ウレタン防水と外壁塗装の施工手順と費用相場

ウレタン防水と外壁塗装の施工手順と費用相場

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ウレタン防水と外壁塗装

ウレタン防水工事の基本情報
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耐用年数

約10年(トップコートは約5年で塗り替え推奨)

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費用相場

密着工法:5,000〜10,000円/㎡、メッシュ工法:6,000〜11,000円/㎡、通気緩衝工法:7,000〜12,000円/㎡

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工期目安

密着工法:約3日間、メッシュ工法:約1週間、通気緩衝工法:1〜2ヶ月

ウレタン防水の特徴とメリット・デメリット

ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。この工法は外壁塗装と組み合わせることで建物の保護性能を大幅に高めることができます。

 

【メリット】

  • 継ぎ目のない均一な防水層が形成できる
  • 様々な形状の場所にも柔軟に対応可能
  • 軽量で建物への負担が少ない
  • 他の防水材の上からも施工できる
  • 外壁塗装と組み合わせることで相乗効果が得られる
  • 比較的コストパフォーマンスが高い(平均4,500円~5,500円/㎡)

【デメリット】

  • 施工技術によって品質が左右される
  • 乾燥に時間がかかるため、人の往来が多い場所には不向き
  • 紫外線に弱いためトップコートが必要
  • 完全に硬化するまで時間がかかる

ウレタン防水は特に陸屋根やベランダ、バルコニーなど水が溜まりやすい場所に適しています。外壁塗装と同時に行うことで、建物全体の防水性能を高め、雨漏りなどのトラブルを未然に防ぐことができます。

 

ウレタン防水の3つの工法と施工手順

ウレタン防水には主に3つの工法があり、それぞれ適した場所や特徴が異なります。施工場所や建物の状態に合わせて最適な工法を選ぶことが重要です。

 

1. 密着工法
戸建て住宅のベランダなどに適したスタンダードな工法です。

 

施工手順。

  1. 高圧洗浄で下地の汚れを除去
  2. プライマー(接着剤)を塗布
  3. ウレタン防水材を1回目塗布
  4. ウレタン防水材を2回目塗布(十分な乾燥後)
  5. トップコートを塗布して完成

特徴:軽量で建物への負担が少なく、比較的安価。工期も短く、戸建住宅のベランダなら約3日間で完了します。

 

2. メッシュ工法
陸屋根やベランダに適した、メッシュシートを使用する工法です。

 

施工手順。

  1. 高圧洗浄で下地の汚れを除去
  2. プライマー(接着剤)を塗布
  3. メッシュシートを貼り付け
  4. ウレタン防水材を1回目塗布
  5. ウレタン防水材を2回目塗布
  6. トップコートを塗布して完成

特徴:メッシュシートにより揺れや衝撃に強くなり、耐久性が向上します。工期は戸建住宅の陸屋根で約1週間程度です。

 

3. 通気緩衝工法
マンションの屋上や古い建物に適した、湿気を逃がす機能を持つ工法です。

 

施工手順。

  1. 高圧洗浄で下地の汚れを除去
  2. ドレン(排水溝)取り付け
  3. 下地補修(ひび割れ処理など)
  4. プライマー(接着剤)を塗布
  5. 通気緩衝シートを貼り付け
  6. ジョイントテープで接合部を処理
  7. テープ上に防水材を塗布
  8. 立ち上がり部分にメッシュシート貼り付け
  9. 立ち上がり部分に防水材塗布
  10. 脱気筒部分の通気緩衝シートをカット
  11. 脱気筒を取り付け
  12. 全体に防水材を2回塗り
  13. トップコートを塗布して完成

特徴:湿気の逃げ道があるため、水分によるふくれが起こりにくく、雨漏りが発生しているような場所にも施工可能です。大型マンションの屋上などでは工期が1~2ヶ月程度かかります。

 

各工法とも、最終工程でトップコートを塗布することで紫外線からウレタン防水層を保護し、耐久性を高めています。

 

