シリコン塗料の種類と外壁塗装における特徴と選び方

シリコン塗料の種類と外壁塗装における特徴と選び方

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シリコン塗料の種類と外壁塗装

シリコン塗料の基本情報
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高い人気と普及率

外壁塗装でシェア率80%を誇る人気塗料。耐候性とコストパフォーマンスのバランスが良い

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耐用年数

一般的に10~15年の耐久性。種類によっては18年程度まで延びるものもある

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価格帯

平均2,500~3,500円/㎡。アクリル塗料より高く、フッ素塗料より安価

外壁塗装において最も普及しているシリコン塗料は、その耐候性と価格のバランスから多くの住宅所有者に選ばれています。シリコン塗料は、シリコン樹脂を主成分とした塗料で、アクリル塗料よりも耐久性が高く、フッ素塗料よりも手頃な価格であることが特徴です。

 

外壁塗装の塗料選びは家の保護と美観を長期間維持するために非常に重要です。この記事では、シリコン塗料の種類や特徴、選び方について詳しく解説していきます。

 

シリコン塗料の基本的な特徴と性能

シリコン塗料は外壁塗装において非常に人気の高い塗料です。その理由は以下のような特徴にあります。

 

優れた耐候性:紫外線や雨、風などの自然環境による劣化に強い
コストパフォーマンスの高さ:耐久年数と価格のバランスが良い
豊富な種類と色:様々なメーカーから多様な商品が販売されている
防カビ・防藻性能:多くの製品に防カビ・防藻効果が付加されている
シリコン塗料の耐用年数は一般的に10~15年程度とされていますが、近年開発された高性能なシリコン塗料では15~18年の耐久性を持つものもあります。アクリル塗料(5~8年)と比較すると約2倍の耐久性があり、フッ素塗料(15~20年)には若干劣るものの、価格面では大きなメリットがあります。

 

塗料のグレードで見ると、シリコン塗料は以下のような位置づけになります。

 

  1. アクリル塗料(低グレード)
  2. ウレタン塗料(中グレード)
  3. シリコン塗料(中~高グレード)
  4. フッ素塗料(高グレード)
  5. 無機塗料(最高グレード)

このように、シリコン塗料は中~高グレードに位置し、一般住宅の外壁塗装において最もバランスの取れた選択肢となっています。

 

シリコン塗料の種類:水性と溶剤(油性)の違い

シリコン塗料は大きく分けて「水性タイプ」と「溶剤(油性)タイプ」の2種類があります。それぞれの特徴を理解することで、住宅の状況に合った最適な選択ができます。

 

【水性シリコン塗料の特徴】
環境への負荷が少ない:VOC(揮発性有機化合物)の排出量が少ない
臭いが少ない:塗装時の臭いが控えめで、住みながらの塗装に適している
価格が比較的安い:溶剤タイプより一般的に安価
乾燥時間が長い:水分の蒸発に時間がかかる
低温時の施工に不向き:気温が低いと硬化しにくい
【溶剤(油性)シリコン塗料の特徴】
耐久性が高い:一般的に水性タイプより耐候性に優れる
密着性が良い:下地への密着力が強く、剥がれにくい
乾燥が早い:シンナーなどの溶剤が早く蒸発するため乾燥が早い
臭いが強い:施工時に強い臭いを発する
環境負荷が大きい:VOCの排出量が多い
近年は技術の進歩により、水性シリコン塗料の性能が向上し、溶剤タイプとの性能差が小さくなってきています。特に環境への配慮や居住者の健康面を考慮すると、水性タイプを選ぶ家庭が増えています。

 

ただし、以下のような条件では溶剤タイプの方が適している場合があります。

 

・寒冷地での施工
・早期の仕上がりが必要な場合
・特に厳しい環境下にある外壁
実際の選択においては、住宅の立地条件や家族構成、予算などを考慮して、塗装業者と相談しながら決めることをおすすめします。

 

シリコン塗料の1液型と2液型の選び方と特性

シリコン塗料には「1液型」と「2液型」という区分もあります。この違いは塗料の構造と使用方法に関わる重要な要素です。

 

【1液型シリコン塗料】
特徴:硬化剤があらかじめ塗料に混合されている
メリット

  • 使用が簡単(そのまま使える)
  • 調合ミスのリスクがない
  • DIYにも適している

    デメリット

  • 2液型と比べて耐久性がやや劣る
  • 開封後の保存期間が短い

【2液型シリコン塗料】
特徴:主剤と硬化剤を使用直前に混合する
メリット

  • 高い耐久性と密着性
  • 化学反応による強固な塗膜形成
  • 耐薬品性に優れる

    デメリット

  • 混合比率の正確さが必要
  • 職人の技術が結果に影響する
  • 可使時間(ポットライフ)が限られる

2液型は混合後、化学反応が始まるため、決められた時間内に使い切る必要があります。この「可使時間」は通常2~6時間程度で、これを過ぎると塗料の性能が低下します。そのため、2液型の施工には熟練した技術と経験が求められます。

 

一般的に、プロの施工では2液型が選ばれることが多いですが、小規模な補修やDIYでは1液型が適しています。また、最近では1液型でも高性能な製品が開発されており、選択肢が広がっています。

 

シリコン塗料の種類を整理すると、以下のような4つの組み合わせがあります。

 

