方向指示器の保安基準と個数と取付位置

方向指示器の保安基準と個数と取付位置

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方向指示器の保安基準と個数

方向指示器の保安基準と個数:最初に押さえる要点
個数は「最低限」と「例外」を分けて考える

基本は左右1個ずつだが、車種・用途(大型貨物自動車等、被牽引、長さ6mなど)で側面や追加個数が絡む。

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取付位置は「高さ・間隔・最外側からの距離」が核心

高さ上限/下限、左右間隔、車体最外側からの距離など、個数だけでは車検・検査を通らない。

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点滅回数と視認性は現場での不合格原因になりやすい

毎分60~120回の点滅、昼間の確認距離、見通し角度などを「改造・後付け」前提で確認する。

方向指示器の保安基準で個数の基本(左右1個ずつ)

方向指示器の「個数」を考えるとき、最初に固定しておきたいのは、前後方向から見える主たる方向指示器については「少なくとも左右1個ずつ」を備える、という大原則です。これは「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」第137条で、車両中心線上の前方および後方30mから照明部が見通せる位置に、左右1個ずつ備える旨が示されています。
ここで重要なのは「左右に1個ずつ=計2個あればOK」と短絡しないことです。告示は「見通せる位置」という条件とセットで規定しており、個数を満たしても、積載物・架装・ガード類・作業灯・建機のアタッチメント等で視認が阻害されれば基準適合が崩れます。
現場での実務上は、まず次の順番で判断するとミスが減ります。


  • まず「左右1個ずつ」という最低個数を満たしているか。
  • 次に「30mから見通せる」配置になっているか(視界を遮る部材がないか)。
  • 次に車種区分(大型貨物自動車等、長さ6m、被牽引など)で側面方向指示器が必要か。

参考リンク(告示原文:個数・取付位置・点滅回数・視認範囲がまとまっている)
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第137条(方向指示器)

方向指示器の保安基準で個数が増えるケース(両側面・大型貨物自動車等)

「個数」に関して見落としやすいのが、側面の方向指示器の扱いです。第137条では、一定の車両(大型貨物自動車等など)について、両側面の前部に1個ずつ備えるだけでなく、両側面の中央部に1個ずつ、または両側面に3個ずつ備えること、といった追加配置が明記されています。
さらに同じ条文で、側面の方向指示器の代替として、方向指示器と同時に点滅する「側方灯を両側面にそれぞれ3個以上」備える構造にできる、という“逃げ道”も規定されています。
建築・土木の現場車両(ダンプ、ミキサ、クレーン、架装トラック等)だと、荷台・アウトリガー・工具箱・保護柵が側面視認を邪魔することがあり、「純正はOKでも架装後にNG」になり得ます。追加個数の要否は車種区分で決まりますが、最終的に検査で見られるのは「実車として見えるか/基準範囲を満たすか」です。


参考)https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/S137.pdf

実務でのチェック観点(個数に直結するポイント)

  • 側面方向指示器が必要な車両区分か(大型貨物自動車等、牽引連結状態など)。
  • 「中央部1個ずつ」or「3個ずつ」のどちらの構成で設計・施工するか。
  • 側方灯で代替する場合、同時点滅と「3個以上」という数要件を満たすか。

方向指示器の保安基準の取付位置(高さ・間隔・最外側)

狙いワードが「個数」でも、実際に不適合が出やすいのは取付位置(高さ・間隔・車体外側からの距離)です。第137条では、(二輪等を除く)自動車の方向指示器は、照明部の上縁が地上2.1m以下(例外あり)、下縁が地上0.35m以上となるように取り付けることが示されています。
また、前方または後方に対して方向の指示を表示する方向指示器の左右間隔について、最内側どうしの間隔が600mm以上(幅1,300mm未満の車は400mm以上)といった数値要件も書かれています。
「個数は合っているのに落ちる」典型例は、次のようなパターンです。


  • バンパー交換・架装でウインカー位置が内側に寄り、左右間隔(600mm/400mm)を満たさなくなる。
  • ガード・バンパー・ステップ増設で、車体最外側からの距離(400mm以内)要件を満たせなくなる。
  • 作業用途で上側に上げた結果、上縁高さの上限(2.1m、側面は2.3mなどの扱い)に抵触する。

「取付位置の測り方」そのものも告示内で別添(測定方法)に委ねられており、現場では“見た目OK”で進めず、測定の前提を揃える必要があります。

方向指示器の保安基準の視認範囲と点滅回数(60回以上120回以下)

方向指示器は、個数や位置だけでなく、点滅回数と視認範囲(角度)も保安基準で固定されています。第137条では、点滅周期は「毎分60回以上120回以下」と定められています。
さらに、二輪以外の自動車の前面・後面に備える方向指示器について、水平面より上方15°・下方15°、内側45°・外側80°の範囲など、見通せる範囲が細かく示されています(取付高さが低い場合の読み替えも含む)。
ここが「意外に効く」ポイントは、灯体そのものの性能よりも、周辺部材が視認範囲を削ってしまうことです。例えば、建築現場車両で多い“後付け”のプロテクタ、泥除け、工具箱、ラダー、養生材固定具などが、特定角度からの見通しを阻害しやすく、結果として「個数はあるのに視認範囲不足」になります。

現場での簡易チェック(検査前の予防)

  • 左右点滅が異常に速い/遅い場合、60~120回/分に入っているか(LED化や抵抗追加の影響を疑う)。
  • 車両の斜め前・斜め後ろから見て、ガードや架装物でウインカーが“欠けて見える”角度がないか。
  • 側面方向指示器がある車両は、側方1mの鉛直面上で見通せる条件など、側面特有の見通し要件も忘れず確認する。

方向指示器の保安基準と個数:設計変更・現場施工での落とし穴(独自視点)

検索上位の記事は「車検に通るか」に寄りがちですが、建築・設備・土木の現場で本当に事故・手戻りを生むのは、架装や現場施工による“後から起きる不適合”です。保安基準は「方向指示器を備えること」だけでなく、「他の交通を妨げない」「損傷や汚損が著しいものではない」「緩み・がたがない」など、運用状態の健全性も要求しています。
つまり、納車時点で適合でも、現場での運用・改造・補修で基準から外れる可能性があり、施工側(架装・取付)にも品質管理の論点が残ります。
現場で起きやすい“落とし穴”と対策例(方向指示器の個数に波及する)

  • 落とし穴:荷台あおりや機材で後面の方向指示器が30mから見えない → 対策:補助的な方向指示器の追加や配置見直しを検討(ただし取付位置・間隔・最外側距離も同時に満たす)。
  • 落とし穴:左右対称に付けたつもりでも、架装により「可能な限り対称」要件から外れる → 対策:車両中心線基準での墨出し、左右の基準点を“車体側の不変部”に設定する。
  • 落とし穴:現場での応急補修で灯体が緩み、配光が狂う → 対策:取付部の緩み・がたの点検を定期項目化し、点滅不良(ハイフラ等)も合わせて記録する。

さらに「意外に見落とされる」点として、告示第137条は、方向指示器の“性能が正常であるもの”という条件を繰り返し強調し、適合の判断を単なる個数チェックに閉じない構造です。

建築従事者の視点では、車両そのものを触らない現場でも、足場材・型枠材・長尺物の積載で視認性が落ちることがあるため、「積み方」も実質的に保安基準適合に影響する、と理解しておくと安全管理の質が上がります。

参考リンク(方向指示器の技術基準:配光・色など性能要件を深掘りできる)
別添73 方向指示器の技術基準(配光特性・色など)