化粧ブロック寸法一覧とメーカー別規格比較ガイド

化粧ブロック寸法一覧とメーカー別規格比較ガイド

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化粧ブロック寸法規格の基本知識

化粧ブロック寸法の重要ポイント
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JIS規格による標準化

長さ390mm×高さ190mm×厚さ100-200mmが基本寸法

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メーカー別規格差

各メーカーで微細な寸法差と独自規格が存在

⚖️
施工精度への影響

寸法誤差が積み上げ精度と仕上がりに直結

化粧ブロック基本型の標準寸法

化粧ブロックの基本寸法は、JIS A 5406によって規定されており、モデュール寸法として長さ300~900mm、高さ100~200mm、厚さ100~200mmの範囲で標準化されています。最も一般的に使用される寸法は、長さ390mm×高さ190mm×厚さ120mm(12cm)または150mm(15cm)です。

 

基本型ブロックの詳細寸法。

  • 12cmブロック: 長さ390mm×高さ190mm×厚み120mm(重量約11.1kg)
  • 15cmブロック: 長さ390mm×高さ190mm×厚み150mm(重量約13.0kg)
  • 目地幅: 標準10mm(モデュール寸法に含まれる)

これらの寸法は目地幅10mmを含んだモデュール寸法から算出されており、実際の製品寸法は目地幅を差し引いた数値となります。例えば、長さ400mmのモデュール寸法から目地幅10mmを引いた390mmが実際の製品長さです。

 

重量についても規格化されており、12cmブロックで約11kg、15cmブロックで約13kgが標準的な重量です。この重量は施工時の作業効率や安全性に直接影響するため、現場での取り扱い計画において重要な要素となります。

 

圧縮強度による区分では、A種(8N/mm²以上)、B種(12N/mm²以上)、C種(16N/mm²以上)、D種(20N/mm²以上)に分類され、一般的な塀用途ではB種(12)が最低ラインとされていますが、耐久性を考慮するとC種(16)の使用が推奨されます。

 

化粧ブロックメーカー別規格比較

主要メーカーの化粧ブロックは基本的にJIS規格に準拠していますが、各社独自の特徴や微細な寸法差が存在します。

 

大里ブロック工業の化粧ブロック

  • JOYシリーズ: 縦ライン意匠、3色展開(グレー、ベージュ、ブラウン)
  • LINEシリーズ: スマートな縦ライン、15タイプの豊富なバリエーション
  • 基本寸法: 390mm×190mm×120/150mm(目地幅10mm)

ユニソンの化粧ブロック

  • シャモティ: 明るい色合い、両面・片面化粧選択可能
  • シルマ: グリッド形状、優しい雰囲気の3色展開
  • 標準寸法: 長さ390mm×高さ190mm×厚み120/150mm

久保田セメント工業

  • バリューシリーズ: シンプル&ナチュラル仕上げ
  • 5色展開: ナチュラルGウッド、ヌガー、グレー、ベージュ、ブラウン
  • CB(空洞ブロック)も製造、幅8cm~19cmまで対応

マチダコーポレーション

  • ビースマイル12/15: ストライプ&ピンストライプのシャープな表情
  • 寸法: 399mm×120/150mm×190mm(JIS認証製品)
  • 5色展開: グレー、ベージュ、クロームイエロー、ダークグレー、ダークセピア

メーカー間での寸法差は通常±2mm以内に収まりますが、異なるメーカーの製品を混用する際は事前の寸法確認が必要です。特に長さ寸法で399mmと390mmの差が見られる場合があり、これは目地幅の設定や製造公差の違いによるものです。

 

化粧ブロック種類と用途別サイズ選定

化粧ブロックは用途や設置場所によって適切なサイズを選定する必要があります。基本型以外にも特殊な形状や寸法の製品が用意されています。

 

基本型・横筋兼用型
最も汎用性の高いタイプで、一般的な塀の大部分に使用されます。横筋を通すための溝が設けられており、構造的な強度確保が可能です。標準寸法は390mm×190mm×120/150mmです。

 

コーナー型
塀の角部や端部に使用する専用ブロックで、基本型より若干重量が増します。12cmタイプで約11.2kg、15cmタイプで約13.3kg程度です。長さ寸法は400mmと基本型より10mm長く設計されています。

 

笠木ブロック
塀の最上段に設置する仕上げ用ブロックで、雨水の浸入防止と美観向上を目的としています。よねざわ工業のリッチブリック笠木の重量は5.5kgと軽量化されています。

 

型枠ブロック(CPブロック)
コンクリートを流し込む型枠として使用される特殊ブロックで、空洞部が大きく設計されています。高さ1.2mを超える塀でも控壁なしで施工可能な高強度タイプです。

