pc電源規格の選び方、ATX、SFX対応サイズ確認方法

pc電源規格の選び方、ATX、SFX対応サイズ確認方法

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pc電源規格の基本知識と選び方

pc電源規格の基本構成
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主要規格

ATX、SFX、EPS規格の特徴と用途

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サイズ確認

PCケース対応サイズの測定方法

最新動向

ATX3.0と3.1の技術的変更点

pc電源規格の種類とATXの基本仕様

pc電源の規格は、マザーボードと連動して定められた国際規格です。現在主流となっている規格は大きく分けて3つ存在します。
最も一般的なのがATX規格で、これは1995年にインテルによって導入された規格です。標準的なデスクトップPCのほとんどがこの規格を採用しており、幅広い製品から選択できるメリットがあります。
ATX規格の標準サイズは以下の通りです:

  • 幅:150mm
  • 奥行き:125mm〜220mm
  • 高さ:86mm

特に注意すべき点は奥行きの差です。基本的な125mmから最大220mmまでと大きな幅があります。高電源容量や多機能な製品ほど奥行きが長くなる傾向があるため、PCケース選択時には対応可能な電源の最大奥行きサイズを必ず確認しましょう。
80 PLUS認証を受けたモデルが多数存在し、エネルギー効率の観点からも優秀な製品が豊富に揃っています。これにより電力消費を抑制し、電気代節約にも貢献できます。

pc電源規格SFXとコンパクトPC対応サイズ

SFX規格は小型PC向けに開発された電源規格で、スリムタワーやmini-ITXケースで採用されています。
SFX規格の標準サイズ:

  • 幅:125mm
  • 奥行き:100mm
  • 高さ:63.5mm

ATX規格と比較すると、幅で25mm、奥行きで40mm以上、高さで22.5mm小さく設計されています。この省スペース性により、コンパクトなPCケースでも搭載が可能です。
ただし、SFX規格には制約があります。

  • 製品選択肢がATXと比較して限定的
  • 電源容量の上限がATXより低い傾向
  • 価格がATX規格より高めに設定されることが多い

建築関連の現場事務所など、限られたスペースでPC設置が必要な環境では、SFX規格の小型電源が重宝されます。特に、設計図面確認用の省スペースワークステーションに適用する際、この規格の恩恵を受けることができます。

 

pc電源規格EPSとサーバー向け高電力対応

EPS規格は「Extended Power Supply」の略で、サーバーやワークステーション向けに設計された高性能電源規格です。ATX規格の強化版という位置づけで、より大きな電力供給能力を持っています。
EPS規格の特徴。

  • マルチCPU・マルチGPU環境に対応
  • ATX規格と同等もしくはより長い奥行きサイズ
  • 24ピン+8ピン(CPU用)電源コネクタを標準装備
  • 高い電力供給安定性

現在市場に流通している製品の多くはEPS/ATX両対応となっており、単一の製品で複数の用途に対応できます。建築業界では、大型建物の3Dモデリングやレンダリング作業を行うハイエンドワークステーションでEPS規格の電源が活用されています。
特に、複数のグラフィックカードを使用するワークステーション環境では、EPS規格の高い電力供給能力が必要不可欠です。また、長時間の連続稼働が求められるサーバー環境でも、この規格の安定性が重要な役割を果たします。

 

pc電源規格の最新動向ATX3.0と3.1の相違点

2022年以降、pc電源規格は大きな変革期を迎えています。ATX3.0とATX3.1という新しい規格が登場し、従来の電源コネクタ仕様を一新しました。
ATX3.0の主要な変更点:

  • 12VHPWR電源コネクタの導入
  • 16ピン(12+4ピン)構成
  • 単一コネクタで最大600W供給
  • スマート電力制御機能搭載

ATX3.1での改善点:

  • 12V-2×6コネクタへの名称変更
  • コネクタ内部ピンの長さ調整による信頼性向上
  • 電力変動耐性の強化
  • 過電流・過熱保護回路の改善

これらの新規格は、NVIDIA GeForce RTX 40シリーズやAMD Radeon RX 7000シリーズなどの最新高性能GPUに対応するために開発されました。従来のPCIe 8ピンコネクタでは150W×3本=450Wが上限でしたが、新規格では1本のケーブルで600Wまで対応できます。
建築用CADソフトやレンダリングソフトウェアを使用する環境では、これらの高性能GPUが必要になるケースが増加しており、ATX3.1対応電源の重要性が高まっています。特に、大規模建築プロジェクトのリアルタイムビジュアライゼーションでは、この新規格の恩恵を大いに受けることができます。

 

pc電源規格選択時のケース対応確認とサイズ測定方法

pc電源規格を選択する際、最も重要なのはPCケースとの互換性確認です。規格が合わない場合、物理的に搭載できないか、固定用のネジ穴が合致しません。
PCケース確認手順。

  1. ケースの仕様書で対応電源規格を確認
  2. 電源取り付け部の実測
  3. ケーブル配線スペースの算出
  4. 冷却ファンとの干渉チェック

実測が必要な寸法:

  • 電源取り付け部の幅・高さ・奥行き最大値
  • 電源から各コネクタまでのケーブル長
  • 余剰ケーブル収納スペース

特に奥行きサイズは注意が必要です。同じATX規格でも125mmから220mmまで大きな差があり、高性能な電源ほど長くなる傾向があります。また、プラグイン対応(不要ケーブル取り外し可能)の電源を選ぶことで、ケーブル配線スペースを大幅に節約できます。
建築現場の仮設事務所など、既存のケースを活用する場合は、現在使用中の電源サイズを基準として、同等またはそれ以下のサイズの製品を選択する必要があります。

 

さらに、将来的なアップグレードを考慮し、現在必要な電源容量の1.2〜1.5倍程度の余裕を持った製品選択が推奨されます。これにより、グラフィックカードの追加や高性能CPUへの交換時にも対応できます。

 

メーカー製PCの場合、独自サイズの電源を使用していることがあるため、交換前には必ず実測と仕様確認を行いましょう。