アトレーヌ水性防水材で屋上ベランダの防水工事を施工

アトレーヌ水性防水材の特徴と施工方法

アトレーヌ水性防水材は、アトミクス株式会社が開発した環境と性能を両立させた水性防水材です。コンクリートやモルタルを漏水や劣化から守るための防水塗料として、建築物の屋上やベランダ、バルコニーなどの防水工事に広く使用されています。

 

この製品は、従来の無溶剤タイプと同等以上の性能を持ちながら、環境への配慮も徹底されています。特に、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレンを含まない環境対応型である点が大きな特徴です。日本塗料工業会に登録されており（登録番号：A03108）、ホルムアルデヒド放散等級はF☆☆☆☆を取得しています。

 

アトレーヌ水性防水材の環境対応型としての優位性

アトレーヌ水性防水材の環境対応型としての優位性は、以下の点に集約されます。

 

1. 水性一液無鉛でトルエン・キシレンを含まない
2. ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆を取得
3. 特定化学物質予防規則に対応しており作業者の安全性を確保
4. 非危険物のため火気や保管・運搬の問題がない

これらの特性により、施工現場での作業者の健康被害リスクを大幅に低減できます。また、建物の居住者にとっても、有害物質による室内空気汚染の心配が少ないというメリットがあります。

 

環境配慮型の建材へのニーズが高まる中、アトレーヌ水性防水材はSDGsの観点からも評価されています。特に、目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標12「つくる責任つかう責任」に貢献する製品として注目されています。

 

グリーン購入法に関する環境省の情報（環境配慮型建材の基準について詳しく解説）

アトレーヌ水性防水材の施工手順とコンクリート下地の準備

アトレーヌ水性防水材を効果的に施工するためには、適切な下地処理と正確な施工手順の遵守が不可欠です。標準的な施工手順は以下の通りです。

 

【下地処理】

1. 表層の劣化部分をサンディングまたはブラッシング等で除去
2. 清掃（土、泥、埃等を取り除く）
3. クラック・入り隅部分の処理（アトムウレタンプライマー塗布後、速乾一液ウレタンシーリングで埋める）
4. 目地処理（目地材を撤去し、アトムウレタンプライマーを塗布後バックアップ材を挿入し、速乾一液ウレタンシーリングを充填）

【施工工程】

1. プライマー塗布：ベストシーラーK+Kパウダー（0.17〜0.25kg/m²）
2. 下塗り：アトレーヌ水性防水材（0.15〜0.20kg/m²）
3. 中塗り：アトレーヌ水性防水材（0.35〜0.45kg/m²）
4. 上塗り：アトレーヌ水性防水材（0.35〜0.45kg/m²）
5. トップコート：アトレーヌ水性トップSG（0.15〜0.20kg/m²）

特にコンクリート下地の場合、アルカリ性が強いため、中性化が十分に進んでいない新設コンクリートでは、塗膜の密着性や耐久性に影響を与える可能性があります。そのため、新設コンクリートの場合は打設後少なくとも1ヶ月以上経過してから施工することが推奨されています。

 

また、下地の含水率も重要なポイントです。湿気計などを使用して、含水率が8%以下であることを確認してから施工を開始することが望ましいでしょう。

 

アトレーヌ水性防水材の屋上ベランダへの適用メリット

屋上やベランダは、常に雨風にさらされる過酷な環境にあります。アトレーヌ水性防水材は、このような環境下でも優れた防水性能を発揮し、建物を保護します。具体的なメリットは以下の通りです。

 

1. 優れた遮熱性：水性トップSGとアトレーヌ水性防水材ホワイトの組み合わせにより、ウレタン塗膜防水材に比べ表面温度を15℃（当社比較）下げることができます。これにより、夏場の室内温度上昇を抑制し、冷房効率の向上にも貢献します。

    

2. 緩復元性：緩やかな伸縮性を有しており、下地の防水層を痛めないため、シート防水の改修に最適です。建物の微細な動きに対応し、ひび割れを防止します。

    

3. 耐候性：特殊アクリル樹脂を使用しているため、紫外線や雨風による劣化に強く、長期間にわたって防水性能を維持します。

    

4. メンテナンス性：ウレタン防水と違い、トップコートが劣化しても定期的な塗り替えの必要がありません（ただし、遮熱効果や美観維持を継続する場合は塗り替えが必要）。

    

屋上やベランダの防水は、建物全体の寿命に大きく影響します。特に、雨漏りが発生すると、内部構造材の腐食や室内の壁・天井の劣化、カビの発生など、二次的な被害が拡大するリスクがあります。アトレーヌ水性防水材による適切な防水処理は、これらのリスクを大幅に低減し、建物の資産価値を維持することに貢献します。

 

国土交通省による住宅の長寿命化に関する情報（適切な防水処理の重要性について言及）

アトレーヌ水性防水材の工期短縮効果とコスト削減

建設現場において工期短縮は、コスト削減と顧客満足度向上の両面で重要な要素です。アトレーヌ水性防水材は、その特性により大幅な工期短縮を実現します。

 

従来のウレタン防水は4工程で3日かかるのに対し、アトレーヌ水性防水材は乾燥性に優れた特殊アクリル樹脂を使用しているため、5工程でも1日で完了します（23℃・湿度50%の条件下）。この工期短縮効果は、特に改修工事や急ぎの工事において大きなメリットとなります。

