分筆登記の費用相場と内訳・抑える方法を徹底解説

分筆登記の費用相場と内訳・抑える方法を徹底解説

記事内に広告を含む場合があります。

分筆登記の費用相場と内訳・手続きの流れを徹底解説

境界確定済みの土地でも、分筆登記の費用が後から50万円以上跳ね上がるケースがあります。


📋 この記事の3つのポイント
💰
費用相場は状況次第で大きく変わる

登記のみなら5万円〜、境界確定が必要なら50万円〜100万円超。土地の状態を事前に確認することが費用把握の第一歩です。

📝
費用負担の決まりは法律に存在しない

分筆費用を誰が払うかは法律で定められておらず、交渉次第で売主・買主どちらが負担するかが変わります。契約前の合意が重要です。

⚠️
分筆後に固定資産税が増えるリスクがある

住宅用地特例が適用されなくなると、固定資産税が最大6倍になることも。分筆前に税負担のシミュレーションを行うことが大切です。


分筆登記の費用相場:境界確定の有無で変わる3つのケース


建築業に携わっていると、施主から「分筆登記にいくらかかるの?」と聞かれることは珍しくありません。答えは一言では出せません。費用は土地の状態によって数倍以上変わるからです。


まず、費用の大きな分かれ目は「境界確定が済んでいるかどうか」です。大きく3つのケースに整理できます。


| 状況 | 費用の目安 |
|------|-----------|
| ✅ 登記申請のみ(境界確定済み) | 5万円〜15万円程度 |
| 🔶 隣地境界が確定しているが、測量が必要 | 15万円〜50万円程度 |
| 🔴 境界未確定・確定測量が必要 | 50万円〜100万円超 |


登記申請そのものにかかる費用は、登録免許税が分筆後の土地1筆につき1,000円で、実務上はほぼ誤差の範囲です。問題は土地家屋調査士への報酬で、これが全体費用の大半を占めます。


たとえば、隣接地が4軒かつ道路に面している一般的な宅地で、確定測量から分筆登記まですべて依頼した場合、80万円〜120万円が目安とされています(SUUMO監修情報より)。これはコンビニの月収分にも相当する金額です。つまり「分筆ってそんなに費用がかかるの?」という反応が出るほど、思った以上の出費になることが多いのです。


費用を正確に把握するには、土地家屋調査士への見積もりが必須です。


さらに、面積が広大な土地や官有地(国・自治体の土地)と隣接している場合は、官民境界確定が必要になり、費用は100万円を大きく超えることもあります。官公庁手続きの長期化傾向もあり、費用面だけでなく時間軸でも余裕が必要です。


つまり「いくらかかる?」という問いに対する正直な答えは、「境界確定の状況を確認してから」というのが原則です。




参考:分筆登記費用の内訳と相場について土地家屋調査士が詳しく解説しています。


SUUMO|土地の分筆費用はどれくらい?分筆する流れと分筆登記に関する注意点


分筆登記の費用内訳:土地家屋調査士報酬・登録免許税・測量費を詳しく確認

費用の内訳を把握しておくと、見積もりが届いたときに「この項目は何の費用か」を即座に判断できます。これは建築業者として施主対応する上でも非常に役立ちます。


分筆登記にかかる費用は、大きく以下の項目に分かれます。


| 費用項目 | 目安金額 | 備考 |
|---------|---------|------|
| 🏛️ 登録免許税 | 分筆後の筆数×1,000円 | 例:2筆なら2,000円 |
| 📐 確定測量費 | 30万円〜100万円 | 土地の面積・隣接地数によって変動 |
| 📋 分筆登記申請(調査士報酬) | 5万円〜15万円 | 2〜3筆分割まで |
| 🔩 境界標設置費 | 3万円〜10万円 | 境界杭1本あたり数千円〜1万円 |
| 📄 筆界確認書作成費 | 10万円〜 | 隣地所有者の数が多いほど増加 |
| 🏢 官民境界確定図作成費 | 10万円〜 | 道路・公有地が隣接する場合 |


登録免許税は非常に安く、2筆に分ければ2,000円、3筆なら3,000円です。税額のみ見ると驚くほどリーズナブルですが、実際の費用の9割以上は土地家屋調査士への報酬と測量費が占めます。


重要なのは、「境界標設置費」と「筆界確認書作成費」が必要かどうかによって総額が大幅に変わる点です。隣接地が1軒だけなら費用は抑えられますが、隣接地が5〜6軒になると確認書作成コストが積み上がります。建築業者が取り扱う分譲地のような案件では、この点に注意が必要です。


測量費は土地の面積にも左右されます。たとえば200㎡前後(約60坪、普通の一戸建て1区画分)の土地でも、境界確定を含む分筆なら80万〜100万円前後が目安です。一方、500㎡〜数千㎡にのぼる広大な土地では費用が100万円を超えることも珍しくありません。


費用が大きいのは確かですが、事前に内訳を把握していれば、施主への説明や予算計画が格段に立てやすくなります。




参考:分筆登記費用の状況別相場と費用が高くなるケースが詳しく解説されています。


税理士法人レガシィ|土地の分筆登記とは?費用の相場や必要書類をわかりやすく解説


分筆登記の費用は誰が払う?建築業者が知っておきたい負担ルール

建築案件で土地の分筆が必要になったとき、「費用は誰が出すの?」という話は必ずと言っていいほど出てきます。これが意外と厄介で、法律で明確に決まっていないのが実態です。


