンウオールに大きく劣り、5～7年程度で再塗装が必要になることが多いです。防水性能も限定的で、クラックへの追従性も低いため、建物保護という観点では効果が限られます。

 

シリコン系塗料との比較
シリコン系塗料は、耐候性や耐汚染性に優れ、8～10年程度の耐久性を持ちます。しかし、アロンウオールのような高い弾性や防水性能は持ち合わせておらず、クラックへの追従性も限定的です。コンクリートの中性化防止効果も、アロンウオールほど高くありません。

 

フッ素系塗料との比較
フッ素系塗料は、耐候性や耐久性に非常に優れ、15年以上の長期耐久性を持つことがあります。しかし、弾性や防水性能はアロンウオールに劣り、主に美観維持を目的とした塗料です。また、コストも非常に高く、一般的な建物への適用は限られています。

 

ウレタン防水との比較
ウレタン防水は、アロンウオールと同様に高い防水性能を持ちますが、紫外線による劣化が比較的早く、耐久性はアロンウオールに劣ります。また、施工時の環境条件に敏感で、施工品質のばらつきが生じやすい傾向があります。

 

アロンウオールの最大の特徴は、高い防水性能と弾性を長期間維持できる点にあります。特に、コンクリートの中性化防止効果や、クラックへの追従性は他の工法を大きく上回ります。初期コストは高めですが、長期的な建物保護効果を考慮すると、特にALC外壁や大規模建築物において優れた選択肢となります。

 

一方で、意匠性や色彩の豊富さという点では、他の塗料に劣る面もあります。そのため、建物の用途や求める性能、予算に応じて、最適な外壁塗装工法を選択することが重要です。

 

アロンウオールの詳細な製品情報と施工事例についての参考リンク
アロンウオールは、その高い防水性能と耐久性から、特に大型工場や公共施設、マンションなどの大規模建築物に適した外壁塗装システムです。一般的な外壁塗料と比較して初期コストは高めですが、長期的な建物保護効果と維持管理コストの削減を考慮すると、多くの場合で費用対効果に優れた選択肢となります。

 

特に注目すべき点は、コンクリートの中性化防止効果と中性化復元効果です。これにより、既存の建物の寿命を大幅に延ばすことが可能となり、建物の資産価値維持に大きく貢献します。また、ALC外壁の保護にも優れた効果を発揮し、目地部分を含めた連続被覆により、建物全体の防水性能を高めます。

 

施工に際しては、認定を受けた専門業者による適切な施工が重要です。これにより、アロンウオールの性能を最大限に引き出し、長期間にわたって建物を保護することができます。建物の長寿命化と維持管理コストの削減を目指す建物オーナーにとって、アロンウオールは検討に値する優れた外壁塗装システムと言えるでしょう。