

測量法の一部改正は、令和6年6月12日に改正され、原則として令和7年4月1日から施行とされています。
ただし例外があり、「第54条の2を追加する改正」については公布日(令和6年6月19日)から施行と明記されています。
建築・土木の現場で厄介なのは、法律の施行日=すべての運用が同時に切り替わる、とは限らない点で、社内規程・帳票・委託仕様書・チェックリストの「どれをいつ改定するか」を先に決めないと混乱します。
実務では、次の2段階で管理すると事故が減ります。
参考)測量法の一部改正について
参考)302 Found
「法改正の話は総務や管理部門の仕事」と切り分けたくなりますが、成果品の受領形態が変わると、現場の段取り(提出期限、検査、照査、保管)まで連鎖して変わります。
今回の改正概要として、国土地理院は「測量成果等の提供の電子化」を柱の一つに挙げています。
2025年4月1日の施行に合わせて、測量成果・測量記録の「書面交付」に加え、データ(電磁的記録)での提供や、データをもって作成された測量成果等の事項を記載した書面の交付など、新しい請求が可能になる旨が示されています。
さらに重要なのは、データ提供では証明印の押印を行わない、という運用が明記されている点で、「印がない=無効」と短絡すると社内検査で詰まります(受領の正当性を担保する方法を別途決める必要があります)。
段取りに直撃する変更もあります。
意外に見落とされがちなのが、閲覧サービス側の変更です。基準点成果等閲覧サービス等のURLやUIが変わり、ログイン方法も変更され、現行ID・パスワードは使えなくなるとされています。
つまり「明日、急に基準点成果を取りたい」となったとき、担当者がログインできず、現場が止まる可能性があるため、年度切替前にアカウント移行・手順書更新を終えておく価値が高いです。
参考:交付・提供の具体的な手続、手数料、提供形態(メール/DVD)までまとまっている(測量成果の受領フロー設計の根拠に使える)
302 Found
国土地理院が示す改正概要には、「測量業の登録に関する暴力団排除規定の整備」が含まれています。
これは現場の測量手法そのものより、元請・一次・協力会社の選定や、登録の維持管理に関わる論点で、特に公共工事や大手ゼネコン案件では「協力会社審査の根拠条文」をアップデートする契機になります。
建築側の実務で言うと、測量業務を外注する際の見積比較だけでなく、「登録に問題がないか」「更新手続や書類整備の運用が回っているか」といったガバナンス面が、監査・是正の対象になりやすいです。
チェック観点(入札・発注・委託での事故防止)を、最低限これだけ揃えると実務的です。
ここは「法律が変わったから対応する」というより、「外注管理の弱点が露出しやすい領域」と捉えた方が、社内稟議も通りやすく、是正の優先順位が上がります。
改正概要の一つに「技術の進展に対応した担い手(測量士・測量士補)の確保」が掲げられています。
具体項目として、養成施設の要件見直し、同等以上の知識・技能を有する者への資格付与、そして資格の在り方の検討が挙げられており、採用・育成・配置計画にも影響し得ます。
特に建築・造成・インフラ系の現場では、測量担当が不足すると「着工前の境界・出来形・数量」が詰まり、施工計画や出来形管理の遅れとして表面化するため、法令改正を人員計画に接続して考える必要があります。
現場で実害が出やすいのは、「資格者がいないと進められない業務」と「資格者でなくてもできるが照査が必要な業務」が混同されることです。
そこで、次のように業務を棚卸ししておくと、担い手不足のときに無理な回し方をせずに済みます。
「資格の要件が変わるかもしれない」局面では、教育投資が止まりがちですが、むしろ逆で、社内の標準手順(観測→処理→照査→納品)を固定しておくと、個人依存を減らしやすいです。
参考:改正の全体像(担い手確保/電子化/登録制度)を公式に短く把握できる(上司説明・稟議の根拠に使える)
測量法の一部改正について
測量成果等の提供の電子化が進むと、「受領したデータが正しいこと」をどう担保するかが、従来より前面に出ます(紙の証明印が無いケースが公式に想定されるためです)。
国土地理院は、データ提供の測量成果・測量記録に証明印の押印は行わない、と明記しており、建築側は「印鑑の代替となる確認」を社内標準として定義する必要が出てきます。
ここは検索上位記事でも「電子化=便利」という面が先に語られがちですが、実務は便利さと引き換えに、改ざん・取り違え・版管理ミスのリスクが増えます。
おすすめの運用(ムダが少なく、監査にも強い)を挙げます。
さらに一歩踏み込むなら、社内の出来形・BIM/CIM・数量算出へ流し込む前に、必ず“受領成果の照合”を入れることが効きます。閲覧サービスのURL変更やログイン変更が起きるタイミングでは、参照元が変わり、誤った成果を参照しても気づきにくいからです。
電子化は単なる効率化ではなく、「データ中心の施工管理」に移行するための前提条件なので、早めに“真正性チェックの型”を作った会社ほど、のちのトラブル対応コストが下がります。