不動産買取再販ランキング最新版業者選定完全ガイド

不動産買取再販ランキング最新版業者選定完全ガイド

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不動産買取再販ランキング

不動産買取再販業界の現状
📊
年間販売戸数ランキング

カチタスが11年連続1位を維持し、5,535戸の圧倒的な販売実績を誇る

💰
売上高ランキング

カチタスが876億円で売上高でも1位、大京穴吹不動産が561億円で2位

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業界の特徴

戸建て特化型とマンション特化型に二極化、地域密着型の強みが顕著

不動産買取再販年間販売戸数ランキング上位10社

2024年版の買取再販年間販売戸数ランキングでは、カチタスが11年連続で1位を獲得している。以下が上位10社の詳細データである。

順位 企業名 年間販売戸数 戸建て戸数 マンション戸数
1位 カチタス 5,535戸 5,227戸 308戸
2位 レジデンシャル不動産 1,885戸 0戸 1,885戸
3位 リプライス 1,634戸 1,140戸 494戸
4位 大京穴吹不動産 1,428戸 0戸 1,428戸
5位 スターマイカ 1,270戸 0戸 1,270戸
6位 インテリックス 1,146戸 8戸 1,138戸
7位 ホームネット 1,022戸 21戸 1,001戸
8位 フジ住宅 1,016戸 80戸 936戸
9位 長谷工リアルエステート 964戸 8戸 956戸
10位 イーグランド 868戸 151戸 717戸

カチタスの圧倒的な強さは、全国100以上の拠点を持つ地方戸建て特化戦略にある。平均販売価格が戸建て1,602万円という低価格帯で、築36年の古い物件を189日という短期間で再販している点が特徴的だ。

 

不動産買取再販売上高ランキングと収益性分析

売上高ランキングでは、販売戸数とは異なる傾向が見られる。カチタスが876億円で1位を維持しているものの、2位の大京穴吹不動産は561億円と、販売戸数4位ながら高い売上を実現している。

 

📈 売上高上位5社の分析。

  • カチタス: 876億円(前年比7%増)- 戸建て特化で低単価・高回転
  • 大京穴吹不動産: 561億円 - マンション特化で高単価戦略
  • スターマイカ: 約400億円(推定)- 賃貸中マンション買取の独自モデル
  • インテリックス: 約320億円(推定)- アフターサービス充実で付加価値向上
  • レジデンシャル不動産: 約360億円(推定)- 急成長中のマンション特化型

大京穴吹不動産の平均単価は3,932万円と、カチタスの約2.5倍の価格帯で勝負している。これは都市部のマンション市場に特化した戦略の成果といえる。

 

不動産買取再販業者の地域別特徴と戦略

地域別に見ると、各社の戦略が明確に分かれている。関西地域では、フジ住宅が「大阪の買取業者の雄」として君臨し、大阪南部を中心に強固な地盤を築いている。

 

🗾 地域別主要業者の特徴。
関東エリア

  • レジデンシャル不動産:東京都足立区本社、全国17支店展開
  • スターマイカ:東京都港区本社、賃貸中マンション買取に特化
  • インテリックス:東京都渋谷区本社、新築マンション並みのアフターサービス

関西エリア

  • フジ住宅:大阪府岸和田市本社、関西の不動産業界との強いネットワーク
  • 昭和48年創業の歴史と信頼性で地域密着型戦略を展開

東海エリア

  • リプライス:愛知県名古屋市本社、カチタスとの経営統合で仕入れ強化
  • 都市郊外から地方都市部をターゲットとした戦略

意外な事実として、カチタスは群馬県桐生市という地方都市に本社を置きながら、全国展開を成功させている点が挙げられる。これは地方の中古戸建て市場に特化した独自のビジネスモデルの成果である。

 

不動産買取再販業界の収益構造と仕入れ戦略

買取再販業界の収益構造を理解するには、仕入れから販売までの期間と価格設定が重要な要素となる。各社の平均的な仕入れから販売までの期間は以下の通りである。
⏰ 主要業者の販売期間比較。

  • レジデンシャル不動産: 150日(最短)
  • カチタス: 189日
  • リプライス: 199日
  • インテリックス: 203日

レジデンシャル不動産の150日という短期間での販売は、マンション市場の流動性の高さと効率的な販売システムの構築によるものだ。一方、カチタスは戸建て市場特有の時間を要する販売プロセスでも189日という比較的短期間を実現している。

 

💡 仕入れ戦略の多様化。
競売・任売物件からの仕入れ

  • イーグランド:競売物件や任意売却物件を主要な仕入れ源とする
  • 一般市場より安価な仕入れが可能だが、権利関係の整理に専門知識が必要

賃貸中物件の買取

  • スターマイカ:賃貸中マンションを買取り、賃借人退去後にリフォーム再販
  • 空室リスクを回避しながら安定的な仕入れを実現

仲介業者ネットワークの活用

  • フジ住宅:関西の不動産業者との強固なネットワークで仕入れを強化
  • 地域密着型の情報収集力が競争優位性を生む

不動産買取再販業界の将来展望と新たな競争軸

買取再販業界は従来の地場業者中心から、大手企業の参入により競争が激化している。長谷工リアルエステートや大和ハウスグループなど、建設・不動産大手の参入が目立つ。

 

🔮 業界の変化要因。
デジタル化の進展

  • AI査定システムの導入による査定精度向上
  • オンライン内見システムの普及で販売効率化
  • ビッグデータ活用による市場予測精度の向上

ESG経営への対応

  • 既存住宅の有効活用による環境負荷軽減
  • 地域コミュニティの活性化への貢献
  • 持続可能な住宅ストックの形成

新しい付加価値の創出

  • IoT設備の導入によるスマートホーム化
  • 在宅ワーク対応のリノベーション
  • 高齢者向けバリアフリー改修の標準化

特に注目すべきは、レジデンシャル不動産の急成長である。2021年の7位から2024年の2位まで順位を上げ、マンション買取再販戸数では1位を獲得している。この成長は、若い営業チームによる積極的な営業活動と効率的な販売システムの構築によるものだ。

 

また、意外な事実として、カチタスの累計買取件数が7万件を超えている点が挙げられる。これは業界全体の歴史を物語る数字であり、同社の長期的な市場への貢献度を示している。

 

業界全体として、単純な価格競争から、サービス品質や付加価値での差別化へとシフトしている。インテリックスの新築マンション並みのアフターサービスや、ホームネットの充実したアフターサービスなど、購入後のサポート体制が重要な競争要素となっている。

 

今後の市場では、地域特性を活かした専門性と、デジタル技術を活用した効率性の両立が成功の鍵となるだろう。不動産業従事者にとって、これらの動向を把握し、適切な業者選択や連携戦略を構築することが重要である。