図面の尺度 jis と縮尺 表示 ルール

図面の尺度 jis と縮尺 表示 ルール

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図面の尺度 jis

図面の尺度 jis:現場で迷わない要点
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尺度の定義を先に固定

JISは「尺度=図面の長さ:実物の長さ」の比で整理し、現尺・倍尺・縮尺で表し分けます。

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表題欄と図中の使い分け

主尺度は表題欄、部分拡大などは近傍表示が基本で、誤読を防ぐ運用が重要です。

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縮小・拡大出力の事故を防ぐ

印刷やPDF閲覧で尺度が崩れる前提で、寸法記入と尺度バー等の併用が効きます。

図面の尺度 jis の定義と現尺 倍尺 縮尺


図面の尺度 jis を押さえる最短ルートは、「尺度とは何か」をJISの言い方で固定することです。尺度は、図面上の対応する長さAと、対象物の実際の長さBの比A:Bで表し、現尺・倍尺・縮尺はこの比の大小関係で区別します。
JISの説明では、現尺はA:Bをともに1として1:1、倍尺はBを1としてたとえば5:1、縮尺はAを1としてたとえば1:2のように示します。
実務で混乱が起きやすいのは、「縮尺」という言葉を“縮小コピーの倍率”と同一視してしまう点です。JISが扱う尺度は“図面表現の比”であり、印刷設定(用紙に合わせる等)で出力倍率が変わると、紙の上の見た目は同じ図面でも“紙面の尺度”は別物になります(だからこそ寸法が最優先になります)。


参考)図面の縮尺の決定の基本

また、JIS Z 8314(製図-尺度)では、用いる尺度の表し方として「尺度」の文字に続けて比を示し、誤読のおそれがなければ「尺度」の文字は省略してよい、という運用も示されています。


参考)JISZ8314:1998 製図−尺度

この“省略可”が、社内標準・取引先標準と噛み合わないと事故の温床になるため、後述の「表示ルール」で“省略する場面・しない場面”を決めておくと強いです。


参考)図面の縮尺|尺度の基本と正しい選び方

図面の尺度 jis の表記 ルール と表示

尺度の表記は「どこに書くか」と「どう書くか」を分けて考えると整理できます。JISの考え方として、図面が複数尺度を含む場合、主となる尺度を表題欄に示し、他の尺度はその図の近くに示す運用が一般的です。
これは、断面図・詳細図・部分拡大図などで尺度が混在する設計図面では特に重要で、読者が“どの図の尺度か”を瞬時に判断できる配置にするのが目的です。
JIS Z 8314の整理では、現尺は「尺度1:1」、倍尺は「尺度×:1」、縮尺は「尺度1:×」という形式で示す、とされています。

同じ「1:50」でも“どの図に対しての1:50か”が曖昧だと意味がないため、図面右下にとりあえず書くより、該当ビュー(該当図)直近に置くほうが読み間違いが減ります。

表示上の落とし穴として、CADのレイアウト(ペーパー空間)で「ビューポート尺度」を設定しても、PDF出力やプリンタドライバ側で「ページに合わせる」がONだと最終成果物は設計者の意図からズレます。近年は電子出図が主流であり、縮尺の考え方が紙中心から変化している、という指摘もあります。

そのため、尺度を示すこと自体は必要でも、読者が“測って使う”前提を減らすために、寸法・注記・参照情報を厚くする運用が、結果的にミスを減らします。

図面の尺度 jis の推奨 尺度 と縮尺 種類

JIS Z 8314には、推奨される尺度(縮尺・倍尺)の系列が表として示されており、代表的な縮尺として1:2、1:5、1:10、1:20、1:50、1:100、1:200、1:500、1:1000、さらに1:2000や1:5000、1:10000といった範囲まで並びます。
ここで重要なのは「JISが“唯一の正解”を強制している」というより、「読み手の予測可能性を上げるための推奨系列を用意している」という点です(同じ工事でも人・会社が変わっても読める)。
また、JIS Z 8314には“特別に必要な場合”の拡張についての考え方があり、表の範囲を超える場合でも10の整数乗を掛けて得られる尺度にする、といった拡張ルールが示されています。

この考え方は、たとえば大規模配置図のように1:2000や1:5000が必要になるケース、逆に微細部品で倍尺が必要なケースのどちらにも効きます。

現場での尺度選定は「用紙サイズに入るか」だけで決めると失敗します。装置全体・組立図・全体図は小さめの縮尺、詳細や部品は現尺または倍尺が向く、というように“伝える情報密度”とセットで決めるのが基本です。


