扁平率5違いで変わる性能と乗り心地の影響

扁平率5違いで変わる性能と乗り心地の影響

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扁平率5違いによる影響

扁平率5%の違いがもたらす主な変化
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車高の変化

扁平率が5%違うと、タイヤ1本あたり片側で約5〜10mm程度車高が変化します

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乗り心地への影響

扁平率が高いほどクッション性が増し、路面からの衝撃を吸収しやすくなります

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走行性能の違い

扁平率が低いタイヤはハンドリング性能が向上し、高いタイヤは燃費性能が良くなる傾向があります

扁平率の違いによる車高変化の計算方法

タイヤの扁平率が5%変わると、車高にも明確な変化が生じます。扁平率とは、タイヤの断面高さを断面幅で割った数値に100を掛けた値であり、この数値が変わることでタイヤの厚みが変化します。
参考)タイヤ扁平率とは?扁平率上げ下げによるメリットとデメリットを…

例えば、195/50R16から195/55R16へ変更する場合を考えてみましょう。タイヤの厚みは「タイヤ幅×扁平率×2(上下があるため)」で計算できます。195mmの幅で扁平率50%のタイヤは195×0.50×2=195mm、扁平率55%では195×0.55×2=214.5mmとなり、差は19.5mmです。車高への影響はこの半分なので、約9.75mm車高が上がることになります。
参考)タイヤサイズの変更で車高は変わる。これを利用して車高を落とす…

具体的な計算式は以下の通りです。

  • 扁平率50のタイヤ厚み:195mm × 50% × 2 = 195mm
  • 扁平率55のタイヤ厚み:195mm × 55% × 2 = 214.5mm
  • 外径差:214.5mm - 195mm = 19.5mm
  • 車高差:19.5mm ÷ 2 = 約9.75mm

この計算方法を使えば、任意のタイヤサイズ変更による車高の変化を事前に把握できます。建築業で使用する車両の場合、積載物の高さ制限や駐車場の天井高などを考慮する際に、この計算が役立ちます。
参考)タイヤ外径の計算方法と車高への影響|サイズ変更時のポイントを…

扁平率5違いによる乗り心地の変化

扁平率が5%違うだけで、乗り心地には顕著な差が現れます。扁平率50から55へ変更すると、タイヤの厚みが約1cm増加し、この1cmがクッション性に大きく貢献します。
参考)タイヤの扁平率の違いによるメリット・デメリットとは?見た目以…

扁平率が高いタイヤ(例:55%や60%)は、タイヤに厚みが出てクッション性も高くなるため、路面の小石やでこぼこの衝撃をより吸収しやすくなり、乗り心地が良くなる傾向があります。特に建築現場への移動や、舗装の悪い道路を走行する機会が多い場合、この違いは体感しやすいでしょう。
参考)扁平率の低いタイヤで燃費や乗り心地はどう変わる?注意点と改善…

一方、扁平率の低いタイヤ(例:45%や50%)は、サイドウォールが薄くなるため路面の影響を受けやすく、段差やキャッツアイ(反射板)を踏んだ際の衝撃が強くなります。また、ロードノイズ(走行音)も増加する傾向があります。
参考)タイヤサイズを変更するときの注意点!許容範囲を知って車検に通…

実際のユーザーの経験では、50扁平から55扁平への変更で「かなり乗り心地は良くなる」という報告があります。扁平率65程度が最も乗り心地が良いとされており、作業車両や長距離移動が多い業務用車両では、乗り心地を重視した扁平率選びが推奨されます。
参考)リトレッドタイヤ

扁平率の違いが走行性能に与える影響

扁平率の5%の違いは、走行性能にも複数の影響を及ぼします。扁平率が低いタイヤは接地面積が広くなり、ハンドリング性能やコーナリング性能が向上します。タイヤのたわみが減少するため、ステアリング操作に対する反応が鋭くなり、特に高速走行時の安定性が増します。
参考)タイヤの偏平率とは?偏平率を変えるメリットや注意点を解説 -…