ウレタン防水のトップコートの重要性と種類

ウレタン防水において、トップコートは単なる仕上げではなく、防水層を保護する重要な役割を担っています。

 

トップコートの役割

  • 紫外線からウレタン防水層を保護
  • 防水層の劣化を防止
  • 美観の維持
  • 防水層の耐久性向上
  • 滑り止め効果の付与(必要に応じて)

トップコートの種類

  1. ウレタントップコート
    • 特徴:ウレタン防水との相性が良く、一般的に使用される
    • 耐久性:中程度(約5年)
    • 用途:一般的なベランダや屋上
  2. アクリルトップコート
    • 特徴:速乾性があり、臭いが少ない
    • 耐久性:やや短い(約3~4年)
    • 用途:短期間での施工が必要な場所
  3. シリコントップコート
    • 特徴:高い耐候性と耐久性
    • 耐久性:長い(約7~8年)
    • 用途:厳しい環境下にある屋上など
  4. フッ素トップコート
    • 特徴:最高レベルの耐候性と耐久性
    • 耐久性:非常に長い(約10年以上)
    • 用途:高級住宅や商業施設など

トップコートの塗り替え時期は、一般的には5年程度が目安とされています。色あせや変色が見られたら、防水層の劣化が進む前に塗り替えを検討しましょう。

 

また、滑り止め効果が必要な場合は、トップコートに滑り止め材(骨材)を混ぜることで、雨の日でも滑りにくい表面に仕上げることができます。特に高齢者がいる家庭や、子どもが遊ぶベランダなどでは検討する価値があります。

 

ウレタン防水と外壁塗装の費用相場と耐用年数

ウレタン防水と外壁塗装を効果的に組み合わせるためには、それぞれの費用相場と耐用年数を理解しておくことが重要です。

 

ウレタン防水の費用相場
工法によって費用は異なります。

  • 密着工法:5,000~10,000円/㎡
  • メッシュ工法:6,000~11,000円/㎡
  • 通気緩衝工法:7,000~12,000円/㎡

※10㎡以上の場合の目安。材料費の高騰や施工場所、面積などによって変動します。

 

外壁塗装との組み合わせ例(30坪の住宅の場合)

  • 外壁塗装のみ:80~150万円
  • 外壁塗装+ベランダウレタン防水(密着工法・10㎡):+5~10万円
  • 外壁塗装+陸屋根ウレタン防水(メッシュ工法・20㎡):+12~22万円

耐用年数
ウレタン防水の耐用年数は約10年とされていますが、トップコートは約5年で塗り替えが推奨されています。一方、外壁塗装の耐用年数は塗料によって異なります。

  • アクリル塗料:6~8年
  • ウレタン塗料:8~10年
  • シリコン塗料:10~15年
  • フッ素塗料:15~20年

外壁塗装とウレタン防水を同時に行うことで、工事の重複を避け、足場代などの共通費用を節約できるメリットがあります。また、両方の施工時期を合わせることで、建物全体のメンテナンスサイクルを効率化できます。

 

メンテナンス計画を立てる際は、外壁塗装とウレタン防水の耐用年数を考慮し、トップコートの塗り替えなどの中間メンテナンスも計画に入れておくことをおすすめします。

 

ウレタン防水施工における優良業者の見極め方

ウレタン防水の品質は施工業者の技術力に大きく左右されます。失敗しない業者選びのポイントを紹介します。

 

1. 現地調査を丁寧に行う業者を選ぶ
優良な業者は必ず現地調査を行い、以下の点を確認します。

  • 既存の防水層の状態
  • 下地の劣化状況
  • 雨漏りの有無と原因
  • 適切な工法の提案

写真や図面だけでなく、実際に現場を見て詳細な見積もりを作成してくれる業者を選びましょう。

 

