アルミリベット規格の基礎知識と選定要点

アルミリベット規格の基礎知識と選定要点

記事内に広告を含む場合があります。

アルミリベット規格と選定要点

アルミリベット規格の基礎知識
📏
JIS規格に基づく品質

アルミリベットはJIS B1213:1995に準拠した高品質部品

🔧
豊富なサイズバリエーション

用途に応じた最適なサイズを選択可能

施工性の優秀さ

軽量で耐食性に優れ、作業効率向上に貢献

アルミリベットのJIS規格と基本仕様

アルミリベットJIS B1213:1995冷間成形リベットに規定されており、建築・機械分野で広く使用される締結部品です。この規格では、アルミニウム製リベットについて形状・寸法・機械的性質・材料などが詳細に定められています。
主要な規格内容。

  • 材質: JIS H 4040に準拠したアルミニウム合金
  • 引張強さ: 78N/mm²以上を保証
  • 形状種類: 丸リベット、皿リベット、薄平リベット、なべリベットの5種類

規格では軸径の許容差、頭部直径・高さの寸法公差まで細かく規定されており、品質の均一性が確保されています。特に、頭部と軸部の機械的性質試験により、実用上の信頼性が担保されている点が重要です。

 

アルミリベットの材質特性と選定基準

アルミリベットの材質選定では、使用環境と求められる性能を考慮することが重要です。一般的にA1070またはA1050といった高純度アルミニウムが使用されています。
材質の特徴。

  • 軽量性: 鉄の約1/3の重量で施工作業が楽
  • 耐食性: 自然酸化皮膜により優れた防食性能
  • 加工性: 冷間成形に適した延性を持つ
  • 電気特性: 導電性に優れ、電気機器にも使用可能

ブラインドリベットの材質組み合わせでは、本体部(フランジ)とシャフト部で異なる材質を使い分けることも可能です。例えば、アルミフランジ・スチールシャフト(NSA)やアルミフランジ・アルミシャフト(NA)などの組み合わせにより、用途に応じた最適な性能を実現できます。

アルミリベットのサイズ規格と寸法表

アルミリベットのサイズは用途に応じて多様なバリエーションが用意されています。代表的なサイズ展開を以下に示します。
標準的な軸径範囲

  • 小径: φ1.6mm~φ3.2mm(精密部品用)
  • 中径: φ4.0mm~φ6.4mm(一般構造用)
  • 大径: φ8.0mm~φ12.8mm(重構造用)

長さ(首下長さ)の選定
適正かしめ板厚に応じて長さを選定します。例えば、φ3.2mmリベットの場合。

  • 1.0~3.2mm板厚: 6.0mm長
  • 3.2~6.4mm板厚: 9.2mm長
  • 6.4~9.5mm板厚: 12.3mm長

下穴径は軸径に対して若干大きく設定され、φ3.2mmリベットの場合は3.3~3.4mmの下穴が標準です。この寸法関係により、適切なかしめ代とリベット強度を確保できます。

 

アルミリベット締結強度と施工上の注意点

アルミリベットの締結強度は材質と寸法によって決まり、設計時には安全率を考慮した選定が重要です。

 

強度特性

  • 引張強度: φ3.2mmで約0.43~0.7kN
  • せん断強度: φ3.2mmで約0.3~0.45kN
  • 強度比較: 鉄リベットの約35%程度(重量比)

施工上の重要ポイント

  1. 異種金属接触腐食の回避
    • アルミリベットと鉄部材の直接接触は避ける
    • 必要に応じて絶縁材料を介在させる
  2. 適正工具の使用
    • ハンドリベッター(少量施工)
    • エアーリベッター(大量施工)
    • 電動リベッター(連続作業)
  3. 品質管理
    • 下穴径の精度確認
    • かしめ後の外観検査
    • 規格外品の排除

施工時には、リベット径が大きくなるほど締結強度が向上するため、荷重条件に応じた適切なサイズ選定を行うことが肝要です。

 

アルミリベット業界動向と最新規格情報

近年のアルミリベット業界では、環境配慮と施工性向上を両立する製品開発が進んでいます。特に六価クロメート廃止の流れを受け、三価クロメート処理品が主流となっています。
最新の技術動向

  1. 表面処理の進化
    • 環境対応型三価クロメート採用
    • 耐食性向上と環境負荷低減の両立
    • カラーリベット(焼付塗装)の普及
  2. 高機能製品の開発
    • シールドタイプ(密閉型)リベット
    • 高強度アルミ合金の適用
    • 特殊用途向けカスタム品
  3. 品質管理の高度化
    • 製造ロット管理の徹底
    • 寸法精度の向上
    • 材質証明書の標準化

メーカー各社では、JIS規格準拠品に加えて、独自規格による高付加価値製品の開発も積極的に行われています。これにより、多様化する建築・機械分野のニーズに対応した製品選択が可能となっています。
規格改定への対応として、最新のJIS規格情報の確認と、承認済みメーカーからの調達を推奨します。特に精度が要求される用途では、事前の仕様確認と試験施工による検証が重要です。