高粘度エポキシ樹脂注入材ひび割れ補修工法

高粘度エポキシ樹脂注入材ひび割れ補修工法

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高粘度エポキシ樹脂注入材ひび割れ補修工法


高粘度エポキシ樹脂注入材の要点

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高粘度を使う場面


「浮き注入」や隙間がある部位で、ダレにくさを活かして一体化を狙う。

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低圧注入工法の基本


低圧・低速で深層まで充填し、耐力壁などの重要部位の補修に向く。

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可使時間と温度


混合量と気温で可使時間が大きく変わるため、段取りが品質を左右する。


高粘度エポキシ樹脂注入材のひび割れ補修工法の使い分け


高粘度エポキシ樹脂注入材が真価を発揮するのは、「ひび割れの接着」よりも、モルタルやタイルの浮きのように“空隙を埋めて一体化させたい”局面です。浮き注入では、穿孔してグリスポンプ等で高粘度エポキシ樹脂を注入し、必要に応じてステンレスピンを併用して部分的な一体化を図る考え方が整理されています。
一方で、ひび割れそのもの(特に細いクラック)に対しては、低粘度材を低圧または高圧で注入し、鉄筋や裏面への水の浸入防止を狙う、という整理も一般的です。つまり「高粘度=全部のクラックに万能」ではなく、空隙形状と目的(接着・止水・充填)の切り分けが、材料選定の一丁目一番地になります。
現場で混同しやすいのが、表面だけ埋めれば良い“見た目対策”と、内部まで樹脂を到達させたい“構造・耐久対策”です。表層の補修しか狙わないなら別工法のほうが合理的な場合もありますが、深部に効かせるなら「注入」という行為そのものが必要になり、材料の粘度・注入圧・注入口配置の設計がセットになります。


参考)https://www.bond.co.jp/bond/reinforce/crack/

高粘度エポキシ樹脂注入材と低圧注入工法の工程

低圧注入工法は、専用器具とゴムの復元力等を利用し、0.4MPa以下の低圧かつ低速でエポキシ樹脂等をひび割れ内部に加圧注入する補修方法として説明されています。表層だけの補修になりやすい工法と比べ、ひび割れ深層部まで補修できる点が特徴で、主要な壁(耐力壁)や貫通クラックの補修に適するという整理です。
工程のイメージは、(1)幅の確認→(2)清掃→(3)座金の取り付け→(4)シール材で周辺を塞いで加圧できる状態を作る→(5)樹脂を器具に充填し、硬化するまでゆっくり注入→(6)24時間程度後に器具撤去、という流れで紹介されています。ここで重要なのは「注入は勢いよく押し込む作業ではなく、時間をかけて進める管理作業」だという点です。

意外と効く小技は、注入の“前段”を雑にしないことです。シールが甘いと樹脂が漏れて圧が立たず、結果として内部に入らないのに「材料は減ったから入ったはず」と誤認しやすくなります。低圧注入は、圧が小さい分だけ、下地の準備(清掃・座金固定・シール連続性)が品質の大半を決めます。

高粘度エポキシ樹脂注入材の可使時間と温度

高粘度形エポキシ樹脂は、グリス状/マヨネーズ状と表現されることがあり、ダレにくさ(揺変性)を特徴として掲げる製品資料もあります。こうしたタイプは、厚みのある隙間でも垂れにくい一方、混合・充填・注入の手際が悪いと材料ロスが出やすいのが弱点です。
また、可使時間の考え方は「時間そのもの」より「温度・混合量・段取りで現場側が変動させてしまう」点が実務では重要です。製品資料には、可使時間内に使い切れる量だけを一度に混合すること、低温時は硬化が著しく遅くなるため原則5℃以上で使用すること、といった注意が明記されています。


参考)https://www.goshou.co.jp/relays/download/36/44/27/389/?file=%2Ffiles%2Flibs%2F390%2F201612191338547155.pdf

あまり表に出ない失敗原因として、冬場に“硬化が遅い=余裕”と捉えて混合量を増やし、結果として攪拌不良(混ざりムラ)や、注入途中で粘度が上がって押し切れない、というパターンがあります。可使時間は「余裕」ではなく「品質保証の枠」なので、注入口の準備と撤去まで含めた作業分割(何回に分けて練るか)を先に決めておくと事故が減ります。

高粘度エポキシ樹脂注入材とひび割れ幅と粘度の関係

ひび割れに使う注入材の粘度は、ひび割れ幅に応じて変える考え方が、技術資料の中で言及されています。例えば、ひび割れ幅0.2~1mm程度までは低粘度エポキシ樹脂、1mm以上は高粘度エポキシ樹脂を用いる、といった整理が示されています。
ここで大事なのは「高粘度のほうが強そうだから」という感覚で選ばないことです。細いクラックに高粘度を使うと、入口付近で“栓”になって奥に進まず、表面だけ固まって内部欠陥が残ることがあります。逆に空隙がある浮き部では、低粘度だと流れすぎて狙った位置に留まらず、充填としては不利になることもあります。


現場管理としては、クラック幅の目視だけでなく、貫通の有無・湿潤状態・漏水の有無・背面条件(片側が空洞か、健全部か)まで含めて「注入の抵抗」が決まる、と押さえると材料選定が安定します。特に漏水・湿潤があると“接着”としての前提が崩れやすいため、目的が止水なのか、構造接着なのかを先に確定させてください。


高粘度エポキシ樹脂注入材の独自視点の施工管理

検索上位の記事は工法説明に寄りがちですが、現場で差がつくのは「施工管理の見える化」です。低圧注入は“ゆっくり入れる”工法なので、注入が進んだ証拠を現場内で共有しないと、途中で触ってしまう・撤去を急ぐ・次工程を被せる、といった事故が起きます。注入後は硬化するまで振動や衝撃を与えないよう養生する、という注意が製品資料にも出ています。
独自視点としておすすめなのは、注入ごとに「注入開始時刻/気温/混合量/終了時刻/次の触り禁止時刻」を、座金近くのマスキングに油性ペンで直接書く運用です。紙の施工記録は後で整えれば良い一方、現場の第三者(別職種)が“触って良いか”をその場で判断できる表示があるだけで、未硬化破壊が激減します。

もう一つは、表面仕上げのトラブルを先に見込むことです。座金撤去で塗装面まで剥がれることがある、という実例も紹介されているため、仕上げ工程がある現場では「撤去後に必要な補修材・補修手順」まで含めて計画に入れておくと、補修の補修(手戻り)を避けやすくなります。

低圧注入工法(深層まで注入できる工法概要)
ひび割れ(クラック)補修 低圧注入工法
浮き注入で高粘度を使う理由(グリスポンプ注入+ステンレスピンで一体化の説明)
https://aponline.jp/term/gaiheki/epoxyjushichunyukoho/

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