ソファ寸法一覧表記の見方と部屋配置目安解説マニュアル

ソファ寸法一覧表記の見方と部屋配置目安解説マニュアル

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ソファ寸法一覧

ソファ寸法の基本構成要素
📏
外寸サイズ(W×D×H)

ソファ全体の幅・奥行・高さで配置計画に必要

🪑
座面寸法(SW×SD×SH)

実際の座面幅・奥行・高さで使用感を決定

👥
人数表記(1P~4P)

使用人数に応じたサイズ区分の目安

ソファ寸法表記の見方と記号解説

建築業界でソファ仕様を検討する際、カタログや図面に記載されるサイズ表記の正確な読み方を理解することが重要です。

 

基本的な寸法表記記号

  • W(Width): ソファ全体の幅寸法
  • D(Depth): ソファ全体の奥行寸法
  • H(Height): 床面からソファ最上部までの高さ
  • SH(Seat Height): 床面から座面までの高さ
  • SW(Seat Width): 座面の実際の幅寸法
  • SD(Seat Depth): 座面の実際の奥行寸法

表記例として「W1800×D920×H750×SH390mm」の場合、幅1800mm、奥行920mm、高さ750mm、座面高390mmを示します。この外形寸法は搬入経路の確認や設置スペースの算出に必要な数値です。

 

座面寸法と外寸の違い
外寸にはアームレストや背もたれの厚みが含まれるため、実際に座れる座面寸法とは大きく異なります。例えば幅1800mmのソファでも、実際の座面幅は1550mm程度になることが一般的です。設計段階では両方の寸法を把握しておく必要があります。

 

人数表記の「P(Person)」は座面幅をベースとした目安で、同じ2.5人掛けソファでもアーム有無により外寸は変わります。建築図面への記載時は必ず外寸を記載し、使用感については座面寸法を参考にします。

 

ソファ人数別サイズ一覧と目安

設計段階でのソファ選定には、人数別の標準サイズ一覧を把握することが効率的です。

 

1人掛けソファの寸法範囲

  • 総幅: 60~90cm
  • 奥行: 70~90cm
  • 座面幅: 50~70cm
  • 適用空間: ワンルーム、個室、ロビー待合

1.5人掛けソファの寸法範囲

  • 総幅: 90~140cm
  • 奥行: 75~95cm
  • 座面幅: 70~110cm
  • 適用空間: 小規模応接室、個人オフィス

2人掛けソファの寸法範囲

  • 総幅: 110~160cm
  • 奥行: 80~100cm
  • 座面幅: 90~130cm
  • 適用空間: 一般住宅リビング、小会議室

2.5人掛けソファの寸法範囲

  • 総幅: 160~190cm
  • 奥行: 85~105cm
  • 座面幅: 130~160cm
  • 適用空間: ファミリーリビング、応接室

3人掛けソファの寸法範囲

  • 総幅: 170~220cm
  • 奥行: 85~110cm
  • 座面幅: 140~180cm
  • 適用空間: 大型リビング、エントランスロビー

4人掛け以上のソファ寸法範囲

  • 総幅: 240~280cm以上
  • 奥行: 90~120cm
  • 座面幅: 200~250cm
  • 適用空間: 大型会議室、ホテルロビー、商業施設

建築計画では、ソファ前面に450~600mmの通行スペースを確保することが一般的です。また、コーナーソファやカウチソファの場合は、L字配置により占有面積が大幅に増加するため、平面計画で十分な検討が必要です。

 

ソファ奥行と高さ寸法の選び方

ソファの奥行と高さは、使用者の体格や用途に大きく影響する重要な寸法要素です。

 

奥行寸法の標準値と選定基準
一般的なソファの奥行は50~60cmが標準的な範囲です。しかし用途により適切な奥行は変わります。

  • 浅い奥行(40~50cm): オフィス用途、短時間着座
  • 標準奥行(50~60cm): 一般家庭用、日常的な使用
  • 深い奥行(60~70cm以上): リラックス重視、長時間着座

座面奥行(SD)は外寸奥行より10~20cm程度小さくなることを考慮します。例えば外寸奥行85cmのソファの座面奥行は約65cm程度です。

 