  1. 水性1液型:最も扱いやすいが、耐久性はやや劣る
  2. 水性2液型:環境に優しく、比較的高い耐久性
  3. 溶剤1液型:取り扱いが容易で、ある程度の耐久性
  4. 溶剤2液型:最も高い耐久性だが、取り扱いが難しい

住宅の状況や予算、施工条件などを考慮して、最適なタイプを選ぶことが重要です。

 

シリコン塗料のおすすめメーカーと人気商品5選

外壁塗装用のシリコン塗料は多くのメーカーから様々な商品が販売されています。ここでは、プロも推奨する人気の高いシリコン塗料を5つご紹介します。

 

【1. エスケー化研「水性セラミシリコン」】
特徴:超耐久性、低汚染性、防かび性、防藻性を備えた多機能塗料
適用下地:コンクリート、セメントモルタル、スレート板、ALCパネルなど幅広く対応
耐用年数:12~15年
価格帯:比較的手頃な価格設定
評価:コストパフォーマンスに優れた人気商品
【2. 日本ペイント「ファインシリコンフレッシュ」】
特徴:セラミック配合のシリコン系塗料で高耐候性、低汚染、透湿性を実現
適用下地:モルタル、コンクリート、サイディングボードなど多様な素材に対応
耐用年数:10~15年
価格帯:やや高めだが性能に見合った価格
評価:サイディング外壁との相性が特に良い
【3. エスケー化研「エスケープレミアムシリコン」】
特徴:ハイブリットシリコン樹脂を使用したラジカル抑制塗料
適用下地:コンクリート、セメントモルタル、ALCパネルなど
耐用年数:14~16年
価格帯:高性能を反映した価格設定
評価:フッ素塗料に近い性能を持つ高グレードシリコン塗料
【4. 関西ペイント「セラMシリコン3」】
特徴:高耐候性、超低汚染性を備えたハイグレード塗料
適用下地:コンクリート、モルタル、サイディングボードなど
耐用年数:13~15年
価格帯:中~高価格帯
評価:艶調節が可能で顧客満足度が高い
【5. アステックペイント「リファイン1000Si-IR」】
特徴:低汚染性、遮熱性、防かび性、防藻性、防汚保持性を兼ね備えた多機能塗料
適用下地:コンクリート、モルタル、ALC、窯業系サイディングなど
耐用年数:15~18年
価格帯:高性能を反映した価格設定
評価:長期耐久性に優れ、コストパフォーマンスが高い
これらの商品はいずれも実績があり、プロの施工業者からも高い評価を受けています。選ぶ際は、住宅の立地条件や外壁の素材、予算などを考慮して、最適な商品を選ぶことが大切です。また、塗料選びと同様に、施工業者の技術力も仕上がりに大きく影響するため、信頼できる業者を選ぶことも重要です。

 

シリコン塗料のラジカル制御型と遮熱機能の最新トレンド

近年のシリコン塗料市場では、従来の製品よりもさらに性能を高めた「ラジカル制御型」や「遮熱機能付き」のシリコン塗料が注目を集めています。これらの最新トレンドは、外壁塗装の耐久性や省エネ効果を大きく向上させる可能性を秘めています。

 

【ラジカル制御型シリコン塗料】
ラジカル制御型シリコン塗料は、塗膜の劣化の主要因となる「ラジカル」(活性酸素の一種)の発生を抑制する技術を取り入れた塗料です。

 

特徴

  • 紫外線によるラジカル発生を抑制
  • 塗膜の劣化速度を大幅に低減
  • 従来のシリコン塗料より長寿命

メリット

  • 耐用年数が15~18年と長い
  • 色褪せや艶の低下が少ない
  • 長期的なコストパフォーマンスが高い

ラジカル制御型シリコン塗料は、フッ素塗料に迫る耐久性を持ちながら、価格はフッ素塗料より抑えられているため、「コスパ最強」と評価されることも多い塗料です。代表的な製品としては、日本ペイントの「パーフェクトシリーズ」やエスケー化研の「プレミアムシリコン」などがあります。

 

【遮熱機能付きシリコン塗料】
遮熱機能付きシリコン塗料は、太陽光の熱を反射する特殊な顔料を配合した塗料で、夏場の室内温度上昇を抑制する効果があります。

 

特徴

  • 赤外線を反射する特殊顔料配合
  • 外壁表面温度の上昇を抑制
  • 室内への熱の侵入を軽減

メリット

  • 夏場の冷房効率向上による省エネ効果
  • ヒートアイランド現象の緩和に貢献
  • 外壁の熱による劣化を抑制

遮熱塗料は、特に夏の暑さが厳しい地域や、西日が強く当たる面の外壁に効果的です。アステックペイントの「リファイン1000Si-IR」や日本ペイントの「サーモアイSi」などが代表的な製品です。

 

これらの最新技術を取り入れたシリコン塗料は、初期コストはやや高めになりますが、長期的な耐久性や省エネ効果を考慮すると、総合的なコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。特に、以下のような条件に当てはまる場合は、これらの高機能シリコン塗料の導入を検討する価値があります。

 

・長期間メンテナンスフリーを希望する場合
・夏場の室内温度上昇に悩んでいる場合
・環境への配慮や省エネを重視する場合
・外壁の美観を長期間維持したい場合
塗料技術は日々進化しており、今後もさらに高性能な製品が登場することが期待されます。外壁塗装を検討する際は、最新の情報を収集し、自宅の条件に最適な塗料を選ぶことが重要です。

 

シリコン塗料を選ぶ際の注意点とシリコン含有率の重要性