 

具体的な工期短縮のポイントは以下の通りです。

1. 一液タイプ：二液タイプのように混合作業が不要で、硬化不良や可使時間を気にする必要がありません。

    

2. 速乾性：特殊アクリル樹脂の採用により、塗装間隔が短縮されています。

    

3. 作業性：ローラーで容易に施工でき、特殊な技術や道具が不要です。

    

工期短縮によるコスト削減効果は、以下の要素から算出できます。

• 人件費削減：作業日数の短縮により、人件費を約50〜60%削減可能
• 仮設費削減：足場などの仮設物の設置期間短縮によるコスト削減
• 機材レンタル費削減：機材のレンタル期間短縮によるコスト削減

また、工期短縮は天候不良のリスク軽減にもつながります。特に雨季や不安定な気候の時期における工事では、工期が短いほど天候による中断リスクが低減されます。

 

さらに、ライフサイクルコストの観点からも優れています。耐候性に優れた特殊アクリル樹脂を使用しているため、ウレタン防水と違いトップコートが劣化しても定期的な塗り替えの必要がありません。これにより、長期的なメンテナンスコストを抑制することができます。

 

アトレーヌ水性防水材の独自技術と他製品との比較分析

防水材市場には様々な製品が存在しますが、アトレーヌ水性防水材は独自の技術により、他製品と差別化されています。ここでは、主要な防水材との比較分析を行います。

 

【主要防水材との比較表】

特性	アトレーヌ水性防水材	ウレタン防水材	アスファルト防水	シート防水
環境負荷	低（水性・無溶剤）	中〜高（溶剤型が多い）	高（VOC発生）	中（製造時の環境負荷）
施工期間	短（1日/5工程）	中（3日/4工程）	長（複数日）	中（1〜2日）
耐久性	10年以上	7〜10年	10〜15年	10〜15年
遮熱性	高（-15℃）	中	低	中〜低
下地追従性	良好（緩復元性）	良好	やや劣る	中
初期コスト	中	中	高	高
メンテナンスコスト	低	中〜高	中	中

アトレーヌ水性防水材の独自技術として特筆すべきは、特殊アクリル樹脂の採用です。この樹脂により、以下の特性を実現しています。

1. 速乾性と耐久性の両立：一般的に、速乾性と耐久性はトレードオフの関係にありますが、特殊アクリル樹脂の採用により両立を実現しています。

    

2. 緩復元性：建物の微細な動きに対応する緩やかな伸縮性を持ち、下地の防水層を痛めません。これは、急激な温度変化による建材の膨張・収縮に対応する重要な特性です。

    

3. 環境適合性：水性でありながら、従来の無溶剤タイプと同等以上の性能を発揮します。これにより、VOC（揮発性有機化合物）の排出を大幅に削減しています。

    

また、アトレーヌ水性防水材は、多様な下地に対応できる汎用性も大きな特徴です。コンクリートモルタルはもちろん、アスファルト防水、合成ゴムシート、塩ビシート、ウレタン既存塗膜、FRP防水など、幅広い防水下地に塗布できます。これは、既存の防水層を撤去せずに改修工事ができることを意味し、廃棄物削減と工期短縮の両面でメリットがあります。

 

さらに、近年注目されている遮熱性能においても、アトレーヌ水性防水材ホワイトと水性トップSGの組み合わせにより、ウレタン塗膜防水材に比べて表面温度を15℃下げることができます。これは、建物の省エネルギー性能向上に寄与する重要な特性です。

 

建設技術研究所による最新防水材料の性能比較研究（各種防水材の特性と適用範囲について詳細に解説）
アトレーヌ水性防水材は、環境性能、施工性、耐久性、コスト効率のバランスが取れた製品であり、特に環境配慮と工期短縮が求められる現代の建設現場において、最適な選択肢の一つと言えるでしょう。

 

アトレーヌ水性防水材の長期耐久性と定期メンテナンスの重要性

建築物の防水層は、建物を保護する重要な役割を担っています。アトレーヌ水性防水材は長期耐久性に優れていますが、その性能を最大限に発揮させるためには、適切な施工と定期的なメンテナンスが欠かせません。

 

アトレーヌ水性防水材の標準的な耐用年数は10年以上とされていますが、これは適切な施工と定期的なメンテナンスを前提としています。実際の耐用年数は、以下の要因によって変動します。

1. 施工品質：適切な下地処理と正確な施工手順の遵守が重要です。

    

2. 使用環境：直射日光の強さ、降雨量、気温変化などの環境要因。

    

3. メンテナンス状況：定期的な点検と適切なメンテナンスの実施。

    

定期メンテナンスとしては、以下の点検・対応が推奨されます。

• 年1回の目視点検：ひび割れ、膨れ、剥がれなどの異常がないか確認。

   

• 2〜3年ごとの専門業者による点検：専門的な観点からの詳細点検。

   

• 5年ごとのトップコート再塗装：遮熱効果や美観維持のため（必要に応じて）。

   

• 排水口・ドレンの清掃：定期的な清掃により排水不良を防止。

   

特に注意すべき劣化