分筆費用の負担について、法律上の規定は存在しません。


費用を誰が持つかは、基本的に当事者間の交渉で決まります。ただし、実務上はよく見られるパターンがあります。


- 土地売買で売主が分筆する場合:売主負担が基本。ただし買主がメリットを得る場合は買主負担になることも
- ハウスメーカー・建築業者が分譲目的で分筆する場合:買主(建築業者)が分筆費用を負担するのが一般的
- 相続後に複数の相続人で分ける場合:相続人同士で協議して費用を案分するケースが多い


建築業者として土地を仕入れ、分筆してから宅地として販売・建築する場合、分筆費用は買主側(つまり建築業者側)が負担することが多い傾向です。ただし、境界確定に関する費用は売主負担のケースも多く、両者の取引内容・交渉次第で変わります。


費用をどちらが負担するかは、必ず契約書に明記しましょう。口頭での合意は後でトラブルの元になります。


施主への説明という観点でも「誰が払うのかを契約書に記載しているか」という確認が、建築業者としての信頼感につながります。費用負担を曖昧なままにしてしまうと、引き渡し前後でクレームに発展するリスクがあるため要注意です。




参考:分筆費用の負担ルールをケース別に詳しく解説しています。


おうちネット|分筆費用は誰が払う?ケース別に費用負担の考え方をご紹介


分筆登記の費用を抑えるために建築業者が実践できる3つの方法

費用が高くなりがちな分筆登記ですが、準備次第でコストを大幅に抑えられる可能性があります。建築業者として押さえておきたい実践的な方法を整理します。


① 複数の土地家屋調査士から相見積もりを取る


土地家屋調査士の報酬は一律ではなく、事務所によって金額が異なります。同じ土地で依頼しても、見積もりが数十万円単位で変わることがあります。最低でも2〜3社への見積もり依頼が基本です。


なお、過去にその土地や隣地の測量・登記を担当した土地家屋調査士に依頼できると、既存の資料が流用できてコストが下がる場合があります。これは使えそうです。


② 境界確定が済んでいる土地を選ぶ(または確認する)


境界確定の有無は費用に最も大きく影響します。土地取得前に「地積測量図」や「境界確認書」の有無を確認し、境界確定済みの土地を選べれば、分筆費用が15万〜30万円程度に抑えられるケースもあります。境界未確定の土地を安く仕入れても、分筆コストで逆転するケースは実際に多くあります。


③ 分筆の筆数を必要最小限に抑える


分筆は一度に多くの筆に分けるほど費用が増えます。分譲計画や利用目的を先に固め、必要最小限の分筆にとどめることが費用を抑える鉄則です。「とりあえず細かく分けておく」という発想は、費用面では逆効果になります。


また、見積もり時には「最終的な請求額が見積もり額と大幅に異なる可能性があるかどうか」も確認しましょう。確定測量は調査が進むほど追加費用が発生することがあります。見積もりに「費用変動の条件」が明示されているかをチェックする習慣を持つと安心です。




参考:分筆費用を安く抑えるための具体的な方法と注意点が解説されています。


東建コーポレーション|土地の分筆にかかる費用はいくら?期間や手続きの流れ


分筆登記の手続きの流れと期間:建築スケジュールに影響しやすい落とし穴

建築業者にとって、分筆登記の期間は「建築スケジュール全体に影響する変数」です。思ったより時間がかかることが多く、この点を施主にも事前に伝えておくことが重要です。


分筆登記の一般的な流れは以下の通りです。


1. 🏢 土地家屋調査士へ依頼(面談・資料の準備)
2. 📁 土地家屋調査士が資料収集(法務局・役所での書類収集)
3. 📐 境界確定測量・立ち会い・筆界確認書の作成(最も時間がかかる工程)
4. 🔩 境界標の設置・分筆案の確定
5. 📋 登記申請書・地積測量図の作成
6. 🏛️ 法務局へ分筆登記申請・完了


全体の期間の目安は以下の通りです。


| 状況 | 所要期間の目安 |
|------|-------------|
| 境界確定済みの土地 | 10日〜2週間程度 |
| 境界未確定(確定測量あり) | 3〜4ヶ月程度 |
| 官有地(道路・公園等)との境界確定が必要 | 5〜7ヶ月以上 |
| 隣地所有者が不明・連絡不可 | 半年〜1年以上 |


特に注意が必要なのが、官有地との境界確定です。近年は官公庁の人材不足により確認業務が長期化する傾向があり、半年以上かかるケースも出ています。これは建築着工スケジュールに直結する問題です。


着工前に土地の境界状況を必ず調査し、分筆が必要な場合は「最低でも4ヶ月前から動く」という認識を持つことが、スケジュールのリスク管理として重要です。


分筆登記が完了して初めて新しい地番が付与されます。建物の建築確認申請にも地番が必要なため、登記完了のタイミングが後ろにずれると全体スケジュールが押してしまいます。スケジュールに注意すれば大丈夫です。




参考:分筆登記の流れと期間・官有地隣接時の特殊なケースが詳しく説明されています。


HOME4U土地活用|分筆登記の費用はいくら?相場・内訳と高くなるケースをわかりやすく解説




6訂版 わかりやすい不動産登記の申請手続