

建築の樹形図(ツリー図)は、材料→部位→納まり→施工手順、または不具合→現象→原因→対策のように「階層で整理して説明する」用途と相性が良いです。
そのため「描けるかどうか」よりも、(1)誰がどこで開くか、(2)どこに保存されるか、(3)提出用にどう出力するか、の3点で無料ツールを選ぶと失敗しにくくなります。
無料ツール選定で、現場(設計・施工・協力会社)目線で効きやすいチェック項目は次の通りです。
参考)樹形図を作成
意外と盲点になりやすいのが「保存場所」です。diagrams.net(draw.io)は、図の保存先としてGoogle DriveやDropbox、GitHubなどを選ぶ設計で、diagrams.net自体がデータを保持しない形式だと説明されています。
このタイプは“無料で使える”だけでなく、社内の保存ルール(プロジェクトフォルダ、共有権限、バックアップ)に合わせやすい一方、共有設定を誤ると閲覧できない・外部に見えてしまう等の事故も起きやすいので、最初に運用ルールを決めてから導入するのが安全です。
参考:オンラインで樹形図を作成し、画像保存・URL保存(PW付き再編集)までできる点(出力・共有の参考)
xGrapher:樹形図を作成(無料・登録不要、画像保存、URL保存・公開)
「無料で“きちんと図として提出できる”」という観点では、diagrams.net(draw.io)のような高機能作図系がまず候補になります。
diagrams.netはWebベースで、保存先としてGoogle DriveやDropbox、GitHubなどを選択でき、ツール自体がデータを保存しないと説明されています。
さらにテンプレートがビジネス、チャート、UMLなど多く用意されているため、樹形図だけでなく、工程の流れ図・ネットワーク図・簡易アーキテクチャ図などに寄せて発展させやすいのが強みです。
一方、「とにかく早く樹形図だけ作って、画像で持ち帰りたい」場合には、登録不要のオンライン樹形図ジェネレータ型が刺さります。
例えばxGrapherは、無料・登録不要で樹形図を作成でき、画像ダウンロード(PNG/JPEG/SVG)や、URLでの一時保存・公開、URLとPWでの再編集ができると記載されています。
“議事録に貼るだけ”“朝礼で共有するだけ”の用途なら、アカウント管理が不要な分、導入の摩擦が小さくなります。
無料ツール比較での現実的な落とし穴も押さえておくと安心です。
参考:diagrams.netが「保存先を選ぶ」「改訂履歴」「テンプレートが多い」など運用面の説明(選定の根拠の参考)
NotePM:無料で使える高機能な作図ツール draw.io(diagrams.net)の使い方
樹形図は「階層的な構造や関係性を、木の枝が分かれるように表現する図」とされ、分類、原因と結果の分析、意思決定などに使われると説明されています。
建築の現場に置き換えると、たとえば次の3パターンが“そのまま使える型”になります。
- 🗓️ 工程ツリー:工種→作業→段取り→検査(どこで手戻りが起きるかを可視化)。
- 🧩 納まりツリー:部位→層構成→取り合い→注意点(口頭説明を減らす)。
- 🔎 不具合ツリー:現象→条件→原因→対策(原因の抜け漏れを減らす)。
作成手順はシンプルですが、順番を間違えると「枝が増えすぎて読み物として破綻」しやすいので、まず幹(目的)を固定します。
次に、枝分かれのルールを揃えます(例:工程ツリーなら“名詞で統一”、原因分析なら“原因は可変要素だけ”など)。
最後に、図が大きくなりすぎる場合は、樹形図のデメリットとして挙げられている「複雑になりすぎて見づらい」「階層が深いとレイアウトが難しい」に当たるので、別図に分割するのが合理的です。
現場の会議資料に落とすときの小技として、出力形式を先に決めると手戻りが減ります。xGrapherはPNG/JPEG/SVG形式で画質を指定してダウンロードできると書かれているため、議事録(PNG)と報告書(SVG/高画質PNG)で使い分けしやすいタイプです。
また、URL保存・PWで再編集という運用ができるなら、「会議で叩き台→現場戻りで修正→翌朝再共有」が回りやすくなります。
建築の情報共有は、協力会社・監理・施主側など関係者が増えやすく、「誰が最新版を持っているか問題」が頻発します。
その対策として、URL共有や履歴(バージョン管理)の有無は、無料ツールでも優先度が高い条件になります。
xGrapherは「グラフを保存・公開」で一時保存でき、保存時に発行されるURLとPWで後で再編集でき、URLで一般公開もできると説明しています。
この仕様は、社内の共有チャットにURLを貼るだけで“最新版の参照先”を固定しやすい一方、PWの扱い(転送・流出・退場者)をルール化しないと統制が効かなくなる可能性があります。
「社外共有のときは公開しない」「PWは案件ごとに変える」「納品後にURL保存を破棄する」など、情報管理の手順もセットで決めると実務で安全に回ります。
diagrams.netについては、保存先としてGoogle DriveやDropbox、GitHubなどを選ぶ形式で、diagrams.net自体はデータを保持しないと説明されているため、既存の権限管理(Driveの共有、Gitの履歴)に寄せられるのが利点です。
また、改訂履歴がありバージョンを戻せる旨が紹介されているので、会議後に「誰かが直して壊した」場合でも復旧しやすい運用が組めます。
検索上位の解説でも触れられていますが、樹形図とデンドログラムは見た目が似ていても目的が異なり、デンドログラムはクラスター分析の結果(類似度にもとづくグルーピング過程)を示すために用いられる、と整理されています。
建築の打合せで起きがちな混同は、「似ているものを“計算で”まとめた結果」を示したいのに、手作業の樹形図で“意見としての分類”を作ってしまい、根拠が曖昧になるケースです。
たとえば不具合の傾向を“発生頻度や条件の近さ”でまとめたいなら、本来はデンドログラム的な発想(類似度での群化)が向いていて、樹形図(ロジックツリー)的な「因果の分解」とは別物だと意識すると、議論の迷子を減らせます。
逆に、樹形図が強いのは「関係性が定義されている」「分解のルールがある」状態です。
施工手順の分解、検査項目の階層化、意思決定の分岐(選択肢→結果)などは、樹形図の説明範囲として挙げられており、現場でそのまま転用しやすい領域です。
この“用途の線引き”を最初に共有しておくだけで、無料ツールでも図の説得力が上がり、会議で「で、結局何が言いたい図?」になりにくくなります。