参考)図面の縮尺の種類とJIS規格

加えて、あまり知られていない実務上のポイントとして、縮尺系列には「√2を基にした縮尺」が話題になることがあります。A判用紙が√2比であることと相性がよく、拡大縮小(A3⇔A4など)を前提にした運用で便利だと説明されることがあります。

ただし、これを多用すると取引先の図面慣習とズレる場合があるため、“社外提出はJIS推奨系列中心、社内検討は柔軟”のようなルール分けが有効です。

図面の尺度 jis と建築 図面 の実務

建築の図面は、機械製図ほど「部品単位で倍尺」を多用しない一方、配置図・平面図・立面図・断面図・矩計図・詳細図で尺度が自然に分かれます。尺度は主尺度を表題欄に、詳細部は図の近くに示す、という“混在前提”の作法は実務でも効きます。
国土交通省の「建築工事設計図書作成基準」では、図面名称ごとの尺度の考え方・表示の整理が含まれており、官公庁案件での“尺度の期待値”を揃える参考になります。
よくあるミスは、図面のどこかに「1:100」とあるのに、同一シート内の部分詳細が実質1:50相当で描かれているのに無表示、というケースです。読み手は主尺度のまま解釈しやすく、納まり・クリアランス・設備スペースの勘違いにつながります。


参考)JISで推奨されている図面尺度と実用的な図面尺度

特に電子出図では、閲覧ソフトのズーム率が図面の“見た目の尺度”を破壊するため、「尺度が正しいから読める」ではなく「寸法・注記があるから読める」へ設計思想を寄せるのが安全です。

建築×設備×構造の協調では、尺度だけでなく“線の太さ、文字高さ、寸法の入れ方”も含めた図面基準に従うと、尺度の混在があっても読図ストレスが下がります。国交省のCAD製図基準(設備編)でも、尺度が明確でない図面はJIS Z 8314を参照する、といった趣旨の記述があり、尺度の拠り所としてJISが使われる場面があります。


参考)https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kensetsusekou/news/denshinouhin/cad-m3.pdf

図面の尺度 jis の独自視点:PDF 印刷 と検図

検索上位で「尺度の定義・推奨尺度」はよく出ますが、実務で痛いのは“運用の穴”です。電子納品・社内共有でPDFが回ると、閲覧側は「ページに合わせる」「余白を除去」「プリンタ任せ」で出力しがちで、紙の上の尺度は簡単にズレます。
この前提に立つと、尺度表示は「正しく測れる」より「誤解しにくい」方向へ寄せるのが合理的です。たとえば、重要な取り合い部は寸法を省かず、図中に“この部分は部分拡大で尺度が異なる”と視線誘導するだけで、読み違いが減ります。
検図(チェック)で効く手順を、尺度に絞って具体化すると次の通りです。


  • 表題欄の主尺度と、シート内の図の尺度が整合しているか確認する(混在なら個別表示があるか)。​
  • 部分拡大図・詳細図・断面図に、尺度が近傍表示されているか確認する(“どれがどれか”が分かるか)。​
  • PDF化後に、1枚だけ試し印刷して「ページに合わせる」が働いていないか確認する(運用ルールで固定する)。​
  • 図面を測って使わせないよう、寸法・注記で成立しているか確認する(尺度は補助情報に落とす)。​

意外に効く小技として、社内テンプレートの表題欄に「主尺度:」「部分尺度:」のような枠を用意し、部分尺度がある場合は“必ず埋める”運用にすると、尺度の書き忘れが減ります。JIS Z 8314には「誤読のおそれがない場合は“尺度”の文字を省略してもよい」とありますが、運用上は省略しないほうが事故率が下がるケースも多いです。

JIS本文の原典に当たりたい場合は、JIS Z 8314(製図-尺度)の条文ベースで確認すると、表記や推奨尺度の根拠が一気に固まります。

参考:尺度の定義・表し方・推奨尺度の表(JIS Z 8314)
JISZ8314:1998 製図−尺度
参考:機械製図側の尺度表現(A:B、現尺・倍尺・縮尺の示し方例)(JIS B 0001)
https://kikakurui.com/b0/B0001-2019-01.html
参考:官公庁案件での図面尺度の考え方・図面名称と尺度の整理(建築工事設計図書作成基準)
https://www.mlit.go.jp/common/001157950.pdf




やさしい機械図面の見方・描き方(改訂3版)