具体的なメリットとして、低扁平タイヤ(50%以下)は以下の特徴があります。

一方、扁平率が高いタイヤ(55%以上)は接地面が小さくなるため転がり抵抗が少なくなり、燃費の向上が期待できます。これは建築業で燃料費を抑えたい場合に重要なポイントです。​
ただし、高扁平率タイヤはコーナリング時にタイヤがよれやすくなり、ハンドリング性能では低扁平タイヤに劣ります。建築現場への資材運搬など、高速走行よりも燃費や乗り心地を重視する用途では、扁平率55〜65程度が適していると言えます。
参考)『タイヤの扁平率はどのくらいが最も走りと乗り心地や燃費の..…

扁平率変更時の車検許容範囲と注意点

扁平率を変更する際は、車検の許容範囲を守る必要があります。最も重要な基準は、タイヤ外径の誤差が-3%〜+2%以内に収まることです。この範囲を超えると車検に通らなくなるため、事前に計算して確認することが不可欠です。
参考)車検に通るタイヤサイズとは?変更時の注意点や選び方|カーコン…

タイヤ外径は「(タイヤ幅×扁平率)×2+リム径(ホイールの直径)」で計算できます。例えば205/55R16から205/60R16への変更を検討する場合、計算上の誤差が許容範囲内か確認する必要があります。実際の事例では、205/55R16を205/60R16に変更した場合、検査速度40km/hに対して約41.3km/hとなり、許容範囲30.9〜42.55km/h内に収まるため車検は問題ありません。
参考)タイヤサイズ変更の許容範囲とは?安全なカスタムのポイント|オ…

その他の注意点として。

建築業で使用する車両は積載重量が大きい場合があるため、ロードインデックスの確認は特に重要です。安全性とコンプライアンスの両面から、専門店での相談をお勧めします。​

建築業従事者が知っておくべき扁平率選びのポイント

建築業従事者にとって、タイヤの扁平率選びは作業効率と安全性に直結する重要な判断です。現場への移動や資材運搬という用途を考えると、単なる見た目のスタイリッシュさよりも実用性を重視すべきでしょう。​
まず、現場までの道路状況を考慮することが重要です。舗装が不十分な道路や砂利道を頻繁に走行する場合は、扁平率55〜65程度の高めの設定が適しています。これにより路面からの衝撃を吸収し、ドライバーの疲労軽減につながります。
参考)50→55のすすめ|タカヒトのブログ|Lush Life G…

燃費も重要な判断材料です。高扁平率タイヤは転がり抵抗が少なく、燃費向上が期待できるため、長距離移動が多い場合は経済的なメリットがあります。ただし、重量のある資材を積載する機会が多い場合は、タイヤの負荷能力も考慮に入れる必要があります。​
また、タイヤ交換のコストも考慮すべき点です。扁平率が低いほどタイヤ価格が上昇する傾向にあるため、業務用車両では維持費の観点からも高扁平率タイヤが有利です。​
<参考リンク:タイヤサイズ変更の車検基準について詳しく解説>
タイヤサイズ変更時は許容範囲の確認が重要!車検に通る範囲とは
<参考リンク:扁平率による性能の違いを詳細に比較>
タイヤの扁平率の違いによるメリット・デメリットとは
<参考リンク:タイヤ外径と車高の計算方法を具体例付きで解説>
タイヤ外径の計算方法と車高への影響|サイズ変更時の注意点
扁平率の選択は、作業環境、走行距離、積載重量、予算など複数の要因を総合的に判断して決定すべきです。迷った場合は、現在装着されているタイヤより5%程度高い扁平率を試してみると、乗り心地と燃費の改善が実感しやすいでしょう。最終的には、専門店で相談しながら車両の用途に最適な扁平率を選ぶことが、安全で経済的な運用につながります。
参考)ホイルをインチダウンして扁平率55から60タイヤに替えた場合…