 

小型化粧ブロック
よねざわ工業のリッチブリックのように、レンガ調の小型サイズ(1㎡当たり38.5個使用)の製品もあります。基本・横筋兼用で3.6kg、コーナー型で3.7kgと軽量で、細かな意匠表現が可能です。

 

用途別の選定指針。

  • 住宅外構: 12cmブロック(軽量、コスト重視)
  • 商業施設: 15cmブロック(強度・耐久性重視)
  • 高尺塀: 型枠ブロック(構造強度確保)
  • デザイン重視: 小型・特殊形状ブロック

化粧ブロック施工時の寸法精度管理

化粧ブロックの施工における寸法精度は、完成後の美観と構造性能に大きく影響します。特に化粧面が露出する製品では、わずかな寸法誤差も目立ちやすくなります。

 

目地幅の管理
標準目地幅10mmを基準とし、±2mm以内の精度で管理することが重要です。目地幅が不均一になると、全体のラインが乱れ、美観を損ないます。目地幅が広すぎるとモルタルの充填不良による強度低下、狭すぎると積み上げ時の調整が困難になります。

 

水平・垂直精度
各段の水平精度は1mあたり±3mm以内、垂直精度は全高に対して±10mm以内が基準です。水糸や レーザーレベルを活用し、1段ごとに精度確認を行います。特に1段目の精度が全体に影響するため、基礎との取り合い部分で慎重な調整が必要です。

 

製品寸法のばらつき対応
JIS規格では長さ・高さ・厚さそれぞれに±3mmの公差が認められていますが、実際の施工では製品選別により精度向上を図ります。特に見切り部分や開口部周辺では、寸法精度の高い製品を優先的に使用します。

 

伸縮目地の設置
30m以上の長い塀では、温度変化による伸縮を吸収する伸縮目地が必要です。伸縮目地部分では通常の目地幅10mmに対し、15~20mm程度に拡張します。

 

施工時の品質管理ポイント

  • 製品搬入時の寸法確認(抜き取り検査)
  • 1段ごとの水平・垂直確認
  • 目地幅の一定性確保
  • 製品の欠け・ひび割れチェック
  • モルタルの付着状況確認

化粧ブロック笠木・コーナー型の特殊寸法

笠木ブロックとコーナー型ブロックは、一般的な基本型とは異なる特殊な寸法設計が施されており、それぞれ固有の機能を果たします。

 

笠木ブロックの寸法特性
笠木ブロックは塀の最上段に設置される仕上げ材で、雨水の浸入防止が主目的です。一般的な笠木ブロックの寸法は、長さ390mm×幅(塀厚+庇出)×高さ60~100mm程度です。

 

大里ブロック工業では平笠置またはエコキャップの使用を推奨しており、これらは化粧ブロック本体との意匠的な調和を図りながら、実用的な防水機能を確保しています。笠木の庇出寸法は塀厚の両側に15~30mmずつ設けるのが一般的で、雨水の壁面流下を防ぎます。

 

重量面では、よねざわ工業のリッチブリック笠木が5.5kgと、基本型の3.6kgに比べて重くなっています。これは笠木部分の厚みと庇出による体積増加によるものです。

 

コーナー型の寸法設計
コーナー型ブロックは塀の角部や端部に使用される特殊形状で、基本型とは微妙に寸法が異なります。マチダコーポレーションのビースマイルコーナー型では、長さが400mmと基本型の399mmより1mm長く設計されています。

 

この1mmの差は、角部での目地調整を考慮した設計で、コーナー部分での施工精度を向上させる目的があります。重量は基本型より0.1~0.3kg程度重くなる傾向があり、12cmタイプで11.2kg、15cmタイプで13.3kg程度です。

 

特殊寸法製品の注意点

  • 専用笠木の有無: ビースマイルシリーズのように専用笠木がない製品もあり、汎用笠木との寸法適合性確認が必要
  • 色調差の問題: 化粧面のペースト差により色調にばらつきが生じる場合がある
  • 発注・在庫管理: 特殊形状は受注生産の場合が多く、工期への影響を考慮した発注計画が必要

寸法選定時の実務ポイント

  • 角部の納まり詳細図による事前確認
  • メーカー推奨の組み合わせ部材の確認
  • 特殊寸法品の納期・コスト影響の把握
  • 現場での部材管理・識別方法の確立
  • 余剰材・補修材の確保計画

これらの特殊寸法製品は、全体の美観と機能性を左右する重要な要素であり、基本型以上に慎重な寸法管理と品質確認が求められます。