高さ寸法の構成要素
ソファの高さ寸法は以下の要素で構成されます。

  • 全高(H): 床面から背もたれ上端まで(70~90cm)
  • 座面高(SH): 床面から座面まで(35~45cm)
  • 背もたれ高: 座面から背もたれ上端まで(35~50cm)

座面高の選定指針
座面高は使用感に直結する重要な寸法です。

  • 低座面(35cm以下): ローソファ、和室対応、圧迫感軽減
  • 標準座面(38~42cm): 一般的な使用、日本人平均体型対応
  • 高座面(43cm以上): 立ち座りしやすい、高齢者配慮、欧米仕様

フェザークッション使用のソファは着座時に約5cm沈み込むため、実際の座面高はSH表記より低くなることに注意が必要です。建築設計では、対象利用者の体格や年齢層を考慮した座面高選定が求められます。

 

ソファ配置での部屋サイズ計算方法

建築設計においてソファ配置を計画する際は、家具寸法だけでなく動線や他家具との関係を総合的に検討する必要があります。

 

最小必要面積の算出方法
ソファ配置に必要な面積は以下の要素を含めて計算します。

  • ソファ本体寸法(W×D)
  • 前面通行スペース:450~600mm
  • 側面・背面クリアランス:200~300mm
  • 対面家具(テレビボード等)との距離:1200~1800mm

部屋の畳数別推奨ソファサイズ

  • 6畳(約10㎡): 1~1.5人掛け、総幅120cm以下
  • 8畳(約13㎡): 2人掛け、総幅160cm以下
  • 10畳(約16㎡): 2.5人掛け、総幅190cm以下
  • 12畳(約19㎡): 3人掛け、総幅220cm以下
  • 14畳以上(約22㎡~): 3人掛け以上、コーナーソファ可

リビングダイニング一体型の配置計算
LDK空間では、ダイニングテーブルとソファの配置バランスが重要です。

  • ダイニングテーブル背面からソファまで:800mm以上
  • ソファとテレビの視聴距離:画面高の3倍以上
  • キッチンからリビングへの動線:800mm以上確保

コーナーソファの占有面積
L字型コーナーソファは見た目以上に占有面積が大きくなります。例えば幅1840mm×奥行1790mmの基本セットでも、実際の占有面積は約3.3㎡となり、10畳空間の約20%を占有します。

 

設計段階では3Dモデリングソフトを活用し、実際の空間感覚を確認することが効果的です。また、将来的な家具の入れ替えや模様替えの可能性も考慮した配置計画が求められます。

 

ソファ寸法測定での建築現場活用法

建築現場におけるソファ関連の寸法管理は、施工精度と居住性能に直結する重要な業務です21。

 

搬入経路の事前寸法チェック
ソファ搬入では以下の経路寸法を事前確認します。

  • 玄関ドア開口: ソファ最大寸法+100mm以上
  • 廊下幅員: ソファ奥行+200mm以上
  • 階段: 踊り場での回転半径を考慮
  • エレベーター: かご内寸法と扉開口の両方確認

大型ソファの場合、窓からのクレーン搬入や分解搬入も検討します。設計段階で搬入方法を想定し、必要に応じて開口寸法を調整することが重要です。

 

床仕上げとソファ脚の関係
ソファ脚部の寸法は床仕上げ材の選定に影響します。

  • 直置きタイプ: フローリング傷防止対策必要
  • 脚付きタイプ: 脚間寸法に応じた床材割付検討
  • キャスター付き: 床材の耐荷重性能確認

畳仕上げの場合、ソファの重量分散を考慮し、必要に応じて床板の補強を検討します。

 

コンセント・スイッチ配置との調整
ソファ配置予定位置では、電気設備の配置調整が必要です。

  • 背面コンセント: ソファ奥行+100mm以上離隔
  • サイドテーブル用コンセント: ソファアーム高さ考慮
  • 照明スイッチ: ソファ着座時の操作性確認

現場寸法確認のポイント
竣工検査時のソファ関連チェック項目。

  • 配置予定位置の水平精度(±3mm以内)
  • 壁面との並行度確認
  • 床仕上げ材の損傷有無
  • 近接する造作家具との取り合い寸法

これらの現場管理により、設計意図通りのソファ配置が実現でき、居住者の満足度向上につながります。建築現場での正確な寸法管理は、家具との調和した空間づくりの基盤となる重要な業務です。