足場ジャッキベース寸法一覧：規格と選び方完全ガイド

足場ジャッキベース寸法一覧と規格選定

足場ジャッキベースの基本構造と寸法規格

足場ジャッキベースは、足場の支柱を地面に設置するための重要な基礎部材です。構造的には、ベースプレート部分とジャッキ調整部分から構成され、高さ調整機能により不整地での水平調整を可能にします。

 

基本的な寸法規格として、パイプ径は48.6φと42.7φの兼用タイプが標準となっており、これは日本の単管パイプ規格に対応しています。ベースプレート寸法は一般的に140mm×140mmが採用され、地面への圧力分散効果を高めています。

 

法定規格による制限事項

• 最大使用高さ：350mm以下（厚生労働大臣の定める構造規格）
• 500mm高のものは構造規格違反となり、枠組足場最下部では使用不可
• ジャッキ型ベース金具の繰出し長さにより許容支持力が変動

重量に関しては、標準的なジャッキベースで2.5kg程度、ロングタイプで4.4kg～5.4kg程度が一般的です。材質は亜鉛メッキ処理された鋼材が使用され、屋外使用での耐久性を確保しています。

 

足場ジャッキベース種類別寸法比較表

足場工事で使用されるジャッキベースは、用途や設置条件により4つの主要タイプに分類されます。それぞれの詳細寸法と特徴を以下に示します。

 

標準ジャッキベース（A-752型）

• 全長：405mm
• 調節長：250mm
• 軸径：35φ
• 質量：3.3kg
• 用途：一般的な枠組足場の基礎部分

ロングジャッキベース（A-752L型）

• 全長：606mm
• 調節長：450mm
• 軸径：35φ
• 質量：4.4kg
• 用途：支保工専用（足場使用不可）

自在ジャッキベース（A-752UG・US型）

• 全長：406mm
• 調節長：250mm
• 軸径：35φ
• 質量：3.6kg
• 用途：傾斜地での足場設置

単管用ジャッキベース

• ベース寸法：140×140mm
• 質量：0.7kg
• 穴径：4-φ12
• 用途：単管足場専用

これらの寸法データは、仮設工業会認定品の規格に基づいており、現場での安全性と互換性が保証されています。

 

足場ジャッキベース選定時の安全基準と注意点

足場ジャッキベースの選定においては、安全基準の遵守が最優先事項となります。特に許容支持力は、ジャッキの繰出し長さにより大幅に変動するため、現場条件に応じた適切な選択が必要です。

 

許容支持力の変動データ（標準枠・拡幅900mm以上の場合）

• 繰出し長さ200mm以下：42.6kN
• 200～250mm：40.6kN
• 250～300mm：38.7kN
• 300～350mm：37.2kN

この数値から分かるように、繰出し長さが長くなるほど許容支持力は低下します。200mm以下の使用時と350mm使用時では約12%の支持力差が生じるため、設計段階での慎重な計算が求められます。

 

安全使用のための重要事項

• ジャッキベースの高さが200mmを超える場合は水平つなぎの設置が必須
• 建枠の上端には必ずジャッキ頭の設置が必要
• 地盤条件に応じてアンダーベースの併用を検討

また、ジャッキベース整備時の安全対策として、専用工具「ジャッキジャック」の使用が推奨されています。この工具により、インパクトレンチを使用した効率的な高さ調整と、ネジ溝の塗料・錆除去が可能となります。

 

足場ジャッキベース価格相場と購入時のポイント

足場ジャッキベースの価格は、タイプや仕様により大きく異なります。市場価格の傾向を把握することで、適切な予算計画と調達戦略の立案が可能になります。

 

タイプ別価格相場

• 固定ベース：400円～500円/個
• 自在ベース：1,000円～2,000円/個
• ジャッキベース：1,500円～2,500円/個
• 自在ジャッキベース：2,000円～3,000円/個

実際の取引価格では、ジャッキベース（認定品）が3,078円、自在ジャッキが1,512円程度で販売されています。価格差は主に機能性と加工精度の違いによるものです。

 

購入時の重要チェックポイント

• 一般社団法人仮設工業会認定品であることの確認
• ドブメッキ加工による防錆処理の有無
• ハンドル操作のスムーズさ（ジャッキ付きの場合）
• 寸法精度と用途適合性
• まとめ売り数量の確認

特に防錆処理については、屋外での長期使用を考慮すると重要な要素です。初期価格は高くても、ドブメッキ処理品の方が長期的なコストパフォーマンスに優れる場合が多くあります。

 

足場ジャッキベース整備工具と効率的な作業方法

従来の手動によるジャッキベース調整作業は、時間と労力を要する課題がありました。近年開発された専用整備工具「ジャッキジャック」は、この問題を根本的に解決する画期的な製品として注目されています。

 

ジャッキジャックの技術仕様

• 質量：1kg
• 外径：軸部48.6φ、先端部71φ
• 肉厚：1mm
• 全長：593mm
• 対応機種：くさび式、枠組、次世代足場すべて

この工具の最大の特徴は、インパクトレンチとの組み合わせによる高速調整機能です。従来の手動式と比較して作業時間を約70%短縮できるため、大規模現場での効率向上に大きく寄与します。

 

作業効率化のメリット

• インパクトレンチによる高速高さ調整
• ネジ溝の塗料・錆除去機能
• 10cm刻みの目盛り付きで精密調整可能
• 作業者の身体的負担軽減

使用時の注意点として、インパクトドライバーでの使用には12.7mmの変換ソケットが必要です。また、安全面では使用中のジャッキジャックへの接触は厳禁とされており、適切な作業手順の習得が重要です。

 

従来工法では1基あたり3～5分を要していた調整作業が、この工具により1分程度に短縮されます。100基の設置現場では約4～6時間の作業時間短縮となり、人件費削減効果は相当なものになります。

 

さらに、定期的なメンテナンス作業においても威力を発揮します。ジャッキのネジ部分に蓄積した塗料や錆を効率的に除去できるため、機器の寿命延長と安全性向上の両面でメリットがあります。この整備工具の導入により、足場工事の品質と効率性が大幅に向上することが期待されています。