
建築業界でソファ仕様を検討する際、カタログや図面に記載されるサイズ表記の正確な読み方を理解することが重要です。
基本的な寸法表記記号
表記例として「W1800×D920×H750×SH390mm」の場合、幅1800mm、奥行920mm、高さ750mm、座面高390mmを示します。この外形寸法は搬入経路の確認や設置スペースの算出に必要な数値です。
座面寸法と外寸の違い
外寸にはアームレストや背もたれの厚みが含まれるため、実際に座れる座面寸法とは大きく異なります。例えば幅1800mmのソファでも、実際の座面幅は1550mm程度になることが一般的です。設計段階では両方の寸法を把握しておく必要があります。
人数表記の「P(Person)」は座面幅をベースとした目安で、同じ2.5人掛けソファでもアーム有無により外寸は変わります。建築図面への記載時は必ず外寸を記載し、使用感については座面寸法を参考にします。
設計段階でのソファ選定には、人数別の標準サイズ一覧を把握することが効率的です。
1人掛けソファの寸法範囲
1.5人掛けソファの寸法範囲
2人掛けソファの寸法範囲
2.5人掛けソファの寸法範囲
3人掛けソファの寸法範囲
4人掛け以上のソファ寸法範囲
建築計画では、ソファ前面に450~600mmの通行スペースを確保することが一般的です。また、コーナーソファやカウチソファの場合は、L字配置により占有面積が大幅に増加するため、平面計画で十分な検討が必要です。
ソファの奥行と高さは、使用者の体格や用途に大きく影響する重要な寸法要素です。
奥行寸法の標準値と選定基準
一般的なソファの奥行は50~60cmが標準的な範囲です。しかし用途により適切な奥行は変わります。
座面奥行(SD)は外寸奥行より10~20cm程度小さくなることを考慮します。例えば外寸奥行85cmのソファの座面奥行は約65cm程度です。
高さ寸法の構成要素
ソファの高さ寸法は以下の要素で構成されます。
座面高の選定指針
座面高は使用感に直結する重要な寸法です。
フェザークッション使用のソファは着座時に約5cm沈み込むため、実際の座面高はSH表記より低くなることに注意が必要です。建築設計では、対象利用者の体格や年齢層を考慮した座面高選定が求められます。
建築設計においてソファ配置を計画する際は、家具寸法だけでなく動線や他家具との関係を総合的に検討する必要があります。
最小必要面積の算出方法
ソファ配置に必要な面積は以下の要素を含めて計算します。
部屋の畳数別推奨ソファサイズ
リビングダイニング一体型の配置計算
LDK空間では、ダイニングテーブルとソファの配置バランスが重要です。
コーナーソファの占有面積
L字型コーナーソファは見た目以上に占有面積が大きくなります。例えば幅1840mm×奥行1790mmの基本セットでも、実際の占有面積は約3.3㎡となり、10畳空間の約20%を占有します。
設計段階では3Dモデリングソフトを活用し、実際の空間感覚を確認することが効果的です。また、将来的な家具の入れ替えや模様替えの可能性も考慮した配置計画が求められます。
建築現場におけるソファ関連の寸法管理は、施工精度と居住性能に直結する重要な業務です21。
搬入経路の事前寸法チェック
ソファ搬入では以下の経路寸法を事前確認します。
大型ソファの場合、窓からのクレーン搬入や分解搬入も検討します。設計段階で搬入方法を想定し、必要に応じて開口寸法を調整することが重要です。
床仕上げとソファ脚の関係
ソファ脚部の寸法は床仕上げ材の選定に影響します。
畳仕上げの場合、ソファの重量分散を考慮し、必要に応じて床板の補強を検討します。
コンセント・スイッチ配置との調整
ソファ配置予定位置では、電気設備の配置調整が必要です。
現場寸法確認のポイント
竣工検査時のソファ関連チェック項目。
これらの現場管理により、設計意図通りのソファ配置が実現でき、居住者の満足度向上につながります。建築現場での正確な寸法管理は、家具との調和した空間づくりの基盤となる重要な業務です。