
蝶ボルトは、JIS B 1184によって以下の3種類に分類されています。
1種(冷間蝶ボルト)
2種(冷間蝶ボルト)
3種(プレス蝶ボルト)
各種類の主な寸法表。
1種規格表
ねじ径 | A | B | C | D | H | G1 | G2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
M6 | 12 | 10 | 8 | 32 | 16 | 2.7 | 3 |
M8 | 15 | 12 | 11 | 40 | 20 | 3.5 | 5.7 |
M10 | 19 | 15.5 | 12.5 | 50 | 25 | 4 | 6 |
2種大形(H)規格表
ねじ径 | A | B | C | D | H | G1 | G2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
M5 | 11 | 8.5 | 7 | 27 | 13 | 3 | 4 |
M6 | 12 | 11 | 7.5 | 31 | 16 | 3.5 | 5 |
M8 | 15 | 12.5 | 9 | 36 | 18 | 4 | 6 |
建築現場で使用される蝶ボルトの材質は、用途に応じて選定する必要があります。
主要材質の特徴
表面処理の種類
材質選定のポイント。
蝶ボルトの寸法は、用途に応じて厳密に規定されています。
ねじ径(M径)による分類
長さ(L)の規格範囲
翼部寸法の重要性
蝶ボルトの操作性は翼部寸法で決まります。
ねじ径 | 翼幅(D) | 翼高(H) |
---|---|---|
M3 | 17mm | 9mm |
M4 | 21mm | 11mm |
M6 | 27mm | 13mm |
M8 | 31mm | 16mm |
M10 | 36mm | 18mm |
座面径(A)の選定基準
座面径は被締結材への圧力分散に重要。
意外な事実:翼部の形状が手の疲労度に大きく影響するため、長時間の作業では2種の角形よりも1種の半円形が推奨されることがあります。
建築現場での蝶ボルト選定は、作業効率と安全性に直結します。
荷重別選定基準
作業頻度による選択
環境条件別推奨仕様
使用環境 | 推奨材質 | 表面処理 | 規格種類 |
---|---|---|---|
屋内乾燥 | 炭素鋼 | 三価白 | 2種・3種 |
屋外一般 | SUS304 | 生地 | 1種・2種 |
海岸近接 | SUS316 | 生地 | 1種 |
高温環境 | 耐熱鋼 | 特殊処理 | 1種 |
建築用途別活用例
選定時の留意点。
標準JIS規格では対応できない特殊用途に対する製品展開も重要です。
規格外サイズの製作事例
特殊機能付き蝶ボルト
メーカー独自規格の存在
市販されている「3種」と呼ばれる製品の多くは、実際にはメーカー独自規格です。JIS 3種とは形状・寸法が異なるため、互換性に注意が必要です。
カスタム製作の検討項目
建築現場では、標準規格品で80%の用途に対応できますが、残り20%の特殊用途では規格外品の検討が必要になります。特に、大型建築物や特殊環境での使用では、事前の詳細検討が不可欠です。
意外な活用法:最近では、IoT機器の取付用として、導電性を持つ特殊材質の蝶ボルトも開発されており、スマート建築分野での需要が拡大しています。