2. 施工過程の透明性が高い業者を選ぶ
良い業者の特徴。

  • 作業工程ごとの写真記録を提供
  • 作業日誌で進捗を報告
  • 使用材料の詳細を開示
  • 施工中の問題点があれば迅速に報告

ウレタン防水は見た目だけでは品質を判断しにくいため、施工過程の透明性は非常に重要です。

 

3. 保証内容が明確な業者を選ぶ
信頼できる業者は以下のような保証を提供します。

  • 施工保証期間が明確(一般的に5~10年)
  • 保証書の内容が具体的
  • アフターフォロー体制が整っている
  • 無料点検サービスがある

4. 実績と評判を確認する

  • 施工実績が豊富か
  • 同様の工事の施工例を見せてもらえるか
  • 口コミや評判はどうか
  • 資格や認定を持っているか

5. 見積もり内容が詳細な業者を選ぶ
良い見積もりの特徴。

  • 使用材料のメーカーや品番が明記されている
  • 工程ごとの作業内容と費用が分かれている
  • 追加工事が発生する可能性のある箇所が明示されている
  • 保証内容が記載されている

複数の業者から見積もりを取り、内容を比較することで適正価格と詳細な工事内容を把握できます。極端に安い見積もりには注意が必要です。手抜き工事や追加費用の発生リスクがあります。

 

優良業者を選ぶことで、ウレタン防水の性能を最大限に引き出し、建物を長期間保護することができます。

 

ウレタン防水と外壁塗装の同時施工のメリットと注意点

ウレタン防水と外壁塗装を同時に行うことには、多くのメリットがありますが、いくつかの注意点も存在します。ここでは、同時施工のメリットと注意すべきポイントを詳しく解説します。

 

同時施工のメリット

  1. コスト削減効果
    • 足場設置費用の節約(約15~25万円)
    • 養生作業の一本化による人件費削減
    • まとめて施工することによる割引が適用されることも
  2. 工期の短縮
    • 別々に行うよりも全体の工期が短くなる
    • 生活への影響期間を最小限に抑えられる
  3. 総合的な防水性能の向上
    • 外壁と屋上・ベランダの防水が同時に更新されることで、建物全体の防水性能が向上
    • 雨漏りリスクの大幅な低減
  4. メンテナンスサイクルの一元化
    • 外壁とウレタン防水の次回メンテナンス時期を揃えやすくなる
    • 長期的なメンテナンス計画が立てやすくなる

同時施工の注意点

  1. 施工順序の重要性
    • 一般的には「上から下へ」の原則で施工
    • 屋上・ベランダのウレタン防水を先に行い、その後に外壁塗装を実施するのが基本
    • 順序を間違えると、外壁塗装に防水材が飛散するリスクがある
  2. 天候による影響
    • ウレタン防水は湿度や温度の影響を受けやすい
    • 外壁塗装も適切な気象条件が必要
    • 両方の条件を満たす施工時期の選定が重要
  3. 業者の専門性
    • 外壁塗装とウレタン防水の両方に精通した業者を選ぶ必要がある
    • 片方だけを得意とする業者に依頼すると、もう片方の品質が低下するリスクも
  4. トータルコストの増加
    • 同時施工によるコスト削減効果はあるものの、一度の支出額は大きくなる
    • 予算計画をしっかり立てておく必要がある
  5. 施工不良のリスク
    • 工期短縮を優先するあまり、乾燥時間を十分に取らないなどの問題が生じる可能性
    • 信頼できる業者選びが特に重要になる

同時施工を検討する際は、これらのメリットと注意点を踏まえ、信頼できる業者と十分な打ち合わせを行うことが成功の鍵となります。特に、施工順序や天候条件については、専門家の意見を聞きながら最適なタイミングで実施することをおすすめします。

 

ウレタン防水の耐久性を高めるメンテナンス方法

ウレタン防水の寿命を最大限に延ばし、外壁塗装との相乗効果を高めるためには、適切なメンテナンスが欠かせません