リチウムイオンバッテリー廃棄業者許可委託

リチウムイオンバッテリー廃棄業者許可委託

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リチウムイオンバッテリー廃棄業者

現場で迷わない要点(建築従事者向け)
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混入が火災の起点

不燃ごみ等への混入が原因となる発火・火災が増加しており、破砕・搬送工程での事故が多いと整理されています。

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委託とマニフェスト

事業活動由来の電池は、許認可業者への委託とマニフェスト交付、最終処分までの確認が重要ポイントです。

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現場の仮置きが差

端子保護・膨張品の隔離・情報提供を徹底すると、回収拒否や追加費用、工期影響を減らせます。

リチウムイオンバッテリー廃棄業者と許可と委託

建設現場で出るリチウムイオンバッテリーは「事業活動から出る」扱いになりやすく、処理は許認可を受けた収集運搬業者・処分業者へ委託するのが基本線です。
東京都の整理では、リチウムイオン電池を含む製品は分別し、他の廃棄物に混ぜないことが明確に求められています。
さらに、排出事業者には適正処理の責任があり、委託基準の遵守や、必要情報(性状・取扱注意等)を処理業者へ提供することが重要とされています。
ここで実務的に押さえたいのは、「どの許可が必要な業者に頼むべきか」を現場側が言語化できることです。

 

発注時に最低限確認したいポイントは、次のとおりです。

 

  • 収集運搬の許可:積込み場所(現場所在地)と運搬先に対して有効か。
  • 処分の許可:中間処理(破砕・選別・無害化等)や最終処分までのルートが説明できるか。
  • 電池の取り扱い条件:膨張・破損・濡れ・端子露出など「受入可否」と追加料金条件が明文化されているか。
  • 情報提供の受領:現場が渡す情報(型式、数量、保管状況等)を受け取る体制があるか。

注意点として、現場の「混ぜないで出したつもり」でも、ダンボール箱に他の金属くず・小型家電・充電工具が一緒に入っていると、業者側は危険物混入として回収を止めることがあります。

 

この停止は単なる事務的な遅延ではなく、仮置きが長引き、発熱・膨張など二次リスクが上がるため、元請・下請間で責任が揉めやすい領域です。

 

だからこそ、委託前に「どう分別し、どう梱包し、誰が最終確認するか」を現場ルールに落とすのが最短ルートになります。

 

参考リンク(事業活動から出るリチウムイオン電池を、許認可業者へ委託・マニフェスト交付・混入防止など実務ポイントがまとまっています)
事業活動から出るリチウムイオン電池(産業廃棄物)

リチウムイオンバッテリー廃棄業者とマニフェスト

事業活動から出るリチウムイオン電池の委託では、(一部例外を除き)マニフェストを交付し、最終処分終了まで確認する必要があると整理されています。
東京都の案内でも「マニフェストを交付してください(JBRCに委託する場合を除く)」と明示されており、例外の扱いを含めて手順を分けて考えるのが安全です。
また、委託基準やマニフェスト義務に違反した場合、処罰対象になり得る旨も示されています。
建築系の現場でありがちな落とし穴は、「現場で出た廃棄物だから現場担当が何とかする」という運用です。

 

リチウムイオンバッテリーは、火災リスクが他の廃棄物と比較して突出しやすく、処理側の受入条件も厳しいため、書類の不備が即トラブル化します。

 

特に次の3点は、業者選定以上に“現場の事故防止”に効きます。

 

  • マニフェストの対象物を、現場内で一意に特定できる呼び名にする(例:「電動工具バッテリー」「蓄電池ユニット」など曖昧語を避ける)。
  • 数量・荷姿・保管状態(端子処理、膨張の有無)を、引渡し前に写真で記録しておく(後日の「混入・破損」論争を減らす)。
  • 最終処分までの確認を「誰が」「いつ」行うかを工程表に埋める(工期末に滞留しやすい)。

参考リンク(自治体処理施設での火災・発火の実態、破砕工程のリスク、対策の考え方が整理されています)
https://www-cycle.nies.go.jp/jp/report/LIB_ignition_guideline.html

