セラミクリーンの施工方法完全ガイド|業者必見のコツと注意点

セラミクリーンの施工方法完全ガイド|業者必見のコツと注意点

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セラミクリーン施工方法

セラミクリーン施工の重要ポイント
🏗️
下地処理の徹底

含水率10%以下、pH10以下の確認と適切な前処理が成功の鍵

材料調合のコツ

泡立て防止と適切な希釈率で品質向上を実現

🎯
仕上げ別施工法

ゆず肌・SPタイル・スチップル各仕上げの専門テクニック

セラミクリーンの基本特性と下地処理のポイント

セラミクリーンは、エスケー化研が開発した高耐久・低汚染型水性セラミックシリコン樹脂系単層弾性塗材です。 弾性セラミックシリコン系樹脂を主要構成成分とし、期待耐用年数8~10年という優れた性能を持っています。

 

下地処理において最も重要なのは、適切な乾燥状態の確保です。施工前には必ず下地の含水率を10%以下、pH値を10以下にする必要があります。 これらの数値を満たしていない場合、塗膜の密着不良や早期劣化の原因となります。

 

📋 下地処理の具体的手順

  • 高圧洗浄(5~15MPa)で塵・ほこり・汚れを完全除去
  • 旧塗膜の脆弱層をサンダー・皮スキ・ケレン棒で除去
  • 傷・不陸・目違いの補修調整
  • 必要に応じてミラクファンドKC-1000による段差修正

特に見落としがちなのが、ALCパネルや多孔質下地への対応です。これらの下地には専用の下塗材(SFアンダー、カケンフィラー等)の使用が推奨されています。

 

セラミクリーン施工工程と材料調合の重要ポイント

セラミクリーンの施工は基本的に2回塗り工程で行われます。基層塗りと模様塗りという2段階の工程により、美しい仕上がりと優れた耐久性を実現します。

 

⚠️ 材料調合時の注意事項

  • 撹拌時は泡をかまないよう細心の注意を払う
  • 清水での希釈は仕上げ方法により調整
  • 調合比は重量比で正確に計量

材料調合において、多くの施工業者が見落としがちなのが撹拌方法です。泡が入ると塗膜の品質に大きく影響するため、低速での撹拌を心がける必要があります。

 

仕上げ別希釈率(清水との重量比)

仕上げ方法 基層塗り 模様塗り
ゆず肌状ローラー 2~4% 5~10%
SPタイル 3~5% 3~5%
スチップル 4~6% 4~6%

工程間の乾燥時間も品質に直結する重要な要素です。20℃の環境で工程間3時間以上、最終養生24時間以上の確保が必要です。 気温が低い場合はさらに長時間の養生が必要となります。

 

セラミクリーン仕上げ方法別の施工テクニック

セラミクリーンは複数の仕上げパターンに対応しており、それぞれ異なる施工技術が求められます。最も一般的なゆず肌状ローラー仕上げから、高級感のあるSPタイル仕上げまで、各手法の特徴を理解することが重要です。

 

🎨 ゆず肌状ローラー仕上げ
基層塗りにはM-9ローラー(マスチックローラー)を使用し、塗布量0.8~1.1kg/m²で厚めに塗装します。 模様塗りではウールローラーに変更し、0.2~0.3kg/m²で質感を整えます。この工法は最も汎用性が高く、コストパフォーマンスに優れています。

 

SPタイル仕上げの特徴
より細かな質感を求める場合に選択されるSPタイル仕上げでは、SPローラー(マスチックローラー細目)を使用します。 基層・模様塗り共に0.4~0.5kg/m²と、ゆず肌仕上げより少ない塗布量で施工できるため、材料効率が良好です。

 

スチップル仕上げの技術ポイント
最も材料使用量が少ないスチップル仕上げでは、基層・模様塗り共に0.3~0.4kg/m²での施工となります。 ウールローラーを使用し、軽やかな質感を表現できます。

 

特殊な仕上げとして、セラミクリーンタイルを使用した吹放し仕上げ・凸部処理仕上げも可能です。 この場合、リシンガンやタイルガンを使用し、より立体的な仕上がりを実現できます。

 

セラミクリーン施工時の注意点と品質管理

施工環境の管理は、セラミクリーンの性能を最大限発揮させるために不可欠です。湿度85%以上での施工は原則的に避け、気温5℃以下の場合は採暖及び養生により雰囲気温度・被塗面温度を5℃以上に保つ必要があります。

 

🌡️ 施工環境の管理基準

  • 湿度:85%未満を維持
  • 気温:5℃以上を確保
  • 風速:強風時は施工中止
  • 降雨:完全乾燥まで雨かかり防止

シーリング材との相性にも注意が必要です。シーリング材の種類や材齢により、塗膜が密着しない場合や汚染が発生する可能性があります。 特に間隙が広いシーリング部への塗装は、塗膜のひび割れリスクが高いため避けることが推奨されています。

 

品質管理のチェックポイント

  • 塗膜厚の均一性確認
  • 塗り残しや塗りムラの有無
  • 適切な乾燥時間の確保
  • 仕上がり状態の最終検査

軽量モルタルやALCパネル、高断熱型外壁への施工では、蓄熱や水の影響により塗膜の膨れや剥がれが生じる可能性があるため、事前の検討と対策が重要です。

 

セラミクリーン施工でよくあるトラブルと対策法

長年の施工経験から、セラミクリーンで発生しやすいトラブルとその対策方法をまとめました。これらの知識は、施工品質の向上と顧客満足度の向上に直結します。

 

塗膜の密着不良
最も多いトラブルの一つが塗膜の密着不良です。主な原因は下地処理の不備や、適合しない下塗材の使用です。押出成形セメント板、GRC板、PC部材にはミラクシーラーEPOの使用が必須です。 改装工事で溶剤形下塗材を使用する場合は、必ず試し塗りを実施し、旧塗膜への影響を確認してください。

 

塗膜の変色・汚染対策
陶磁器タイル洗浄用の酸が付着すると変色や溶解が発生します。 近隣でタイル洗浄作業が予定されている場合は、事前に塗装面の養生を行うことが重要です。

 

🔧 材料調合時のトラブル

  • 泡立ちによる塗膜不良:低速撹拌の徹底
  • 希釈率間違い:計量器具の校正確認
  • 材料分離:使用前の十分な撹拌

施工工程でのトラブル回避
凸部処理を行う際に灯油等の他材料を使用することは絶対に避けてください。 これにより塗膜の品質低下や密着不良が発生する可能性があります。

 

気象条件によるトラブル
冬期施工では特に注意が必要です。低温・高湿度環境では乾燥時間が大幅に延長され、場合によっては塗膜形成不良が発生します。事前に関係者との十分な打ち合わせを行い、施工スケジュールを調整することが重要です。

 

アフターケアのポイント
施工完了後も定期的な点検を推奨します。特に初期の段階で小さな異常を発見できれば、大きなトラブルに発展する前に対処可能です。顧客との良好な関係維持にも繋がります。

 

これらの対策を適切に実施することで、セラミクリーンの優れた性能を最大限に活かし、長期間美しい外観を維持できる高品質な仕上がりを実現できます。