
ユニクロメッキは、電気亜鉛メッキとクロメート処理を組み合わせた複層構造の表面処理技術です。この処理では、鉄鋼材料の表面に薄く均一な亜鉛皮膜を形成し、その上にクロメート皮膜を生成することで優れた防錆性能を実現しています。
基本構造は以下の3層から成り立ちます。
この複層構造により、単独の亜鉛メッキと比較して24~72時間の塩水噴霧試験に耐える耐食性を確保しています。
ユニクロメッキの製造工程は、脱脂→酸洗い→電気亜鉛メッキ→クロメート処理→水洗・乾燥という5段階のプロセスで構成されています。
前処理工程:
メッキ工程:
3. 電気亜鉛メッキ:電解液中で電流を流し、鉄材表面に亜鉛を析出
後処理工程:
4. クロメート処理:亜鉛メッキ表面をクロメート液に浸漬
この工程は比較的シンプルで自動化に適しているため、大量生産に向いた表面処理法となっています。
ユニクロメッキの最も重要な特徴は、亜鉛の犠牲防食作用による優れた防錆性能です。このメカニズムは電気化学的な原理に基づいています。
犠牲防食の仕組み:
実際の防食効果:
さらに、クロメート皮膜が亜鉛表面の酸化を抑制することで、白錆の発生を大幅に遅らせる効果も発揮します。この二重の防護機能により、建築用途での長期耐久性が確保されています。
ユニクロメッキの特徴的な青白色の光沢外観は、光沢クロメート処理によって実現されています。この光沢特性は単なる装飾効果にとどまらず、実用的な意味も持っています。
光沢の発現メカニズム:
外観品質の利点:
ただし、光沢クロメート処理は6価クロム含有が少ないため、耐食性は有色クロメートより劣る特徴があります。そのため、より高い耐食性が要求される用途では、適切な使い分けが重要になります。
現代の建築分野では、環境規制の強化に対応した6価クロムフリーの化成処理技術が注目されています。従来のクロメート処理に代わる新しいアプローチが開発されています。
環境対応技術の進展:
次世代表面処理技術:
建築用途では特に、海水や融雪剤による塩害対策が重要視されており、高耐食性を実現する亜鉛フレークコーティング技術や、ニッケル含有率15%程度の高ニッケル亜鉛合金メッキも併用されています。
これらの技術革新により、ユニクロメッキは環境負荷を軽減しながら、より高い防錆性能を実現する方向に進化しています。建築現場での長期保証要求に応えるため、従来技術と新技術の適切な組み合わせが求められています。
亜鉛めっき技術の動向と要求について詳細な技術データが掲載されています
ユニクロめっきの基本概念と特徴についての詳しい解説があります