リチウムイオンバッテリー廃棄業者と火災と発火

自治体の不燃系施設等で、リチウムイオン電池の混入に起因した発火・火災が頻発・増加していると報告されています。
同資料では、施設火災の被害額が年間100億円程度と推計され、復旧に数カ月以上を要する場合もあると整理されています。
発生場所は搬送段階が多く、破砕段階を含めると9割以上という見立ても示され、現場の「混ぜない」「破砕に乗せない」対策が事故抑止に直結します。
建設現場の観点で重要なのは、「廃棄工程に入った瞬間に危険が増える」点です。

 

電池は、普段は工具・機器の一部として扱われますが、廃棄物になった瞬間に“荷姿の自由度”が上がり、端子露出・圧縮・落下・水濡れなどの偶発ストレスが増えます。

 

その結果、収集運搬車・処理施設の工程で発火し、現場外でも事故が起きるため、排出側の社会的責任が問われやすい領域になります。

 

参考)https://www.jbrc.com

現場でできる火災予防の実務は、派手な設備投資より「仮置きの品質」を上げることです。

 

  • 端子部はテープ等で絶縁し、金属接触(短絡)を避ける。
  • 膨張・破損・異臭など異常品は、通常品と分けて仮置きし、引渡し時に申告する(受入条件に影響)。
  • 他の廃棄物(混合廃棄物・金属くず・小型家電)に紛れ込む導線を断つ(専用容器・専用置場・表示)。

リチウムイオンバッテリー廃棄業者と分別と他の廃棄物

東京都の注意喚起では、リチウムイオン電池を含む製品は分別し、他の廃棄物に混ぜないことが明確に示されています。
また、委託していないのに廃棄物に混入していた場合、委託基準違反で処罰対象となり得るだけでなく、車両・施設破損や従事職員の安全を脅かすとされています。
この「混入」は、現場で最も起きやすいヒューマンエラーなので、仕組みで潰すのが合理的です。
混入が起きる典型パターンは、次のような“現場あるある”です。

 

  • 電動工具を廃棄する際、バッテリーを外さずにそのまま金属くずへ。
  • 小型家電(測定器、通信端末、ライト等)を不燃系の箱へまとめ、電池内蔵に気づかない。
  • 下請ごとに仮置きルールが違い、最終的に元請の集積所で混ざる。

対策は「注意喚起」だけだと弱いので、運用を三点セットにします。

 

  • 表示:集積所に「リチウムイオン電池 混入禁止」を掲示し、誰でも判断できるようにする(多言語も検討)。
  • 分別容器:透明コンテナ等にして、混入が目視で分かる状態にする。
  • 責任者:週次で中身を点検する担当を決め、混入があればその場で是正する(“後で”はだいたい手遅れ)。

リチウムイオンバッテリー廃棄業者と建設現場の独自視点

自治体施設の火災対策ガイドラインでは、破砕工程が発火・火災の主要な発生段階になり得ることが整理されており、破砕される電池使用製品の量を減らすことが発火件数低減に効くと示唆されています。
この示唆を建設現場に置き換えると、「現場内で“破砕されうる流れ”に乗せない」設計が、最も費用対効果が高い安全投資になります。
つまり、廃棄のプロ(業者)に任せる前段階として、元請の現場設計が勝負ということです。
独自視点として効くのは、廃棄を“片付け”ではなく“安全工程”として扱い、KY(危険予知)に組み込む運用です。

 

たとえば、次のように現場ルールを「工程」に落とすと、検索上位の一般論より一段深い改善になります。

 

  • 週1回の「バッテリー棚卸し」:廃棄予定(劣化・膨張・故障)を早期に隔離し、満杯になる前に回収依頼を入れる。
  • 引渡し前の「荷姿検査」:端子絶縁、混入ゼロ、膨張品の分離、数量一致をチェックリスト化する。
  • 協力会社ルール統一:下請ごとの“持ち帰り・まとめ捨て”を防ぎ、現場で一本化した排出ルートに統一する。

現場では「廃棄費用」ばかりに目が行きがちですが、実は最も高くつくのは“事故が起きた後”です。

 

収集運搬車・処理施設で火災が起きれば、社会的信用、再発防止策、説明責任、現場の停止など、金額に換算しにくい損失が積み上がります。

だから、リチウムイオンバッテリー廃棄業者を探す行為は、単なる外注先探しではなく、現場の安全設計の一部として位置づけるのが合理的です。

 

参考)事業活動から出るリチウムイオン電池(産業廃棄物)