

シャンクが止まらない最大の原因は、スイング軌道がアウトサイドインになっていることです。この軌道では、ダウンスイングでクラブヘッドが目標ラインの外側から入り、内側に抜けていく8の字のような動きになります。テイクバックでは手が身体に近い位置を通過しますが、ダウンスイングでは体から遠い場所を通過するため、クラブが正しい位置に戻らずネック部分にボールが当たってしまいます。
参考)https://osaka-dentist.jp/article/?a=detailamp;id=48
体を使ったスイングではなく、腕の力だけでクラブを振るとこのアウトサイドインの傾向が強く出るため、初心者ゴルファーに多く見られる現象です。アウトサイドから入ってくるヘッドをインサイドへ逃がそうとして体が開いた状態になり、フェースが戻らないままインパクトを迎えることでシャンクが発生します。
参考)https://www.stepgolf.co.jp/articles/781
練習場でこの軌道を修正するには、インサイドインの理想的な軌道を意識する必要があります。ボールと目標点を結んだターゲットラインを基準として、ダウンスイングからフォロースルーまでがこのラインよりも体側で移動する軌道を描くことで、フェースコントロールがしやすくなりシャンクを防げます。
シャンクが止まらないもう一つの重要な原因は、インパクト時にフェースが開いてしまうことです。クラブにはオープン特性というものがあり、ダウンスイングでフェースが開こうとする動きが自然に発生します。特にビギナーレベルのゴルファーは、このフェースが開く動きに対して何も抵抗していないため、クラブのネック部分だけがボールに向かってきてシャンクが発生します。
参考)https://pro-golfacademy.com/chishiki/1914/
フェースが開いた状態でインパクトを迎えると、フェース面よりもネック部分のほうが前にあるため、必然的にネックにボールが当たってしまいます。この問題を解決するには、インパクトでフェースが開かないようにコントロールすることが重要になります。
参考)https://gora.golf.rakuten.co.jp/goralife/articles/skill/naito_yuji/iron_shank/
最も効果的な対策は、グリップをストロンググリップに変更することです。左手の親指をシャフトの真上よりも右側にしっかりと持ってくることで、フェースが開きづらくなり閉じやすくなります。ストロンググリップに変更すれば、ビギナーレベルのシャンクはほとんど直ります。
参考)https://golf56.xyz/hosel-shot/
アドレス時の姿勢やボールとの距離が適切でないこともシャンクが止まらない原因となります。ボールと近すぎる距離で構えるとスイングが窮屈になり、インパクト時に手元が前に出てしまってネックでボールに当たることが多くなります。特に初心者や練習不足のゴルファーは、ボールに近づきすぎているケースが多いため注意が必要です。
参考)https://bbtape-japan.com/media/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%A8%E5%85%8B%E6%9C%8D%E6%B3%95%EF%BC%81%E5%AE%89%E5%AE%9A%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%92%E6%89%8B
重心がかかと側にかかっている場合もシャンクを引き起こしやすくなります。かかと重心でアドレスを構えたままダウンスイングに入ると、自然と体が前方に傾き、クラブの軌道がズレてしまうことが多いのです。正しいアドレスでは、腰を引いて上体を前傾させ、体重が足の母指球にしっかりとかかるように意識する必要があります。
参考)https://golfzon.jp/2021/01/12/shank-golf/
ボールとの適切な距離を保つためには、クラブを持った状態で腕をリラックスさせ、自然に垂れる位置で構えることがポイントです。前傾姿勢をしっかりと保ち、クラブとボールの距離を適切に保つことで、インパクトでアドレス時の姿勢を再現しやすくなります。
シャンクを根本から直すための最も効果的な練習方法は、ボールを2個並べてショットする練習です。ボールを2つ並べ、手前のボールに合わせて構えます。このとき、奥のボールがクラブヘッドにギリギリ当たらない位置に調整することがポイントです。奥のボールに触れないように手前のボールを打つようにスイングすることで、クラブヘッドが前に出ないようなスイングに矯正できます。
参考)https://www.stepgolf.co.jp/articles/1455
もう一つ効果的なのが、ボールの前にクラブやボールを置く練習法です。写真のように構え、ボールだけを打つことで、アウトサイドインのカット軌道を修正できます。この練習を行う際は、置いたクラブに当たらないよう意識することで、正しいスイング軌道が身につきます。
左足一本で立ってボールを打つ練習も有効です。左足重心でスイングすることで、シャンクの原因の一つである「右腰が前に出てしまう動き」を矯正できます。通常通り構えた状態から、右足をつま先立ちにしてスイングすることで、体が突っ込む動きを防ぐことができます。
参考)https://www.alba.co.jp/articles/category/lesson/post/causes-of-shanking-asl/
ラウンド中に突然シャンクが止まらなくなった場合の応急処置として、まず頭を動かさないことだけを意識してみましょう。頭は身体の中で最も重い部分であり、スイング中に頭が動くとシャンクに限らず様々なミスを引き起こします。シャンクが出る場合は、スイング中に頭が前方に動いている可能性があるため、無理にスイングを直すことなく頭の位置を固定するだけでシャンクを改善できる場合があります。
参考)https://zerokara.golf/column/2025-07-09/1156/
ダウンスイングでグリップを身体に引き寄せるイメージで打つことも効果的です。遠心力の影響でグリップと身体が離れると、手が先行してシャンクが起こります。グリップエンドを地面に叩きつけるイメージで身体と腕を同調させることで、一体化したスイングができるようになります。
参考)https://gridge.info/article/swing/detail.php?id=2229
つま先重心で構えることも即効性のある対処法です。ボールの位置を少し後ろに調整したり、グリップを短く持つことでもシャンクを抑えることができます。またボールのトゥ側(先端側)を狙って打つことで、ネックに当たるリスクを減らせます。最も重要なのは、シャンクを怖がって思い切り振らないことも原因になり得るため、練習中は怖がらずに思い切り振るようにすることです。
参考)https://grandfields-cc.com/451/
シャンクを直そうとして極端なインサイドアウト軌道に修正することも、実は新たなシャンクの原因となる場合があります。アウトサイドインのスイングを無理に直そうとしてインサイドアウトにしすぎると、インパクトでクラブの通り道が詰まってしまいます。その結果、前傾が崩れて起き上がったり、手元が体から離れてネックに当たるシャンクが発生します。
参考)https://www.golfdo.com/knowledge/onayami/3211/
正しい対処法は、体とクラブの動きに時間差を作り、適度なインサイドアウト軌道でスイングすることです。体に引っ張られて腕とクラブが遅れて下りてくるイメージを持つことで、クラブヘッドが正しい軌道を通ります。極端な軌道修正は避け、インサイドインの理想的な軌道を目指すことが重要です。
参考)https://egolf.jp/lesson/203841/
建築業に従事する方は、日々の仕事で培った正確な計測感覚を活かして、スイング軌道の角度やボールとの距離を客観的にチェックすることができます。練習場では動画を撮影して自分のスイング軌道を確認し、基準となるターゲットラインに対してクラブヘッドがどのように動いているか分析することが効果的です。