
福岡市中央区は、地価上昇率において全国でも突出した実績を誇っています。2025年の基準地価では、福岡市の住宅地が2年連続で全国1位の上昇率8.5%を記録しました。特に中央区内の高級エリアでは、以下のような顕著な傾向が見られます。
福岡市中央区の住宅地価格トップ5
これらのエリアは、5~10%程度の安定した価格上昇を維持しており、高級住宅地としての地位を確立しています。特に地行3丁目は、PayPayドーム近くのマンション用地として人気が高く、住宅地価格で県内トップとなっています。
不動産業界では「福岡1人勝ち」とも評されており、三大都市圏や札幌、仙台、広島といった地方主要市の平均より高い上昇率を示しています。この背景には、円建資産を求める海外投資家の追い風もあり、東京首都圏に続いて福岡などの地方主要都市でも急上昇が起きています。
天神ビッグバンは、福岡市の地価上昇を牽引する最大の要因として業界内で高く評価されています。この再開発プロジェクトは、天神交差点から半径500mを対象エリアとした大規模な都市改造計画で、2015年から本格的に始動しています。
天神ビッグバンの具体的な成果
天神エリアでは、来年春開業予定の通称「ワンビル」をはじめとする高層ビルの開業が相次いでおり、人口増加や強い経済力を背景に東京や関西の資本が流入しています。その結果、マンション価格の上昇率は全国でトップとなり、昨年の平均価格は5,598万円で前年比1.4倍に上昇しました。
天神周辺に建設されているタワーマンションの価格は1億円を超えるものが多く、中には6億円に上るものもあり、すでに契約済みとの声も聞かれます。この天神中心部の影響は、地下鉄沿線、西鉄大牟田沿線、JR沿線にも波及し、福岡都市圏内の沿線駅周辺の地価を押し上げています。
福岡県内で地価上昇が顕著なエリアは、交通利便性の高さが共通の特徴となっています。特に複数の交通手段にアクセスできる「ダブル路線エリア」では、顕著な上昇傾向が続いています。
交通利便性による地価上昇の具体例
福岡市東区箱崎6-11-1は、2025年の地価上昇率で全国9位となる19.3%増を記録しました。この地点は箱崎九大前駅が最寄りで、大規模な再開発が予定されている九州大学箱崎キャンパス跡地に近いことが高評価の要因となっています。
また、博多区南部エリアでは、福岡(那珂6丁目)による地価波及効果が大きく、西鉄及びJRのダブル路線エリアの地価上昇を後押ししています。このような交通インフラの充実は、住民の生活利便性向上と地域経済の活性化をもたらし、継続的な地価上昇の基盤となっています。
福岡県内では地価上昇が注目される一方で、下落リスクを抱える地域も存在し、不動産業界では慎重な投資判断が求められています。特に福岡市から距離が離れるほど、地価下落の傾向が顕著になっています。
地価下落が続く主要地域
これらの地域では、人口減少や産業構造の変化により、不動産需要が低迷しています。特に大牟田市や柳川市などは、福岡市の経済圏から外れているため、天神ビッグバンなどの再開発効果が波及しにくい状況にあります。
不動産投資の観点から見ると、福岡県全域が投資対象として適しているわけではなく、福岡市を中心とした都市圏に投資エリアを絞ることが重要とされています。業界専門家は、「福岡市から遠のけば遠のくほど地価が下がっている傾向にある」と指摘しており、投資判断の際は立地選定を慎重に行う必要があります。
一方で、比較的手頃な住宅を求める人たちが郊外へ目を向けるようになり、古賀市などでは地価が10%近く上昇する現象も見られます。しかし、小郡市や須恵町のように、地価の上昇率が半減している地域もあり、郊外エリアでも明暗が分かれています。
2025年以降の福岡県不動産市場について、業界専門家は緩やかな上昇継続を予測しており、投資家からも引き続き注目を集めています。福岡市中央区では、2030年までに70%ほどの価格上昇が予想されており、最低でも20%の価格上昇が起きるとされています。
2025年以降の市場予測
福岡市の地価上昇幅は今後、縮小傾向になると予想されていますが、福岡市の都市圏では人口増加傾向が続いており、外国人の流入や再開発などによって土地の価値は年々増加すると見込まれています。
投資家の間では、「できるだけ安い価格で土地を確保したいのであれば、今がまさに最適」との評価が広がっています。土地価格の上昇が続くと予想されているため、早めの投資判断が推奨されています。
特に都市部では、利便性の高さから需要が高まり、供給が追いつかないケースも見られるでしょう。しかし、全体的に見ると価格の上昇は急激ではなく、家族層にとって手が届く範囲に留まる見込みです。
福岡県の商業地の地価上昇率は対前年比5.3%増と伸びており、全国47都道府県の中で1位という結果を示しています。この実績は、福岡県が不動産投資において全国でも最も有望な地域の一つであることを裏付けています。
福岡市の住宅地における公示地価は、最近10年でほぼ倍増しており、2015年の12万500円から2025年は23万9,800円となり、伸長率199.00%を記録しています。このような継続的な成長実績により、不動産業界では福岡市場への投資機会が高く評価されています。