

三斜法は、敷地や形状をいくつかの三角形に分割し、各三角形の「底辺」と「高さ」から面積を求め、最後に合算して全体面積を出す考え方です。三斜求積表という名称で運用されることが多く、現場では「敷地図(または計画図)→三角形分割→求積表→合計」という流れで、数量や申請添付資料の根拠を作ります。
三斜求積表で重要なのは、「どこを底辺に取ったか」と「高さが底辺に対して直角(垂線)になっているか」を、第三者が追える形で残すことです。ここが曖昧だと、面積は合っていても根拠図として弱くなり、チェックで差し戻しが起きやすくなります。
また三斜法の実務的なコツは、三角形分割を“細かくしすぎない”ことです。三角形が増えるほど転記・入力・符号のミスが増え、面積が合わないときに原因追跡が難しくなるため、分割は「単純形状を少数」で完結させるほど強い資料になります。
Jw_cadで三斜求積図(敷地情報)を作図する例では、最初に「基準となる敷地境界線を決める」ことが手順として明示されています。実務での最適解は、(1)図面枠に対して水平に置ける長い辺、(2)通り芯や道路境界など後工程で参照される辺、(3)角度情報が少なくても再現性が高い辺、のいずれかを基準線にすることです。
具体的には、線ツールで基準線の長さを入力し、水平・垂直を有効にして水平線として確定させる手順が紹介されています。続いて多角形ツールで「2辺」指定により、三角形を順に確定していく流れになっており、三斜(2辺や3辺の条件)から三角形を組み上げて敷地を復元する作業に向いています 。
参考)三斜求積表から敷地図を作成する方法|Jw_cadで三角形を描…
このときの注意点は、基準線を「とりあえず水平」に置いたあと、図面全体の向き(北方向や道路線形)との整合が必要な案件では、最終的に回転や座標合わせが発生する点です。基準線の選定が悪いと、回転後に端点が微妙にズレて見え、境界線の取り合いで再修正が増えます。
「作図はできたが、面積表の作成が手間」という場面では、Jw_cadの外部変形を使って三斜面積計算表を出力する運用が紹介されています。手順としては、外部変形コマンドを実行し、バッチ(例:JWW_SMPL.BAT)を選び、求積する図形を選択して面積表の配置位置を決め、初期番号(開始番号)やレイヤ指定、小数点以下有効桁数を設定して進める流れです 。
ここで実務的に効くのが「初期番号指定」と「レイヤ指定」です。三斜番号は、後から図面と表を突合するときのキーになるので、案件内で番号ルール(時計回り、左上から、など)を統一するとレビューが一気に通りやすくなります 。
参考)Jw_cad 三斜面積計算表を作成する
さらに、小数点以下有効桁数は“精度のため”だけでなく“検算のため”にも効きます。例えば、現地測量値の丸め(mm→cm→m)や、CAD上の作図単位の違いがあると、端数の揺れがどこで発生したかを追えなくなるため、最初に桁ルールを決めておくと差異の説明がしやすくなります 。
三斜法で面積が合わない原因は、計算式そのものよりも「図形の取り違い」「底辺と高さの組み合わせミス」「単位や桁の混在」に偏りがちです。特に、底辺に対して垂線の足がどこに落ちるかを誤解すると、同じ長さでも高さが変わってしまい、見た目に気づきにくいズレになります。
チェックの実務でおすすめなのは、次の3点を“毎回同じ順番”で行うことです。
意外に効くのは「差分の出方で原因を当てる」方法です。差分が一定割合で増減するなら単位・縮尺系、差分が特定の三角形だけ大きいなら転記・底辺高さの取り違い、差分が微小に散るなら丸め・小数点桁の不一致、という具合に当たりを付けると、修正時間が短くなります。
検索上位の解説は「作り方・操作手順」に寄りがちですが、建築従事者の実務では“作れる”より“通る(説明できる)”が重要です。そこで独自視点として、三斜法の成果物を「上司チェック」「役所協議」「元請提出」まで想定して、根拠の見せ方を最初から設計しておくと強いです。
具体的には、図面と三斜求積表が一対一で対応する状態を作ります。たとえば、三角形ごとに番号を振り、図面側にも同じ番号を記載し、底辺と高さがどの線(どの補助線)か分かるように表現するだけで、レビュー側の確認コストが激減します(=通りやすい)。
さらに「変更に強い」資料にするなら、三角形分割の方針を固定します。敷地の一部が変更になっても、分割を毎回作り直すのではなく、影響範囲の三角形だけ差し替えられるようにしておくと、差分説明が簡単で、過去版との突合も楽になります。これは数量根拠の信頼性を上げ、手戻りを減らす実務テクニックです。
(Jw_cadで三斜面積計算表を作成する際の操作手順の参考)
Jw_cad 三斜面積計算表を作成する
(三斜求積表から敷地図を作成する、基準線の決め方と多角形ツール操作の参考)
三斜求積表から敷地図を作成する方法|Jw_cadで三角形を描…